生まれたままの姿で四つん這いの姿勢を取らされている僕は、手のひらで圧す岩の表面がざらざらした感触であることに、自分の心を重ねた。それは、逃れられない悔しい状況、僕という人間を徹底的に侮辱する状況において、次第に鈍磨していく自分の心そのもののだった。
みなみ川の水が深いエメラルド色を湛えて流れているのが見える。見た目はゆったりとしているけど、相当に速い流れだ。この岩の上から飛び込んで、女の人たちから逃げることを考えるのだけど、流されるまま岩に激突する危険性があるし、どうせすぐに捕まってしまうような気がした。
桜の古木が空に向けて差し交す枝にはぎっしりと葉が茂っていて、岩場に涼しい木陰を作っている。この岩場は、風の通り道でもあり、夏の日盛りにおいても、涼風の途絶えることがない。僕と違って、女の人たちは衣服を身にまとって、Y美のように中学校の制服姿の人もいれば、N川さんのように私服に着替えた人、S子のようにスカートは制服のままで上だけ派手な色柄のティシャツに着替えた人もいたけど、皆、さほどに暑さは感じていないようだった。
四つん這いの僕の股間から風が全身の肌を嬲るように次から次へと通り過ぎる。改めて自分が真っ裸であることが意識させられる。女の人たちと同じ木陰にいるのに、真っ裸という、一番涼しい格好をしている筈の僕が一番汗をかいているのかもしれなかった。これから受ける浣腸のことを思うと、背中にじっとりと汗が滲み出てくるのだった。
「はい。じゃ力を抜いてね」
大きな腕を僕の腰の上に置いて、S子が僕のお尻の穴を濡らし始めた。洗面器に張った水は石鹸を溶かしたのか、白っぽく濁っている。その水をぴしゃぴしゃとお尻にかけて、肛門を湿らす。
お尻に強い平手打ちが見舞われ、股をもう少し開くようにS子に命じられた。女の人たちが一斉に僕のお尻を覗き込んでいる。僕は視線を川や向こう岸の灌木の茂み、その茂みに見え隠れする遊歩道に視線をやって、なるべく今自分がされていることを考えないようにしたけど、お尻の穴に息を吹きかけられると、びくんと体が反応してしまい、女の人たちの哄笑を誘うのだった。
指でお尻の穴が広げられる。エンコの驚く声がする。Y美がもっと広がることを話すと、エンコが「信じられない」と独り言のように返す。女の人たちは、お弁当用の小型のマヨネーズを幾つも用意してきたようだった。風紀委員がその一つをわざわざ僕の目の前に差し出した。
「見て。これがあんたのお尻の穴に入れらて、ブチュって中に押し出されるの。いっぱい買ってきたから、安心してね」
と、丸いメガネのレンズの奥に冷たい、馬鹿にし切ったような目を見せて、僕をからかう。僕は力なく首を横に振り、「いやです。やめて」と訴えたが、Y美に「人間、諦めが肝心だよ」と、一蹴された。
最初は、マヨネーズではなく、水が注入された。
ボール専用の空気入れは、S子が自分の所属するバスケットボール部から失敬したものだった。水を詰めた空気入れの口金を僕のお尻の穴に入れて、奥へ奥へと押してゆく。以前、幸ちゃんたちに実験と称してお尻の穴に歯磨き粉や歯ブラシを入れられたことがあったが、その時の不快な感覚が蘇る。とにかく、下手に抵抗して力を入れると、腸を傷つけることになるから、どんなに嫌でも恥ずかしくても、ここは我慢して力を抜き、されるがままになるしかない。空気入れのホースがすっぽりお腹の中に入ってしまったようだった。ゆっくりと水が押し出される。
「石鹸を塗りたくったから、スムーズに入るね」
空気入れのホースをお尻から引き抜いたルコが手袋をしてもう一度ホースに石鹸を塗る。
一回ではそんなに多くの水が入らないから何度も続けてやるのがよい、とY美がアドバイスし、立て続けに空気入れから水を注入されることになった。下腹部が重たくなったような気がする。再び、ぬるぬるとホースが入ってゆく。
おちんちんの袋を誰かが指で弄ぶ。小さく丸まったおちんちんを引っ張る指もあった。エンコがおちんちんの裏側がゆさゆさ揺れる様が楽しいなどとのんきな感想を漏らしているのが聞こえる。
体が熱くなる。水をたっぷり入れられて重たくなった下腹部が音を立てた。便意を催したと思ったら、急激に限界近くまで便意が高まった。僕は四つん這いのまま体を揺すり、お腹が痛いことを訴えた。
「何? お腹が痛いの?」
わざと間が抜けたような声を出してY美が訊ねる。僕は全身を汗でぬらぬら光らせて、迫りくる便意に喘ぎながら、トイレが近い旨を告げる。無論、近くにトイレなんか無いことは承知している。女の人たちは岩陰でおしっこを済ませたようだった。僕もまた人に見られないところでしたかった。川の中に入っても良いと思った。しかし、Y美は許してくれなかった。無常にも、この四つん這いの姿勢のままうんちを出すように命じる。
バケツがお尻にあてがわれた。Y美の掛け声とともにうんちを出すことを約束させられた僕は、強制射精の時を思い出して、Y美が「いち、に、さん、はい」と手を打っても、我慢し通した。さっきのように、「・・・と言ったら出すんだよ」と続くかと思ったからだったが、今度は、そうではなかった。
「早く出しなさいよ」
苛立つY美にお尻を思いっきり平手打ちされて、ほとんどそのショックで肛門が緩んだかと思われるのだけど、うんちを出してしまった。女の人たちの、特にエンコの甲高い歓声が聞こえた。射精に続いて、うんちを出すところまで、女の人たちに見られてしまった。バケツにうんちを出し切ると、掛け声に合わせてうんちを出さなかった罰だとして、もう一度、水を注入されることになった。
水をたっぷり入れられて岩の上で悶え苦しむ僕を、女の人たちは立ち上がって見下ろしている。苦しみながら、全身汗まみれで転がったため、岩の上の細かい砂の粒が体じゅうに貼り付いた。猛烈な便意を堪えながらなんとか土下座を繰り返し、やっとのことでうんちを出すことを許された僕は、エンコにバケツをあてがってもらい、二回目のうんちをした。一回目と比べると、かなり水に近いうんちだった。
その後、川に落とされた僕は、Y美に命じられた通り、川の中でお尻をごしごし洗った。
肩を上下させる程に荒々しい呼吸が次第に整うと、もう一度、四つん這いの姿勢を命じられた。今度は、マヨネーズを挿入すると言う。
「やめてください。そんなもの、入れないで」
みんなの前でうんちをさせられた屈辱に涙声になりながら、更に残酷な好奇心を満たそうとする女の人たちに向って、考え直すように必死になって訴えるが、
「最初の約束なんだから諦めてよ。お願いだから、諦めて」
と、風紀委員がおちんちんの皮を引っ張りながら、答える。風紀委員は、屈辱と恐怖に小さく縮こまったおちんちんが面白くてならないらしく、さっきから頻りに指で弄ぶのだった。
お尻の穴をいっぱいに広げられて痛みが走る。と、硬い異物が挿入された。さっき見せられたマヨネーズの容器に違いなかった。「はい。押し出すよ」と、ルコの声がした。水よりも明らかに重たい感じがした。腸にどろりとマヨネーズがひねり出され、容器が引き抜かれる。続いて、もう一つ、マヨネーズの容器が挿入され、ぐいぐいと注入される。苦しくなって喘ぐ僕を無視して、更にもう一つのマヨネーズがS子からルコへ手渡され、広げられたお尻の穴に挿入され、ずぶずぶと奥へ。ルコの指がお尻の穴の中に入ってマヨネーズをひねり出している。
突然、エンコが四つん這いの僕の背中に腰を下した。太った体型から想像される通りの重さで、体を支える両手、両足がぶるぶる震える。
「ねえ、重たいの?」
どすんどすんと体を揺すりながら、エンコが聞いてくる。
「聞いてるの。重たいの?」
お尻をばしんばしんと叩いてエンコが僕に返答を促す。マヨネーズをたっぷり注入されただけでも苦しいのに、と思って、ただ、「重いです」とだけ答える。それが精一杯だった。すると、いきなり頭髪を引っ張られた。僕の背中から腰を上げたエンコは、頭髪を掴んだまま僕を無理矢理立たせると、片方の手でおちんちんを軽く握って揺すりながら、
「おちんちん丸出しのくせに、失礼なこと言わないでよ」
と、笑う。今日初めておちんちんを見た女の人とは思われない、慣れた手つきだった。
「ちょっとエンコ。いい加減にしなさいよ」
注意するY美の声がどこか強張っている。明らかに不快な様子だった。Y美が僕のことを思ってくれているのは、どこかで救われる気がする。引っ張られる頭髪が痛い上に、マヨネーズを入れられて張ったお腹に体じゅうの汗を光らせる僕を、Y美は無表情な顔をして見つめていたが、すぐにエンコに僕から離れるように指示した。しかし、それは僕への思いやりから言ったのではなかった。Y美は、S子とルコに風船遊びを提案した。
許しを乞う僕の声を鳥のさえずりが何かと思いなして聞き捨てる女の人たちは、僕の体を岩の上に仰向けにして押さえ付けると、S子が股間に入って僕の両足を持ち上げて、お尻が上へ突き出るような格好にさせるのだった。
お尻の穴が再び広げられる。N川さんが用意していたという、直径4センチぐらいの色とりどりの小さな風船を一つずつお尻の穴に入れようとする。
風船はなかなか入らない。ルコが力を徐々に加えると、少しずつお尻の中へ沈むとともにお尻の穴がじわじわと広がる。お尻が痛い。Y美が「うんちを出す時のように軽く気張りなさいよ」と、声を掛けるのでその通りにすると、すぽっと中へ入った。
「すごいね。入っちゃったね」
N川さんが手を叩いて喜ぶ。
続いて、同じような大きさの風船が一つ、二つとお尻の中に入れられる。すぽっとお尻の中に入ってしまうと、もう指で取り出すのは難しかった。うんちのように踏ん張って出すしかない。マヨネーズが入ってお腹がごろごろ鳴る中に風船を入れられ、お腹が張る苦しみは相当だった。全部で三つもの風船が入ったとルコがみんなに知らせた。最後の風船は結び目がお尻の外に出ていて、尻尾のようだと言う。触ってみると、確かにお尻の穴にゴムの感触があった。風紀委員が犬のようだと評して大笑いしている。
窮屈な仰向けの姿勢から解放された僕は、強制射精の時のように岩の上に立たされた。S子が僕の両腕を背中に回して、曲げる。ルコとミューが腰を下しておちんちんをぐるぐる回したり、おちんちんの袋を撫で回したりする。
性的な気持ち良さを感じる余裕はなかった。何よりも便意が激しく、苦しい。限界に近いことを訴えるのだが、Y美の回答は冷酷だった。
「私の許可なくうんち出さないでね。分かってるの?」
「無理です。もう我慢できません」
マヨネーズで刺激された腸に三つの風船を入れられて、お尻から今にも出てきてしまいそうだった。足をもじもじさせて悶えるのだが、下手に動くと、背中で曲げられた両腕に骨折させられるような痛みが走った。
「せっかくルコとミューがおちんちんを扱いてくれるって言ってんの。精液を出したらうんちを出してもいいよ」
にやにや笑いながらY美が指を伸ばして、僕の乳首を押した。
「ナオス君、私のパンツ見たからって、さっきはあんまり怒りすぎたかもね。ごめんね。お詫びの気持ちも込めて、おちんちん扱いてあげる。出していいよ」
僕を見つめながらミューがおちんちんを扱き続ける。緩急のある指の振動、さらにルコがおちんちんの袋をゆっくり撫で回すので、通常であれば、すぐにおちんちんが反応するところだと思う。でも、今は、猛烈な便意に襲われて、とても性的な気持ち良さを感じてる余裕がない。
「無理です。お願いです。うんちが出てしまいます」
「我慢しなさいよ、それくらい」
しかし、生理的に我慢できないものは、もう意志の力だけではどうにもならない。Y美の許可が下りないまま、僕は、ついにお尻から風船を出してしまった。と、立て続けに勢いよく他の二つの風船がマヨネーズ塗れになって飛び出し、その後にマヨネーズ状のどろどろしたものがお尻から漏れ出た。
立ったままの僕の内股を汁のような液体が伝って、足元を濡らした。とっさの判断で僕の腕を放したS子は、間一髪のところで僕のお尻から出たものに汚されずに済んだけど、岩の上が僕のお尻から出た、マヨネーズ状の白い、水のようなうんちで汚れてしまったのを見て憤慨した。
涙を流して許しを乞う僕は、自分のしてしまったことがY美たちの激しい怒りを招くことを思うと、全身ががくがく震えて、どうにもならなくなった。とりあえず川に入って汚れた体を洗う。岸に近い、流れの速くない場所を選んで、うんちに汚れた素っ裸の身を沈めた。お尻をきれいにしてから陸に上がると、岩の上の片づけが待っていた。女の人たちがレジャーシートの上でお菓子をつまんでいる間、僕はせっせと汚れた岩を自分の体で拭き、お尻から出した風船を全て拾った。
四つん這いになり、頭を下げてお尻を上へ突き出すような姿勢を強いられた僕は、Y美によって、三つの風船をもう一度お尻の中に入れられてしまった。更には空気入れから水が注入される。また腸が刺激される。
「もう一度やるんだよ。分かったね。ミューとルコが特別にお前のために扱いてくれるんだから、感謝しなさいよ」
Y美は、さっきと同じ場所に、やはりさっきと同じようにS子に両腕を背中に回された状態で立つ僕の体をじろじろ眺め回しながら、冷たい声で言った。
マヨネーズが注入されていないだけ、腸への刺激は少なかった。そのため、今はうんちが出てくる心配は無かったけど、やはり風船を入れられ、水もまた注ぎ込まれているので、いつ便意を催すか分からない。一度便意を催すと、もう歯止めが利かず、一気に極限まで高まるので、予断を許さなかった。
「さ、がんばろうか、ナオス君」
ミューがおちんちんを指でつまみ、軽い振動を加えながら、僕を励ます。ルコがおちんちんの袋を掴んで撫で回す。風紀委員が僕の乳首を指でツンツンと突いたり撫でたりする。精液が出る瞬間は腰を前に出すように指示して、Y美が僕のお尻の肉を摘まんで、前へ押し出す。
「せっかくだから精液を飛ばしてみな」
そう言うと、Y美は何を思いついたのか、僕の爪先から60センチくらい先のところに木の枝を置いて、
「あの木の枝を超えたところまで精液を飛ばしたら、今日の遊びは勘弁してあげる」
と、約束するのだった。
「もしも無理だったら、どうするの?」
気になっていたけど、なんとなく訊けないでいた僕に代わり、N川さんが質問をした。N川さんにしてみれば、僕がどんな罰を受けるのかが楽しみで質問しただけかもしれず、その証拠に浮き浮きしたように目を輝かせている。
「そうだねえ。もしもここまで届かなかったら、そうだねえ」
Y美は、少し思案するように空の雲を仰いでから、
「とりあえず届くまで、精液を出してもらおうか」
と、僕の方を見て、にっこり笑った。
「大変なことになったね。がんばろうよ、ナオス君」
優しい口調でミューが僕を励ますのだが、なんとなく笑っているようで、ミューの肩が不自然に揺れていた。おちんちんがたちまち大きくなる。頭の中が朦朧として、おちんちんの袋からじわじわと伝わってくる快楽の波が足先から乳首、首のあたりまでを浸す。
「もう少し我慢してね。まだ駄目だよ」
ルコはおちんちんの袋を揉み、赤く染まった亀頭の露出を注視しながら、僕に警告する。
「いきそうになったら、ちゃんと言ってね」
ミューが迫りくる快楽に思考能力を失いつつある僕を見上げて、念押しする。
「はい」
「いい子だね」
不意にミューの手の動きが速くなった。じっと力を入れて我慢するが、我慢する状態がまた非常な快楽を僕にもたらす。膝に力が入らなくなったところで、僕は、いくことを告げた。精液が我慢に我慢を重ねただけあって、すごい勢いで飛んだけども、おちんちんの角度が悪かったせいで、木の枝まで届かなかった。
「はい。残念だったねえ。では、届くまでチャレンジしようね」
Y美は僕の前に来て腰を下ろすと、すっかり精液を出し切って小さく萎んだおちんちんを指でぱちんとはじいて、
「さ、萎れてる場合じゃないよ。次は頑張らなくちゃ」
と、手を鳴らした。
相変わらず僕の両腕を背中で曲げているS子がエンコに鞄からロープを取ってくるように頼んだ。エンコからロープを受け取ると、S子は、慣れた手つきで、さっさと僕の両手首を背中で縛り上げてしまった。
尾てい骨の辺りで両方の手首を一つに括られた僕は、萎んで皮の中に包まれてゆくおちんちんを隠すことができず、両足をもじもじさせたまま岩の上に立っている。風船を入れられたお尻の中が圧迫されて、再び便意が襲ってきた。
「出ちゃう。お願いです。先にトイレを許してください」
「わあ、すごい馬鹿。トイレなんか、どこにあるのよ」
S子が首を曲げたまま手のひらを上に向けて笑う。
「お願いですから。うんちが出ちゃいます」
「そんなもんかねえ」
縛られた体をくねらせ、足の踏み場を一秒ごとに変えるような、落ち着きのない僕をY美が冷やかに見つめる。先程は、Y美の厳命にも関わらず、途中でうんちを出してしまったので、今度もまたあやしいと思ったのか、
「仕方ないねえ。じゃ、早く出しなよ」
と、ようやく許可を出してくれた。
両手を後ろに縛られたまま、その場にしゃがみ込むと、挿入された風船が三つ、連続して出てきた。続いて、ほとんど水そのもののような液体が飛び出る。エンコは風船が出る瞬間のお尻の穴が大きく広がって面白いことを述べ、風紀委員は、「何度も浣腸されてるから、この子の腸は今とても奇麗なんだろうね」と、感想を漏らした。
汚したものは本人がきれいにしないといけない。そのためには後ろ手に縛られたロープを解いてもらう必要がある。Y美とS子に頼み込んだが、彼女たちは僕に一刻も早く排泄物の処理を求めていたのに、なぜか両手の自由を認めたがらなかった。Y美とS子は、どちらが僕のロープを解くか、互いに譲り合っているように見えた。結局、Y美が頑として僕の両手を自由にすることを拒んだ。S子も阿諛追従し、僕に対して、S子にしては珍しい柔和な笑みを向けて、
「ねえ、縛られたままでも体を使ってきれいにできるもんね」
と、この格好のまま片付けることになった旨を告げるのだった。
お尻から噴き出した物を、両手を後ろで縛られたまま片付ける。体を岩肌にこすりつけるようにして岩肌にこぼれた液体を拭き取ったり、風船を口で取って、N川さんが差し出すごみ袋に入れたりした。
一通りきれいにすると、今度は僕自身の汚れた体を洗わなければならない。今度こそ両手を解いてくれるはずだと期待して女の人たちに頼み込むのだが、またしても断られてしまった。両手を縛られたままでは、お尻はもちろん、岩にこぼれた水のような排泄物を拭き取った胸やわき腹などの汚れた体を洗うこともできない。それでも、女の人たちは僕に早く川の水で汚れた体を清めるように求める。どうすればよいのか。
迷っていると、S子が立ち上がって、
「ねえ、エンコ。悪いけど、あたしの鞄にまだロープあったと思うんだけど。それじゃなくて、もっと長いやつ」
ぐるぐる巻きのロープをエンコから受け取って、僕を引き寄せた。ロープの先端には長さ3センチ程度の縦長の金具が結ばれていて、その金具にはロープの通し穴が二つある。通し穴を通っている部分のロープを引っ張ると輪っかになって、S子は大きくした輪っかを僕のおちんちんからおちんちんの袋までくぐらせた。根元まで持ってくると、きゅっとロープを引っ張って輪っかを締める。金具は中心部が少しへこんでいて、全体的に緩やかなくの字を描いているため、おちんちんの袋の下辺りにぴったり密着した。
S子がロープを引っ張るので、おちんちんの根元にはめられた輪が締まり、強制的にS子の方へ歩かされる。
「これなら流される心配がないでしょ。ロープでしっかり繋いでおいてあげるから、川でゆっくり体を洗いなよ」
と、S子がばしばしと僕の裸の肩を叩く。岩の下はさすがに流れが速すぎて危険だろうとのことで、Y美の提案によって別の場所へ移ることになった。ロープで引っ張られ、砂利道を裸足のまま歩かされると、遊歩道に出た。舗装路だけに人の往来が予想される。
「やめて。人に見られてしまいます」
と、腰を引いて、前へ進むことに抵抗をしたが、S子が力づくでローブを引くと、おちんちんの根元に掛かった輪っかによって、おちんちんの袋が前方に引っ張り出されて、どうしても前へ足を出さざるを得なくなる。
アスファルトが熱い。靴を履いている女の人たちには、全裸裸足で歩かされる僕の苦労など、考えたこともないだろう。素っ裸で後ろ手に縛られたまま、おちんちんを引っ張られるようにして歩かされる僕の足が震えがちなのを見て、ルコが、
「恥ずかしいよね。いつ人が来るか、分からないもんね。もし来たら、私が前に立ちはだかって、隠してあげるから」
と、安心させようとする。
「そうだよ。そんな不安そうな顔しないでよ。私もしっかりガードするから」
と、ミューも加勢を約束してくれる。
前方から三台ほど、自転車が連なって来た。しかし、ルコとミューは互いにお喋りに夢中で、ちっとも気がつかない。自転車に乗っているのは、中年の女の人たちだった。素っ裸のあられもない姿でおちんちんを引っ張られるようにして歩かされている僕を見て、目を丸くして自転車を停める。
「まあ、何してるの、あなたたち」
中年の女の人たちと同級生の女の人たちの問答が始まった。中年の女の人たちは、可哀想だからすぐに僕のロープを解いて解放し、洋服を与えるべきだと言ったが、S子がせせら笑った。Y美が、僕がこのような辱めを受けるに至った経緯を説明すると、
「そうなの? それは仕方ないわね。やっぱり男の子だから、これくらいの罰は仕方がないのかな。それにしても、やり過ぎのような気がするわ。可哀想よ、おちんちん丸出しにして歩かせるなんて」
と、なおも納得できない様子だった。両手を縛られて隠しようがなく、もじもじして立ち尽くしているだけの素っ裸の僕をじろじろ眺めながら、三人の中年の女の人たちは何やら相談していたが、
「まあ、これはあなたたちの問題だから、口出しはしないことにするわ」
と言って、自転車に跨ぐと、僕の乳首やお尻が汚れていることを指摘して、何事もなかったかのように立ち去ってしまった。
遊歩道から大小の石が土にごろごろしている道に入り、柳の木が見える川岸に着いた。ここにも大きな桜の木が並んでいて、木陰がたくさんあった。風も涼しい。
早速、僕は川に入らされた。ここは川の流れが緩やかな代わりに川岸から少し離れると急激に深くなる。僕は、たちまち足が着かなくなり、頭のてっぺんまで水の中に入ってしまった。S子がロープを岩に縛り付けて、両手を縛られた僕が流れて行かないように繋いだ。なんとか首だけ出る深さのところまで体を移動させた僕は、桜の木陰で女の人たちが先程と同じようにレジャーシートを敷き、その上にお菓子やら果物やらを並べて、くつろいでいるのを見た。
川から首だけ出している僕に気づいたY美が僕に向けて顎をしゃくった。
「しっかり汚れが落ちるまで川に浸かってな」
長い舌を出し、口元の生クリームをぺろりと舐めると、すぐに顔を女の人たちに戻して、彼女たちといつ果てるともしれないお喋りを続けるのだった。
ただしばらく更新がなかったからといって無理してハイペースにしなくても大丈夫ですよ。
ご自分のペースでお書きください。
いつもあたたかい励ましのお言葉に感謝しています。
ありがとうございます。
べんたろ様
更新しました。
今後とも末長くお付き合いいただければ幸甚です。
中華様
ありがとうございます。
今後ともどうぞよろしくお願いします。