「石橋を叩く」行為そのものは別に悪いものとは思えません。どんなに立派で安全に表面上は見えてもメインテナンスの手を抜いていたら危ないですから。「渡る」ことも悪いことではないでしょう。そもそも渡るために安全を確認しているのですから。すると「石橋を叩いて渡る」を、まるで悪いことのように評する人は、一体何を問題にしているのでしょう?
【ただいま読書中】『世界の川を旅する』マイケル・ウッド他 著、 鴻巣友季子 訳、 白楊社、1995年、2524円(税別)
世界各地の川旅が6編集められています。コンゴ河で、マイケル・ウッドはバージを何隻も押していく巨大な蒸気船に乗って、コンラッド(『闇の奥』)の旅路をたどり直します。
ニューギニアのセピク川とワギ川では、クリスチーナ・ドッドウェルが危険なラフティングを体験します。
ブラジルのサンフランシスコ川は、ジャーメイン・グリアが外輪船に乗ってよたよたと川を旅します(よたよたと動いているのは、ジャーメイン・グリアではなくてポンコツ外輪船なのですが)。
メコン河とナイル河では政治(ヴェトナムとラオス、エジプトとスーダン)が河に暗い影を投げかけています。
どの旅にも共通するのは「危険」です。空港から港までの道中でさえ「冒険」のニオイがする場所もあります。私のようにふやけた安全意識しか持っていない人間は、とても近寄れない「川旅」ばかりですが、こうやって自分の身をそういった旅に投じてくれてしかもそのレポートを持って帰ってくれる人たちは、ありがたい存在です。感謝します。
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