Toshiが行く

日記や趣味、エッセイなどで描く日々

弘の夕市

2020年10月26日 06時00分00秒 | 日記
福岡市の東部、博多湾と玄海灘に面して志賀島がある。
「島」と言っても島ではない。
市街地から国営海の中道海浜公園前を通り、
しばらく進むとまさに海の中道、砂州を整備した道路が志賀島へ延びており、
これによって陸続きとなっているのである。
「漢倭奴国王」と刻された国宝・金印が出土したことでも知られる。
                        
    24日の土曜日、この志賀島西部にある弘漁港を訪れた。
    釣り好きに人気のある漁港らしいが、それが目的ではない。
    ここで5月~12月の期間、毎月第2・4土曜日に開かれている
    「弘の夕市」を目指してのことだった。
    約20年続くという活魚の直売市である。
    以前一度行ったことのある妻が、「ぜひもう一度」と言うので
    やって来たのだが、こんなことに不案内の僕には、
    えらく面白く、ユニークなものに思えた。

まず、タイ、アジ、スズキ、それにエビ、タコなどが漁船から水揚げされ、
そのまま発泡スチロールの箱に移される。
もちろん、魚たちはバチャバチャと跳ね回っている。
そして午後2時、市の開始だ。
列をなして待っていた客が、箱の周りにわっと群がる。
スーパーやデパートなどの特売日に、目当ての商品目がけて群がる、
あれと同じような光景だ。
そして、勝手知った人は自前の網で、網がない人は籠ですくい上げ、
そんな用意がなければ、素手でのつかみ取りになる。
どの魚をどのくらい取るかは客次第だ。
           
    それら獲物を籠に入れ、今度はそれを会計に持ち込んで支払いをする。
    どうやら、この「弘の夕市」には漁師さん一家が総出のようだ。
    会計には、ちょっと年配のおばさんが3人並んでいたが、
    なんと、ソロバンをはじいている。
    今ではごく普通の計算機ならぬ、ソロバンだからというわけではないが、
    100人をくだらない客が列を作るとあれば、ここで結構な時間がかかる。
    それはともかく、新鮮な魚介が手頃な値段で手に入るとあって、
    結構、人気のある市となっているらしい。
    毎回100~200人もの客があり、早い時には1時間ほどで品切れになるという。

支払いが済むと、捌き台にもっていく。
ここには漁師さんや、その奥さんと思える人たちが包丁片手に待ち構えており、
ウロコ取りはもちろん、3枚おろしなど客の注文に応じ全部捌いてくれる。
客にとってはそんな手間が省けるのだから、これは大いに助かる。

    この日の当家は、タイ、アジ、エビ、タコなど盛りだくさんだ。
    それらを冷凍バッグに詰め込み、娘や友人たちにお裾分けしながら帰宅。
    夕食は当然、それらの「刺身定食」となった。

           う~ん、格別に旨い。

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