理想数
今日は皆さんにイデアルとは何かということを伝えたくて、ブログを書きました。イデアルは現在理論的に整備されて数学の一分野として重要な学問になっていますが、もともとはクンマーって人が考えた理想数というのが基になっています。
数学の分野には2次体という数の概念があります。例をあげましょう。{ a + b√-5 } という数を考えます。a と b は整数です。例をあげると、 1 + 2√-5 という数です。√-5は、√の中身がマイナスで虚数になっているので、この数は複素数になります。当然、四則演算ができます。例えば共役数である 1 - 2√-5をかけると(1 + 2√-5)(1 - 2√-5) = 1 - 4(-5) = 21となりますね。
ある時、この2次体で素因数分解をする必要性がでてきました。素因数はこれ以上分解できない原子みたいなものですから、分解の表現はただ一通りの表し方にならなけれなりません。しかし困りました。上の21を考えてみてください。2通りありますね。
21 = 3 ・ 7
21 = (1 + 2√-5)・(1 - 2√-5)
これ以上、どちらも分解できません。しかしクンマーって人は、理想数を導入すれば、これ以上分解できて、一通りに表すことができると考えたのですね。クンマーは最大公約数を表す(a , b)の記号使い次のように定義しました。
A = (3 , 1 + 2√-5)
A' = (3 , 1 - 2√-5)
B = (7 , 1 + 2√-5)
B' = (7 , 1 - 2√-5)
そうすると
21 = 3 ・ 7 = A ・ A' ・ B ・ B'
21 = (1 + 2√-5)・(1 - 2√-5) = A ・ B ・ A' ・ B'
と因数分解できて、一通りに分解できるというんですね。ただでさえ虚数って何?って混乱する人もいるのに、なんじゃ理想数って!?それは数なのかっ!(理想数を整備してイデアルに置き換えると集合になります。)と思った方、正常な反応です。
Meは初めて理想数を知った時、衝撃を受けましたね。でも大学へ行くと、こういうヘンテコなこともやるんすよ。笑えるでしょ。。。カカ。。。