ぴよこ日和

いらっしゃいませ。
きたむーです。
お芝居、ライブ、お笑い大好きです。

二月花形歌舞伎 夜の部

2010年02月24日 | 観た
 竜馬がゆく 立志篇
つい先日も観たので飽きるかなと思ってましたが、いえいえ然に非ず。むしろ却って集中して観れました。
第一幕では獅童丈演じる桂小五郎との出会い。
染竜馬が黒船を見て「あの黒船が欲しいのぅ」と子どものようにはしゃぐ様子に共感したのか、友の契りを交わそうと言う小五郎。
爽やかな青年2人の爽やかなシーンでした。
二幕目は土佐藩の理不尽さを憂う場面でした。
土佐藩には上士と呼ばれる山内系の武士と郷士と呼ばれる長宗我部系の武士とがいたそうで、私は今回この芝居を観て初めてそれを知りました。
郷士の武士は牛馬にも劣ると虐げられていたのですが、竜馬はそういう土佐藩の体質に嫌気がさして脱藩を決意し、人間が平等でいられる国を作ろうと決心するのでした。
第三幕目は勝海舟の屋敷です。
ここで竜馬は今まで‘国’だと思っていたものが‘家’の集合体であることに気付き、日本は今まで国ではなかった、新しい国を作るのだと大きな夢を馳せるのです。
こうして見てみると坂本竜馬という人は、日本にいて初めて客観的に「日本」を見つめた人ではなかったでしょうか。
筋書きに略歴が載っていましたが、わずか33歳で亡くなるまでに、なんと精力的に日本中を駆け巡った人なんでしょうか。その行動力には頭が下がります。
今の時代にも竜馬ファンがたくさんいるというのは、それほどまでに魅力のある人物なのでしょうね。

はい、ここでおやつターイム!
夜はさすがにお弁当は自粛。なぜなら歌舞伎観劇のお楽しみの1つである甘モノの摂取をしたいから

こちらは北海道から出店の札幌どら。十勝小豆250円也を頂きました。
が、あんこが余りにも上品過ぎて物足りなかったー。
やっぱガッツリあんこたっぷりのヤマザキのやぶれ饅頭が好きだーっ!80円だしーーっ!!
はい、甘モノ終了。

 三社祭
舞踊です。
踊りは苦手なんですが、これはテンポが良くてとっても楽しかった!
染様と亀治郎丈が飛び回るようにして踊ってました。その時間約20分。大した体力ですよ。
染様も亀ちゃんもどっちも踊りが上手ですからねぇ。眼福でした。

 瞼の母
最後は大衆演劇や映画でもお馴染みの瞼の母です。とはいえ、私はそんなに詳しくお話を知りませんでした。
簡単に言うと生き別れた母親を探す、渡世人忠太郎のお話です。
序幕は弟分の亀治郎丈演じる半次郎を、獅童丈の忠太郎が尋ねてくるシーンなのですが、ここで半次郎の母親が、忠太郎のことを悪い奴だと勘違いして半次郎を庇い立てします。
そこで母親の情を見せ付けられ、羨ましがる忠太郎。
獅童君が非常にいい顔で、活き活きと忠太郎を演じていたのが印象的でした。
半次郎の亀ちゃんもいい芝居です。こういう任侠モノも似合うわねぇ。
大詰の第三場ではいよいよ本当の母親おはまに出会えるのですが、おはまは裕福な暮らしをしているので初めは忠太郎のことを騙りだと思って撥ね付けます。
忠太郎はなんとか自分のことを解って欲しいと思うのですが、結局はすれ違いのままおはまと別れる羽目に。
ガッカリした忠太郎が「わざわざ手間を掛けて母親を探さなくても良かったんだ。こうして瞼を合わせりゃあ母親の面影が浮かんでくるのに・・・」と目を閉じるシーンでは涙が止まりませんでした。こりゃ家で観てたら大号泣モノでしたよ。
獅童君が本当にいい演技で、本当にはまってました。これからもどんどんいいお役を頂いて頑張って欲しいです。

今回の二月花形歌舞伎で一番の収穫は、昼の部の金幣猿島郡での七織姫、夜の部の瞼の母でのおはまの娘、お登世役を務められた中村梅枝君です。
とってもきれいな女形さんだなーと思っていたら、私が大好きな役者さん中村時蔵さんの息子さんでした。
さすがは時蔵さんの息子さんねぇと今回1発でファンになってしまいました。まだまだ20代の伸び盛り。これからが大変に楽しみですね。

それから今回、いつも歌舞伎を観に行く度に見かけていた大向こうさんとおしゃべり出来ました。
昼の部ではお見かけしなくて、夜の部にいらっしゃったのでちょっとお話させて頂いたのですが、大向こうさんの苦労話なども聞けて参考になりました。
次は6月に大歌舞伎があるので、その時にまたお会い出来るかしら?
楽しみが増えましたね。
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二月花形歌舞伎 昼の部

2010年02月24日 | 観た
2月24日(水)

今日は博多座で1日中歌舞伎の日。

3日に昼の部を観て、14日に一幕見で竜馬がゆくを観て、今日は昼の部夜の部とぶっ続けでした。いやー、堪能したね。

 双蝶々曲輪日記 ~引窓~
以前観たことがあるような・・・と思ったこの作品。観てたのは同じ双蝶々曲輪日記の二幕目の角力場でした。
道理でね、濡髪長五郎って名前にも絶対覚えがあると思ってたんだよ。
今日は3日に観て気になったシーンを集中して観ようと思ってました。
例えば、殺人を犯してしまった濡髪の人相を変えようと、母親のお幸が濡髪の前髪を剃り落とすのですが、それってどうなってるんだろう?とか、同じく人相を変えようとほくろを取ろうとするシーンで、一瞬でほくろが消えるのですが、あれってどうやってるんだろう?とか、ちょっと小姑のような目線で観てしまいましたね。
最初に観た時に思ったそういう疑問が、今日は解決したのでスッキリしました。

はい、ここでお昼です。今日は中屋フーズの松花堂弁当1000円也を頂きました。

お肉、お魚、豆や玉子など、色んな食材がちょっとづつ使われていて、体にもいいですね。
美味しゅうございました。

 猿之助十八番の内 金幣猿島郡 市川亀治郎宙乗り相勤め申し候
序幕の宇治通円の場の初っ端では、亀治郎丈演じる清姫が大変けなげで可愛らしいのですよ。
寺を参詣した時に見初めた男に恋焦がれて、目が見えなくなるほど泣き暮らした清姫は、自分の恋が叶わないなら、母親が匿っている七織姫の身代わりに首を差し出そうと思ってるのです。しかし、その場にやって来た修験者の安珍(実は文殊丸頼光)が持っている村雨の剣の威光で目が見えるようになり、その時に自分が恋い慕っていた相手が七織姫の恋人、安珍だとわかると途端に態度を変えて、とうとう蛇の姿になって2人を呪うのです。
いやー、女の執念って怖いですねぇ。
二幕目からは亀治郎丈は藤原忠文で出て来ます。こちらは七織姫に恋している男の役です。
これは四角関係のお話なんですね。
清姫(片思い)頼光(相思相愛)七織姫(片思い)忠文
てな感じなのですが、この片思い同士の清姫と忠文が合体して、頼光と七織姫を呪うってのが奇想天外でぶっ飛んだ発想ですよね。
二幕目二場では、いよいよ宙乗り。天井からはキラキラの紙ふぶきが舞い、ゆっくりと堂々とした宙乗りでお客さんも大興奮でした。
3日に観た時のような手拍子は出ませんでしたが、拍手拍手の渦でしたよ。

 大喜利所作事 双面道成寺
道成寺のパロディはいくつか観ていますが、「聞いたか聞いたか」「聞いたぞ聞いたぞ」で始まるオープニングはいつ観ても楽しい雰囲気がしてワクワクしますね。
前にも書きましたが、去年の7月に下関で観た染様の「奴道成寺」と同じような振りがあって、とても楽しめましたよ。
亀治郎丈演じる狂言師升六が、おかめとお大尽とひょっとこの3つの面を使って踊るシーンは、本当に息つく暇もなくコロコロと面を換えて、それぞれの面にあった面白い振り付けでした。本当に人が3人いるように見えてビックリ。さすがは踊りの名手と言われるだけありますね。
最後、鐘に取り付く怨霊となった升六が鐘の上で蛇となるのですが、その時に捕り手たちが鐘の下にズラリと並びます。すると捕り手の衣装の柄が蛇の模様になっていて、蛇がゾローッと舞台中に這い回っているような意向になってました。
うーん、いい演出。あ、歌舞伎に演出は普通つかないんですけどね。昔からのワザなんでしょうかね。

と、いった感じで昼の部終了。
続いては夜の部です。
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