無料サーバーは、結論から申し上げますと、一般的には有料版を契約してもらうための体験版的な意味合いがありますから、公的なホームページで恒常的に利用するのにはかなり無理がありますから、避けたほうがいいと思います。むしろ、正式に役所に経費を予算計上してもらって有料版を契約するのが筋でしょう。
その理由の最たるものは、通信回線やサーバーの輻輳というか混雑です。いわゆる無料サーバーに於いては、普通にお金を出して運営している有料サーバーと比較すると、明らかに通信回線が混雑していて、特に深夜の10時ごろからあとは不通になる場合が多いからです。ですから、極力、平日の午前中にアクセスするとか、日曜祭日にはアクセスしないとかいった工夫が必要かな?と思われます。しかし、これでは、公的なホームページにはとても使えません。つまり、無料サーバーには、そういった公的な利用といった過大な要求はしなくて、個人的な趣味の範囲で使う・・・そんな用途にふさわしいというような評価というか認識をしておいたほうが無難でしょう。
たとえば、私は、某市の某委員会の役員を仰せつかっているわけですけれども、その委員会でホームページを立ち上げることになったのですが、或る委員が「無料サーバーでないと当初予算に計上していないので駄目だ。」というようなことを意見したのですが、私は即座に反対の意見を述べました。
公のホームページを作成するのに無料サーバーなんてものを使うこと自体が、住民に対して失礼というか、ありえないということを申し上げた次第です。無料サーバーは、本来は体験版的に試用して、それで気に入った場合には継続して使うために料金を払って契約してください・・・という性質のものです。その点を履き違えて、本来、市の予算の関係云々とはまったく無関係な性質の問題であるにも関わらず、0円だから予算計上しなくてずっと継続して利用し続けても差しさわりが無いので、無料サーバーが良いと推奨されても困るのです。それは、お金の関係では支障がなくても、まったくの別問題であるところの通信障害が時々起こるのは事実ですから、公的なホームページ用には、無料サーバーは不適当だと意見したのであります。
しかしながら、無料サーバーが信頼の置けないいい加減な代物だということは出来ません。というのは、きちんと規約には目的や制限事項を明記してあり、つまり、すべて自己責任で使ってくださいということで無償配布しているからであります。そういう趣旨をよく読んで、それに則ってぜひ利用すべきであります。だから、そうでないような本格的な公的な使い方をしてしまって、その結果、支障があったとしても、それは運営会社に苦情を言うことは出来ないわけです。
たとえ僅かな金額であったとしても、公的なHP運営のためのサーバー借り上げ料金は税金の支出に当たりますから、当初予算に計上しておらなければ、年度途中であとから補正予算を認めさせるようなことは、既成事実のつみあげで実績作りをするようなものであり、無謀で強引なのかもしれません。が、かといっても無料サーバーで公のHPを運用すべきだという意見も、かなり無理があるように思われます。どっちもどっちでしょう。
具体に言えば、結果的には、無料ホームページを熱心に読もうとする住民側に立ってみれば、いささか迷惑な話で、しょっちゅうアクセス障害が発生してイライラするのが目に見えているわけでありますから、それはないですよ・・・とご説明したようなわけであって、ごく常識的なことを申し上げた次第であります。