【ただいま読書中】

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

野菜と果物

2015-12-08 06:46:03 | Weblog

 今日読んだ本にはアメリカで「スイカは野菜か果物か」の論争があったことが紹介されています。ところで日本の農林水産省の定義では「野菜は草本性、果実は木本性」とされています。つまり、スイカもイチゴもメロンも、日本ではすべて野菜なのでした(「日本の常識」に遠慮して「果実的野菜」と譲歩はしていますが、それでも「野菜」なのです)。

【ただいま読書中】『ニンジンでトロイア戦争に勝つ方法(下) ──世界を変えた20の野菜の歴史』レベッカ・ラップ 著、 緒川久美子 訳、 原書房、2015年、2000円(税別)

 上巻に続いて下巻も快調です。まずはマーク・トウェインの良心を吹き飛ばしたメロンが登場。メロンは野菜? はい、まさにそのことからメロンの章は始まります。メロンの糖度は低めで中国では料理用のメロンが栽培され、キュウリと同じウリ科の植物です。おやあ、やはりメロンは野菜ですか?
 本書には、第三代アメリカ大統領ジェファーソンが何回も繰り返し登場します。パンプキンの所では「パンプキンの大きさを測ろうとしなかった」というなんだか無理のある登場の仕方ですが、著者はジェファーソンのファンなんですかねえ。
 著者は古今東西を元気に駆け回ります。古代エジプト・ギリシア・ローマ、中世、近代、おっと、古代中国の『詩経』に登場するラディッシュなんてものやラディッシュ繋がりだとペリー提督が日本で見た巨大ラディッシュ(おそらく大根のこと)なんて話題も登場します。
 食卓では脇役扱いの野菜ですが、本書では立派に“メインディッシュ”です。いやあ、お腹いっぱいになるまで堪能しました。本書で取り上げられなかった野菜たちについても、書いてくれないかなあ。