昨日は、レンタル作品3作が押せ押せで期限切れだったので一気に見てしまった。
内容が3作ごちゃごちゃで頭の中でパニくっている。
↑アキ・カリウスマキの①「ラヴィ・ド・ボエーム」と②「コントラクト・キラー」
今、またこの時期にこの監督に出会えたことに感謝する。
①上質のユーモアに富んだ作品だ。家賃の滞納で住まいを追い出される場面から始まるのだが、この男、嘘がやたら上手い。弁が立つ!やがて、売れない画家と出会い芸術論で意気投合し、元のアパートに戻ってみたら売れない作曲家が住んでいた。妙な成り行きで中年のこの3人が”相互扶助”的な役割をもって日々を暮らす。この3人の距離感が絶妙だ。編集・画家・作曲とそれぞれ自分の将来を捨ててないし、強い自負もある。かといって意固地で窮屈に偏らず生活を愉しむことを知っている。だから作品からは豊かな薫りが漂ってくる。終盤、余命いくばくもない友人を尊厳をもって送るために彼らがしたことは・・・。淡々と画面は流れセリフも少なく地味ではあるが、この3人に本物の品格というものを感じる。
↑「アニー・リボヴィッツ/レンズの向こうの人生」
ジョンがヨーコに裸で絡むポーズが有名なこの写真家のドキュメント。イメージの展開の幅が広い。イメージ通りに仕上げるための手段を選ばない姿勢には少々引けるが、その才能には素直に拍手!被写体となるスターのスターたる天分を存分に引き出している。”マリー・アントワネット””薔薇に埋もれたバーバラ・ストライサンド”などなど見覚えのあるポスターの撮影現場を微細に記録している。ちなみに、ジョンとヨーコの写真撮影後3~4時間後にジョンは暗殺されたという。
と2/1
↑「ライフ・オブ・デビッド・ゲイル」2003/アメリカ
”同僚の女性を強姦・殺害した罪で死刑目前の元大学教授に単独インタビューすることになった女性記者が、やがて彼の冤罪を信じ、独自の調査に乗り出す過程を二転三転する巧みなプロットで描く社会派サスパンスドラマ”-allcinemaよりー
ラスト最後の一秒に息を呑みます。(元教授にケビン・スペイシー、女性記者にケイト・ウィスレット)allcinemaの解説で「あなたはこの結末に納得できますか・・」というフレーズがあった・・・んん、厳かに納得します、が私の回答。余命少なかった同僚の教授と世の中の不条理を知り尽くしてしまった教授。死刑廃絶活動に関わった二人がぎりぎりのところでこの世に残せる痕跡は?と考えたときにストンと気持ちが落ち着いた。間に合わなかった悔しさももちろんあるが、それは教授の本意ではなかったのでは。
”ボスニア紛争真っ直中、“ノー・マンズ・ランド”と呼ばれるボスニアとセルビアの中間地帯に取り残された、敵対する二人の兵士を中心にそれを取り巻く両陣営、国連軍、マスコミを登場させ、笑いの中で戦争を痛烈に皮肉り、その不条理や愚かさを見事にあぶり出した辛辣な戦争こめでぃ・・・”ーallcinemaよりー
え、コメディだったの?とcinemaの解説を読んでまず軽く驚いた。ラストが途方もなくやりきれない。各民族の憎しみは到底解けない。間に入って仲裁しようなんて結局他人事だ。国連軍の現状をコメディというオブラートに包みリアルに伝えてくる。問題解決とは程遠いところにあるこれが現実か。優れた作品だ。この難しいテーマを子どもにも解るように描かれているところが凄い。カンヌその他で各賞を獲得。
2/1
「ゴス・フォードパーク」2001
イギリス(1930年~)の上流社会を召使の眼差しを通してシニカルに描く。上流社会の煌びやかさとエゴを召使らが辛らつに語る。瀟洒な屋敷に使える者の舞台裏を覗く感じが面白い。まるで会社組織のような厳粛な規則で仕事をしているのですよ。もちろん息抜きの場面はフフ・・と笑えます。
「たみおのしあわせ」 息子(オダギリジョウー)と父親(原田芳雄)のぶっきらとした二人暮らしの様がどことなく可笑しい。男気のある父親に大竹しのぶが執拗に纏わりつき、たみおの結婚相手だった麻生久美子もなんだかちょっと変?小林薫もたみお家の屋根裏から覗いていたりして・・・芸達者揃いのコメディです。
「ジュノ」2007/アカデミー脚本賞ということで見てみる。16才高校生ジュノのキャクターが愉快だ。その豪放磊落ぶりはオジサンっぽくもあるのだが、やはりデリケートで不安な思春期の女の子。子どもがデキても外見上は慌てず騒がず養子縁組を企てるあたり賢いコ。両親の対応ぶりが素晴らしく明快だ。コメディと割り切っても聡明な対処の仕方に感心する。実際問題から離れたところから眺めると水彩色の「恋のメロディ」にべたべたべた奔放に彩色し、見事生きのいい画風に仕上げた
という感じ。ジュノから発せられる言葉は刺激的だ。ジュノが身につけるファッション・雑多な小道具など眼に楽しい画面が多い。彼が玄関の扉を開けると、パイプ加えて椅子にドカンと座って真ん前にいるジュノの映像が印象に残る。
内容が3作ごちゃごちゃで頭の中でパニくっている。
↑アキ・カリウスマキの①「ラヴィ・ド・ボエーム」と②「コントラクト・キラー」
今、またこの時期にこの監督に出会えたことに感謝する。
①上質のユーモアに富んだ作品だ。家賃の滞納で住まいを追い出される場面から始まるのだが、この男、嘘がやたら上手い。弁が立つ!やがて、売れない画家と出会い芸術論で意気投合し、元のアパートに戻ってみたら売れない作曲家が住んでいた。妙な成り行きで中年のこの3人が”相互扶助”的な役割をもって日々を暮らす。この3人の距離感が絶妙だ。編集・画家・作曲とそれぞれ自分の将来を捨ててないし、強い自負もある。かといって意固地で窮屈に偏らず生活を愉しむことを知っている。だから作品からは豊かな薫りが漂ってくる。終盤、余命いくばくもない友人を尊厳をもって送るために彼らがしたことは・・・。淡々と画面は流れセリフも少なく地味ではあるが、この3人に本物の品格というものを感じる。
↑「アニー・リボヴィッツ/レンズの向こうの人生」
ジョンがヨーコに裸で絡むポーズが有名なこの写真家のドキュメント。イメージの展開の幅が広い。イメージ通りに仕上げるための手段を選ばない姿勢には少々引けるが、その才能には素直に拍手!被写体となるスターのスターたる天分を存分に引き出している。”マリー・アントワネット””薔薇に埋もれたバーバラ・ストライサンド”などなど見覚えのあるポスターの撮影現場を微細に記録している。ちなみに、ジョンとヨーコの写真撮影後3~4時間後にジョンは暗殺されたという。
と2/1
↑「ライフ・オブ・デビッド・ゲイル」2003/アメリカ
”同僚の女性を強姦・殺害した罪で死刑目前の元大学教授に単独インタビューすることになった女性記者が、やがて彼の冤罪を信じ、独自の調査に乗り出す過程を二転三転する巧みなプロットで描く社会派サスパンスドラマ”-allcinemaよりー
ラスト最後の一秒に息を呑みます。(元教授にケビン・スペイシー、女性記者にケイト・ウィスレット)allcinemaの解説で「あなたはこの結末に納得できますか・・」というフレーズがあった・・・んん、厳かに納得します、が私の回答。余命少なかった同僚の教授と世の中の不条理を知り尽くしてしまった教授。死刑廃絶活動に関わった二人がぎりぎりのところでこの世に残せる痕跡は?と考えたときにストンと気持ちが落ち着いた。間に合わなかった悔しさももちろんあるが、それは教授の本意ではなかったのでは。
”ボスニア紛争真っ直中、“ノー・マンズ・ランド”と呼ばれるボスニアとセルビアの中間地帯に取り残された、敵対する二人の兵士を中心にそれを取り巻く両陣営、国連軍、マスコミを登場させ、笑いの中で戦争を痛烈に皮肉り、その不条理や愚かさを見事にあぶり出した辛辣な戦争こめでぃ・・・”ーallcinemaよりー
え、コメディだったの?とcinemaの解説を読んでまず軽く驚いた。ラストが途方もなくやりきれない。各民族の憎しみは到底解けない。間に入って仲裁しようなんて結局他人事だ。国連軍の現状をコメディというオブラートに包みリアルに伝えてくる。問題解決とは程遠いところにあるこれが現実か。優れた作品だ。この難しいテーマを子どもにも解るように描かれているところが凄い。カンヌその他で各賞を獲得。
2/1
「ゴス・フォードパーク」2001
イギリス(1930年~)の上流社会を召使の眼差しを通してシニカルに描く。上流社会の煌びやかさとエゴを召使らが辛らつに語る。瀟洒な屋敷に使える者の舞台裏を覗く感じが面白い。まるで会社組織のような厳粛な規則で仕事をしているのですよ。もちろん息抜きの場面はフフ・・と笑えます。
「たみおのしあわせ」 息子(オダギリジョウー)と父親(原田芳雄)のぶっきらとした二人暮らしの様がどことなく可笑しい。男気のある父親に大竹しのぶが執拗に纏わりつき、たみおの結婚相手だった麻生久美子もなんだかちょっと変?小林薫もたみお家の屋根裏から覗いていたりして・・・芸達者揃いのコメディです。
「ジュノ」2007/アカデミー脚本賞ということで見てみる。16才高校生ジュノのキャクターが愉快だ。その豪放磊落ぶりはオジサンっぽくもあるのだが、やはりデリケートで不安な思春期の女の子。子どもがデキても外見上は慌てず騒がず養子縁組を企てるあたり賢いコ。両親の対応ぶりが素晴らしく明快だ。コメディと割り切っても聡明な対処の仕方に感心する。実際問題から離れたところから眺めると水彩色の「恋のメロディ」にべたべたべた奔放に彩色し、見事生きのいい画風に仕上げた
という感じ。ジュノから発せられる言葉は刺激的だ。ジュノが身につけるファッション・雑多な小道具など眼に楽しい画面が多い。彼が玄関の扉を開けると、パイプ加えて椅子にドカンと座って真ん前にいるジュノの映像が印象に残る。