ゲーム

ゲーム

年を追うに連れ、私はゲームが嫌いになっていく。

そんな時間があったら、数学の勉強をしていたい。この年になると勝ち負けなんてどうでもいい。というか人生という大きな勝負があるじゃないかと思うのだ。

私の同期でゲーム狂の友人も３０才を超えたあたりから、ゲームをやらなくなった。海外のプロのゲーマーも２３才を境に引退するんだそうだ。ゲームとは一体何か。ゲームで人の心は豊かになれるのか、私には分からない。

ある日、私が駅のベンチに座って電車を待っていると、まだ幼稚園も行っていないだろうと思われる子供が、ゲーム機の画面を懸命に見つめ、ボタンを押し続けているのを見て、私は将来に不安を感じた。

時代はデジタル化がどんどん進み、生活もそれに合わせて変わってしまうのだろう。文化という言葉は、いずれ押しつぶされてしまうのではないか。。。そんな喪失感を感じてしまう。

芥川龍之介が、ぼんやりとした不安、という言葉を残して自殺したのは、実はこういうところに隠されているのではないか、と私は想像してしまうのだ。