塾のバイト
中学生の時、個人宅でやっている英語教室に通っていた。女の子2人と男の子3人ぐらいだったと思う。一人の男の子を除き、私を含め全員バスケットボール部員だったため、時間の都合もつきやすかった。
教室は畳の上で大きな木のテーブルで行われた。部活が終わるとそのまま教室に足を運んだ。私はいつもそこで足がつって、周りの友達に介抱されていた。なんとものんびりした風景である。皆、英語の成績は良く、なにより楽しかった。
大学に進学し数学科を専攻した私は、英語教室の先生に数学を教えてくれないか、と頼まれた。いつの間に、英語と数学の両方を教えるようになっていたのである。私は快く応じた。
しかし生徒は私の時代とは異なり、あらゆる塾で落ちこぼれ、行く場所がなくなった連中ばかりであった。女子はなんやかんや、真面目ではないが授業は一応聞いて勉強していたが、問題は男子だ。数学なんてどうでもいいぜっ!と悪ぶっていて、おしゃべりばかりし、授業なんて聞いていなかった。
しかし、私から言わせると、皆、本当は勉強しなくちゃ、と思っているのだが、基礎をまるで理解していないので、授業についていけず、仕方なく悪ぶってごまかしているだけなのだ。皆、私の発言や行動にビクついているのが、肌で分かった。
ある日、一人のやつが、帰りてぇー、帰りてぇー、と言っていたので、帰ればいいじゃん、と言ったところ、誰に向かって言ってんだ!と立ち上がって声を荒げたため、おめえだよ、おめえ!と言ってやった。そしたら、そいつは寂しそうに出ていった。私は何事もなかったように授業を進めた。一人落ちこぼれを首にしてから、他の男子生徒は私の顔色を伺うようになった。
受験直前の最後の授業、男子生徒は焦りまくって、先生教えてくれ、と泣き事を言って来た。私は、なんでもっと早く言ってくれなかったんだっ!幾らでも教えたのに!と思った。
私の時代とは違い、女の子も男の子も中学生って結構繊細なんだと思って、自分は教師には向いていないと悟った。
今、近所に公文の教室があるが、引退したら小学生相手に算数でも教えようかなあと思っている。
中学生の時、個人宅でやっている英語教室に通っていた。女の子2人と男の子3人ぐらいだったと思う。一人の男の子を除き、私を含め全員バスケットボール部員だったため、時間の都合もつきやすかった。
教室は畳の上で大きな木のテーブルで行われた。部活が終わるとそのまま教室に足を運んだ。私はいつもそこで足がつって、周りの友達に介抱されていた。なんとものんびりした風景である。皆、英語の成績は良く、なにより楽しかった。
大学に進学し数学科を専攻した私は、英語教室の先生に数学を教えてくれないか、と頼まれた。いつの間に、英語と数学の両方を教えるようになっていたのである。私は快く応じた。
しかし生徒は私の時代とは異なり、あらゆる塾で落ちこぼれ、行く場所がなくなった連中ばかりであった。女子はなんやかんや、真面目ではないが授業は一応聞いて勉強していたが、問題は男子だ。数学なんてどうでもいいぜっ!と悪ぶっていて、おしゃべりばかりし、授業なんて聞いていなかった。
しかし、私から言わせると、皆、本当は勉強しなくちゃ、と思っているのだが、基礎をまるで理解していないので、授業についていけず、仕方なく悪ぶってごまかしているだけなのだ。皆、私の発言や行動にビクついているのが、肌で分かった。
ある日、一人のやつが、帰りてぇー、帰りてぇー、と言っていたので、帰ればいいじゃん、と言ったところ、誰に向かって言ってんだ!と立ち上がって声を荒げたため、おめえだよ、おめえ!と言ってやった。そしたら、そいつは寂しそうに出ていった。私は何事もなかったように授業を進めた。一人落ちこぼれを首にしてから、他の男子生徒は私の顔色を伺うようになった。
受験直前の最後の授業、男子生徒は焦りまくって、先生教えてくれ、と泣き事を言って来た。私は、なんでもっと早く言ってくれなかったんだっ!幾らでも教えたのに!と思った。
私の時代とは違い、女の子も男の子も中学生って結構繊細なんだと思って、自分は教師には向いていないと悟った。
今、近所に公文の教室があるが、引退したら小学生相手に算数でも教えようかなあと思っている。