麻疹(はしか)は感染力が極めて強い疾患です。
感染が強いものは、伝播するのが思わぬペースになっていることは、考えないとなりません。
症状が子供などは比較的軽いことも、こうした麻疹が感染しやすい状況になります。
ただし、SSPEという怖ろしい後遺症が極めてまれ(罹患者数万人で一人)ですが、起きることが知られています。
遅発性のウイルス感染症。プリオン病などと近い疾患です。厚生労働省の研究班ホームページより引用いたします。
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http://prion.umin.jp/prion/index.html
「亜急性硬化性全脳炎(subacute sclerosing panencephalitis) は、その頭文字をとってSSPEともいわれています。麻疹(はしか)に感染してから数年の無症状の期間を経て、微細な神経症状が現れます。発病後は数か月から数年の経過(亜急性の経過)で徐々に神経症状は悪化し、数年から十数年で死に至る重篤な疾患です。
通常のウイルス感染が数日から数週の間に発症するのに対し、このように潜伏期間が数年と長く、ゆっくりと進行するウイルス感染を遅発性ウイルス感染と呼びますが、SSPEはその代表的な病気の一つです。」
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これは幼児が感染した場合に起こりやすい疾患ですが、こうした重篤な疾患が一定期間後に確率が低くてもおこりうるものが、麻疹ということは想定しておかないとなりません。
こうした麻疹による重大な疾患発生リスクまで考えると、そのリスクを下げるためにも、ワクチン接種という防御は必要な措置とは思います(但し今回はワクチン接種で感染を食い止めているとは言い難い状態ですが)。
舐めてはならない。
そして、この麻疹が拡大する様相を呈し始めていることは間違いありません。
兵庫県尼崎市に飛び火しました。関西空港から海上直線で40キロ、道路だと50キロ離れている場所で、麻疹の集団発生があり、報告がなされました。
9月8日正午時点までに8名の麻疹患者が発生しています。
これは、保育園児4人と職員1人、母親1人の6人が集団発生。しかし、保育所は閉鎖はしないそうです(大丈夫か?)。
これ以外に中学生が1人感染が確認されています。
そして感染経路はわからないと市役所からは報告されているのですが、もう1人の感染者は実家が尼崎市内にある関西空港職員です。
この職員と他の感染者との接触がわからないから、感染経路は不明と考えるようですが、感染力の強い麻疹は、いくらでも空気感染するものですから、関連性があると考えた方が自然なリスク感覚です。
もう麻疹の状況は、大阪南部の関西空港周辺に留まらず、関西の都市部では一定以上のリスクとして悪化しつつあると想定すべきように思われます。
麻疹は致死的感染症ではありませんが、こうした感染症リスクに遭遇することは、被曝国日本では頻度が増すと考えられますから、ある種のシミュレーションとして、貴女が対応を考えて振る舞うことを少なくともお勧めします。
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