玄関からどかどかと女の人たちが出てきて、庇の下で身を強張らせている素っ裸の僕を取り押さえた。大きな注射器を持ったアキ先輩が一番最後に出てきた。針の部分が取り外され、代りに黒いチューブが伸びている。注射器の中には白い液体、牛乳が入っていた。僕は四つん這いでお尻を高く上げさせられた。
悲鳴を上げて許しを乞う。誰かが僕のおちんちんの袋をぎゅっと掴み、これ以上声を上げるとこの袋の中の玉を潰すと脅かした。僕は涙を流しながら首を振り、抵抗する。たちまち、頬やお尻を平手打ちされ、じっとしていることを強制される。
腸の中にどくどくと冷たい牛乳が入れられる。僕はたちまち猛烈な便意に襲われた。お腹を押さえて這いつくばう僕の苦しむ顔をミューが心配そうに覗き込む。
「可哀想に。もう少し我慢してね」
しゃがみ込むミューのスカートの中が見えた。あの河原で見た時と同じ、白いパンツだったが、お腹が苦しくて性的な好奇心の働く余裕はなかった。それなのに、S子は、僕がじっとミューのパンツを覗き見て目を輝かせていると言い張った。びっくりしたようにミューが立ち上がってスカートの裾を押さえる。Y美が僕の腕を取って立ち上がらせた。また性懲りもなく女子のスカートを覗いて劣情を催しただろうと僕を責め、おちんちんの皮を引っ張り、ぐるぐると回した。
便意の苦しみに苛まれている僕に、更におちんちんの皮を引っ張られる激痛が加わり、ひたすら「助けて、許して」とだけ叫んで、素っ裸の身を揺さぶった。背中に腕を回されているし、肩もまた両側からがっしり押さえられているので、自由に動ける範囲は極めて狭かった。S子と風紀委員、エンコは、かなりの力を込めて僕の体を押さえ付け、「静かに、じっとしてなさい」と叱咤する。
家の敷地内でウンチをすることは絶対に駄目、用水路まで我慢して、とルコが怒鳴り、その怒りを含んだ感情は、僕だけではなくY美やS子に対しても向けられているような気がしたが、それは僕だけの感じ方ではなかったようで、いつもは精神的な優越から滅多にルコに従わないY美も、この時ばかりは素直にルコの指さす方向に向かって、おちんちんを縛りつけているロープを引いて歩き出した。
風こそまだそれほど強くなかったけれど、雨は相当に激しかった。女の人たちは、Fさんを除いて皆傘を差して、農道に向かう緩やかな上り坂道をぐんぐん進む。ウンチで破裂しそうなお腹を摩りながら、おちんちんをロープで引っ張られて歩く僕は、度々振り返って、Fさんが僕同様、真っ裸のまま歩かされているのを見た。
Fさんは、ルコとアキ先輩に両側から腕を取られ、一糸まとわぬ体を隠すことも許されぬまま、ぷるんぷるんと揺れる胸やお臍から下腹部の茂みを雨に打たせて、よろめくように歩いている。両側の二人が傘を手にしているので、真ん中にいるFさんは僕ほど容赦なく雨を浴びている訳ではなかったけれど、その白い体が濡れて光っている。野外を完全な裸で歩かされることは、Fさんにはほとんど初めての経験だろうから、その辛さはいかばかりだろうと、僕は便意の苦しみを紛らせようとして、そんな余計なことを考えながら用水路に向けて歩き、足の裏を泥で汚すのだった。
舗装された農道に入った。ここからは公道に属する。Fさんもいよいよ公道全裸歩行をさせられるのか、となんとなく期待に似たような感情を抱きながら振り返ると、Fさんは、ルコからノースリーブの赤いワンピースを頭からすっぽり被せられていた。さすがに女の人が全裸で歩くのは、僕の場合と違って難しい問題がいろいろあるのかもしれない。薄い生地ながらとりあえず衣類で体を隠すことが許されたFさんは、ルコとアキ先輩の間を抜け出して、僕の近くまで足早に近づいた。
着衣を許されたことの他にもう一つ、Fさんと僕の待遇には違いがあった。雨具の使用を許されていないのは二人とも同じだけど、Fさんは僕と違ってサンダルを履いていた。僕は履き物の使用が許されていない裸足のままだから、Fさんと並んで歩いている時、この履き物があるかないかの違いがとても大きく感じられた。また、今のFさんには体を拘束する物は何もない。それに対して、僕はおちんちんの根元を袋ごとロープで括られ、引っ張られるようにして歩いている。同じ奴隷のような境遇にいるFさんと僕ではあるけれど、僕の方がFさんよりも格下であることは一目瞭然だった。
Y美は、僕に対する指示命令はFさんを介して伝えることにしたと言った。
農道をしばらく進むと、幅一メートル程の用水路が出てくる。僕よりも身分が高い奴隷であるFさんが僕に用水路の上で四つん這いになるように囁いた。用水路には、板を置くための鉄の棒が約五十センチの間隔を置いて二か所に通してあった。豪雨の影響でコンクリートで固めた縁の近くまで水嵩があり、すごい勢いで流れている。僕はFさんに命じられるまま、水が流れてくる方向の鉄の棒に足を乗せ、水が流れ去る方向の棒を両手で掴んだ。雨が背中や首筋、持ち上げたお尻を容赦なく打つ。女の人たちは、用水路の左右の側に分かれて、僕のお尻から出されるウンチを今か今かと待っているようだった。
「私がいいって言うまで我慢してね」
Y美から耳打ちされたFさんが恐らくY美に指示された通りに僕のお尻から背中を撫でながら、指示を出した。傘を持っていないFさんは、僕と同じように激しい雨を浴び続けて、全身ずぶ濡れ状態だった。黒髪からも雨が滴り続け、素肌の上に直接まとった赤いワンピースがぴったりと体に吸いついて、体の線が浮き彫りになっている。乳首の形までがくきやかに表れて、Fさんが下着をまとわず、真っ裸の上にワンピースを被っているだけであることがすぐに見て取れた。
呻き声を漏らして便意に耐える僕の視線がFさんの胸の辺りをさまよっていることに気づいて、急いで腕を当てて、彼女の大きくて柔らかい胸を隠す。そんなFさんの未だに恥じらいを忘れない振る舞いをルコが罵った。
もういつでもウンチを出せる状態になると、これ以上我慢することができなくなる。僕はFさんの合図を待たずに、「もう無理です。ごめんなさい」と発するや否や、ウンチを用水路に出してしまった。N川さんとエンコの黄色い声が響いた。白っぽい排泄物が用水路を一瞬にして流れ去った。
タイミングが早すぎるとの理由で、アキ先輩がもう一度浣腸をするべきだと主張した。先輩の言には逆らえないS子がアキ先輩から注射器を受け取ると、すぐにそれをFさんに渡す。ルコが手提げ袋から牛乳の紙パックを取り出した。僕が二つの鉄の棒に手足を乗せた四つん這いの惨めな格好で待機していると、おちんちんに繋いだロープが後ろから引っ張られた。股の間から覗いた僕の目に、強い雨の中、傘を片手に用水路の渡し板からロープを引っ張るY美の姿があった。
「やめて。お願いです。落ちちゃう」
鉄の棒を踏み外したら、たちまち用水路の速い流れの中に落ちてしまう。僕は必死に踏ん張り、手でしっかり鉄の棒を握って叫んだけれど、Y美の容赦なく引っ張る力に負けて、お尻が後ろへぐんと突き出る格好になった。
「そう。その姿勢がいいんだよ」
と、Y美が満足そうに頷いた。
突然、お尻の穴にぬるっとしたチューブが入れられた。先っぽに硬い感触のあるチューブがぐんぐん奥へ入ってゆく。僕は便を出す時のように踏ん張って、スムーズにチューブが入るようにした。そうしないと、却って自分の体を傷つけることになる。冷たい液体がどくどくと僕の腸内に注入された。これらは全てY美やアキ先輩の指示に従いながら、Fさんがやったことだった。
少しも弱くならない雨を全身に浴びながら、猛烈な便意に苦しむ僕を女の人たちがFさん以外は皆傘を差したまま、じっと見つめている。普段なら僕の苦しむ姿を見てかまびすしくお喋りをする女の人たちも、大きな声を出さないと聞こえない雨のせいで、気味が悪い程静かになっていた。
出る時は大声で知らせることを約束させられた。「苦しい。もう無理です。出ます」と叫んでも、アキ先輩が「もっとお尻を高くして」と命じ、なかなか許可を出してくれない。言われた通りにお尻を高々と上げて、喘ぎ声とともにアキ先輩に許可を求める。Y美が風紀委員やエンコに声を掛けて、もっと僕のお尻の穴がよく見える位置へ彼女たちを誘った。僕はとうとう便意に屈した。液体が迸った。ほとんど牛乳がそのまま出てきたようだとアキ先輩が評した。
おちんちんを縛るロープを後ろから再び強く引っ張られた。足が鉄の棒が外れると同時に雨で手が滑った。とうとう激流の用水路に落ちてしまった僕は、すごい勢いで流されたけれど、すぐにおちんちんがきゅっと締まって、引き留められた。Y美が用水路の左右の岸をつなぐ板の上からロープを手繰り寄せようとしていたのだった。すぐに他の女の人が応援に駆け付け、Y美と一緒にロープを引いた。おちんちんの袋にロープが食い込む激痛に悲鳴を上げると、口の中に水が入ってくる。
板の上からY美の声が聞こえた。ウンチで汚れたお尻の穴を洗うように指示している。水嵩を増して今にも溢れそうな用水路の激流の中、僕が同じ位置に留まっていられるのは、偏におちんちんに括られたロープのおかげなのだけれど、水の勢いがあまりに激しいので、逆に苦しい水攻めに晒されている形になった。おちんちんを括るロープの輪が抜け出そうとして、おちんちんの袋に食い込み、少しずつおちんちんの袋の上をずれていく。容赦なく水が僕の顔に流れ込み、まともに呼吸するためには水中の足で水を蹴りながら、顔を上げるしかない。おちんちんが引っこ抜かれるような恐怖と痛みと激流に苛まれ、もういっそのこと激流に身を任せた方がどれだけ楽かしれないと思った。
女の人たちが力を合わせてロープを引いた甲斐があって、僕はついに彼女たちのいる板の真下までたどり着くことができた。女の人たちのサンダルや運動靴が僕のすぐ目の前にあった。Y美が上から僕を冷たい目で見下ろし、お尻の穴をきれいにするようにもう一度命じた。用水路の中の激流で散々揉まれた体なので、とっくにお尻の穴もきれいになっているとは思ったけれど、そんな口応えをしようものならおちんちんを引き抜かれてしまうかもしれない。僕は黙って手で水中のお尻の穴を広げ、拭った。
板の上に腕を乗せ、これでようやく用水路から出ることできると思って息を吐いていると、いきなりY美に腕を足で払われた。おちんちんを繋ぐロープだけで激流の中に留まって悶えている僕に向かって、
「引き上げてやるから、大人しくしてなさい」
と、Y美が怒鳴り、女の人たちに合図を送った。
四人の女の人たちがロープを引っ張り始めた。おちんちんがぐんぐん上がる。再びおちんちんの袋にロープが食い込む。おちんちんを上にして激流の中から引き上げられる僕は、「やめて、痛い」と叫んだきり体のバランスを崩し、頭を水の中に入れてしまった。おちんちんを上にしてお尻が水面から出たところで、ロープを引く手が一旦止まった。おちんちんの袋にロープが食い込んで、歪な形になったおちんちんが物珍しいのか、女の人たちの手がおちんちんを弄んでいる。
おちんちんの袋の部分に自分の体重が掛かっているのだから、その痛みは耐え難く、水中から腹筋の力で顔を上げては、悲鳴を上げて必死の思いで許しを乞うのだけれど、女の人たちは僕がどれだけの痛みに苛まれているのかについては全く関心を示さず、ロープが食い込んでおかしな形になったおちんちんを吞気に面白がっている。誰かの手がおちんちんの皮を剥いた。亀頭の過敏な個所に鉄砲雨が降り注ぐ。僕は憑かれたように水の中から顔を上げ、手でおちんちんを豪雨から守ろうとしたら、これがY美の逆鱗に触れた。僕が勝手な真似をしたという理由で、ロープを緩めて再び用水路に落とし、すぐに引き上げる。と、また落としては引き上げる。これを何度も繰り返した。
「もう隠しません。手で隠しませんから、許して、許してください」
顔が水から上がる度にこう叫んで許しを乞い、やっと落とすのを勘弁してもらった代りに、おちんちんを上にした宙吊りの状態でしばらく女の人たちにおちんちんを弄ばれる。水面から顔を出すのは、専ら腹筋の力だったから、そんなに長く自由に空気を吸っていられない。腹筋を緩めると、当然ながら頭が水の中に沈む。次第に腹筋に力が入らなくなり、空気を吸って吐くためだけに顔を上げるのが精一杯になる。おちんちんの袋に食い込むロープが少しずれたような気がした。激しい痛みは相変わらずだった。誰かがお尻の穴に指を挿し入れ、拡大しようとしている。恐らくアキ先輩だろう。「もう許してあげようよ」と遠慮がちにY美に提案するミューの声が聞こえた。鼻から水が入って痛い。豪雨が水面から出た僕の剥き出しの肌に降り注ぎ、自分が水中にいるのそうでないのか、朦朧として判断できなくなりつつある。
用水路からやっとのことで引き上げられた僕は、おちんちんの袋の痛みが退かないこと、たっぷり水を飲んでしまったことの他に、おちんちんを繋ぎ留めるロープで宙吊りにされ、おちんちんやお尻の穴を弄ばれたショックが重なり、なかなか立ち上がることができなかった。Y美が「帰ろ、帰ろ」と女の人たちに呼びかけ、先にルコの別荘へ戻った。用水路沿いの農道には、Fさんと僕だけが取り残された。
水を吐き出す僕の背中をFさんが一所懸命摩ってくれた。赤いノースリーブのワンピースが素肌にぴったりとくっ付いて、妙に色っぽい格好だったけれど、Fさんの瞳は深い悲しみを宿していた。僕に向かって頻りに「ごめんね、ごめんね」と謝っている。Y美の命令で無理矢理させられたことなのに、まるで自分自身がしたかのように責任を感じているのだった。おちんちんの根元をきゅっと締めていたロープは、Y美が取り外してくれた。僕は、今も断続的にキーンキーンと痛みの走るおちんちんの袋をゆっくりと撫でた。
強烈な雨の中、僕はFさんに支えられながらルコの別荘に戻った。Fさんも僕も、まるで水の中にいるみたいに全身ずぶ濡れだった。玄関からルコが出てきて、Fさんのワンピースを力づくで頭から抜き取った。父親の愛人のワンピースだから臭くてたまらない、とルコが鼻をつまみながら、ぐっしょりと雨を吸い込んだワンピースを丸める。素っ裸にされてしまったFさんは、「いや」と鋭く叫んで胸と股間を手で隠していたが、すぐに家の中に引き入れられた。Fさんの大きな胸がぷるんと揺れて、お尻の肉がたぷたぷと波打った。股間の黒い茂みの奥に何かか見えたような気がした。
「信じられない。こいつ、あれだけ苛められた後なのに、また勃起してるよ」
S子が縁側からおちんちんを指して、笑った。僕は、ピクッと反応してしまったおちんちんを慌てて手で覆った。
夕方になって、ルコの別荘を後にした。相変わらず雨が激しい。自動車専用道路が通っているガードの下まで行けば、N川さんのお母さんが車で迎えに来てくれる。Y美とS子、風紀委員、N川さんと僕の五人で歩き出した。僕が縁側のコンクリートに体育座りしたまま眠りこけてる内に、アキ先輩とミュー、エンコは帰ったようだった。
待ち合わせ場所は、ルコの別荘から徒歩五分ほどの距離にある。僕は、どれだけ哀訴しても上に羽織る物はもちろん、パンツ一枚、履き物すら与えられず、素っ裸のまま歩かされたので、その距離はとても長く感じられた。幸い、豪雨で表に出る人は滅多におらず、たまに車が通るくらいであったこと、また傘を差した女の人たちの真ん中を歩かせてもらえたことで、それほど人目につくことはなかった。女の人たちが僕を囲うように歩いてくれたのは、近所の目を憚るルコのたっての願いを聞き入れてのことかもしれない。いずれにせよ僕は、おちんちんをロープで繋がれることもなく、手でおちんちんや胸の辺りを隠し、真っ裸であることがすぐには分からないように工夫することができた。
それでも、冷たい雨を全身に浴びながらの歩行は、切なかった。ルコの別荘には傘がいっぱいあり、下着だけ許されたFさんが僕にも一本、差し出してくれたのだけど、Y美が「洋服とか下着を濡らさないための傘だから、裸んぼのお前には必要ないでしょ」と、Fさんから奪うようにして傘を取ると、そのまま傘入れに戻してしまったのだった。
前方に地方都市へ向かう自動車専用道路が左右に伸びていた。この自動車専用道を貫いている道路、今、Y美たちと歩いている道路は、交通量が少ないのにきちんと中央線があり、歩道、排水設備の整った立派なものだった。舗装も滑らかで裸足でも歩きやすい。この道路の整備にはおば様の働きがあったことを僕は知っていた。夜の奉仕が終わって、おば様は、僕の舌の這わせ方がうまくなったことを褒めてくれた。この道路が完成したことは、その時におば様が話してくれたのだった。娘のY美は知らないかもしれない。このことをY美に言ったら、Y美はいつ誰から聞いたのだと詰問するだろう。黙っているに越したことはない。走りやすい道路だからだろうか、一台の軽自動車が豪雨にも関わらず晴天時にサーキットでも走っているかのような速度で通過したが、歩道の外側を歩くY美に水しぶきは一滴もかからなかった。
自動車専用道のガード下は、暗くて、声がよく響いた。風紀委員が学校で習った合唱曲の一節を歌うと、エコーがして上手に聞こえた。N川さんが閉じた傘を振って滴を払いながら、「なんか薄暗くて気味悪いね」と不安そうな声を出した。雨が更に強さを増したかのように地面を叩いている。ガード下は、雨垂れの落ちる箇所が幾つかある他は、全く濡れずに済むので、待ち合わせには最適だった。
「暗い。でも、裸んぼちゃんには有難いんじゃないの」
S子がそう言って、ガードの壁によりかかるようにしてしゃがみ込んでいる僕に視線を向けた。長いこと雨を浴び続けたせいで体が冷えて、疲労感があった。できればそっとして置いてもらいたかったのに、S子は僕の腕を取り、無理矢理立たせた。N川さんのお母さんが迎えに来るまでの時間、僕を使って遊ぼうとしているのだろうか。暇があると、ろくなことを思い付かない。
S子が僕を羽交い絞めにして、おちんちんを丸出しにさせる。
「やだな。こいつの体、びしょ濡れだよ。こっちまで濡れちゃう」
自分の服が濡れてしまった苛立ちを込めて、S子がどんと僕の背中を押して突き放した。よろめきながらY美の前に出てしまった僕は、「こっちに来ないで」という鋭い一喝とともに、胸を押し返された。
女の人たちが手を触れずに済むように、僕は仰向けに寝かされることになった。アスファルトに裸の背中、お尻が密着して冷たい。ガードレールと地面の間から隣の車道が見えた。このガードレールの下の隙間から車道へ転がり出て、そのまま遠くへ逃げてしまいたいという痛切な思いが一瞬胸をよぎったが、所詮叶わない願望だから、すぐに忘れることにした。
ガードレールとガードレールの間に四角いコンクリートの板が積み重ねてあった。そこに腰かけた風紀委員がにやにや笑いながら僕を見下ろしている。彼女の足からピンクのサンダルが二つ脱げた。
風紀委員の素足がおちんちんを両側から囲むようにして押さえ、足の指の間におちんちんを挟むと、ゆっくり上下に動かした。うっと声が出てしまい、素っ裸の身が弓なりに仰け反る。風紀委員の足の指は、それぞれ独立した働きをするかのように器用に動き、親指から中指まではおちんちんを、右足の小指はおちんちんの袋を巧みに撫でる。
「ねえ、ナオス君、感じてんじゃないの?」
苦痛にゆがむ僕の顔を見つめながらN川さんが冷やかす。風紀委員は、左右の足の指でおちんちんを挟み、気ままに動かしながら、S子と話をしている。気持ちが良くなってきて、感じないようにしてきた僕の努力を嘲うかのような快感の電流が下腹部からじんじんと伝わってくる。
「見っともないよね。丸裸で地面に横たわって、同級生の女の子の足でおちんちんをいじられ、勃起してんだからさ。もう、はっきり言っておしまいじゃないの、男としては。ナオス君、大人になっても私たち忘れないよ」
しゃがみ込んだN川さんが、風紀委員の足の指に揉まれてすっかり硬く大きくなってしまったおちんちんを見つめる。僕はN川さんの容赦のない言葉に全身を打たれたような痛みを覚え、思わず屈辱の呻き声を漏らした。Y美が風紀委員に射精させないように念を押した。風紀委員は曖昧に笑って、それでもねちっこく足の指をおちんちんに絡み付かせて、離そうとしなかった。
車が来て、ガードの下で停まった。N川さんのお母さんが運転席から出てきた。女の人たちの後ろで隠れるようにしていた僕を見つけて、
「まあ、あなた、裸じゃないの? どうしたの」
と、びっくりしたような顔をしたけれど、以前公民館で素っ裸に剥かれた僕を見ているので、内心は「またか」と思ったかのように、すぐに失笑した。Y美が「この子は夏休みに入った直後に服を失くしてしまって、それ以来ずっと素っ裸のままなんです」と、説明した。N川さんのお母さんは、まだ大きくなってしまったまま収まらないおちんちんを必死に両手で隠している僕をじろじろ見つめ、
「裸でいるのは仕方がないとしても、おちんちんまで大きくさせることはないのよ。一体何を考えているの? 女の人に対して失礼と思わないの?」
と、語気鋭く叱責した。Y美が「謝りなさい」と僕の剥き出しの肩を叩いた。風紀委員に足でいじられている内に大きくなったみたいなの、とN川さんが教えると、N川さんのお母さんは、上品な笑い声を立てて、軽蔑するような視線を僕に向けた。
全身ずぶ濡れの僕は座席に乗り込むことが許されず、トランクに入れられることになった。トランクにブルーシートを敷いたN川さんのお母さんが「少しの間だし、男の子だから我慢できるわよね。ちゃんとおちんちんも付いてるもんね」と、まだ硬いおちんちんを指で弾いて笑った。
トランクの中は、息苦しく感じられたけれど、後部座席で女の人たちに体のあちこちを蹴られたり、おちんちんをいじられるよりは、ずっと良かった。まるで荷物のように扱われているという屈辱の思いはある。でも、トランクにいる間は、この恥ずかしい裸の姿を誰からも見られずに済むのだった。僕はがんがん響くエンジンの音を子守唄のように聞きながら、眠りの世界へ逃げるように入った。
ふと気がつくとエンジンの音が止まって、外で話し声が聞こえた。トランクが開けられ、外の光が差し込んでくる。相変わらずの雨空で豪雨が降りしきっていた。外に出された僕の裸身が再び雨に濡れる。S子と風紀委員はそれぞれ家まで送ってもらったらしく、もう車の中にいなかった。助手席の窓越しにN川さんが手を振っている。Y美がN川さんのお母さんに丁重に頭を下げ、礼を述べた。僕もY美の後ろに隠れるようにして頭を下げた。車が動き出して角を曲がると、傘を差しているY美が僕の手を無言で引いた。
てっきりY美の家まで送ってもらったのかと思ったが、全然違う場所だった。寝惚けて気づくのが遅れた僕は、目の前の立派な建物を見て、ここが公民館、おば様にアルバイトをさせられ、パンツ一枚の恥ずかしい格好で整体のモデルをさせられた挙句、素っ裸に剥かれ、Y美やN川さんに苛められた思い出が生々しく残っている公民館であることを知って、体が一気に硬くなった。
「せっかくお母さんに送ってもらおうと思ったのに」
困ったような顔をしてY美がぼやき、公民館の正面入り口の前でおちんちんや胸を手で隠している素っ裸の僕をじろじろ見つめている。出入りする人たちが不思議そうにY美とY美の後ろに隠れる僕を見つめた。僕は一刻も早く裸を隠したいので、「服を、服を借りてきてください」と何度もお願いするのだけど、Y美は別のことを思案中で、僕の哀願はまるで耳に入らないようだった。
悲鳴を上げて許しを乞う。誰かが僕のおちんちんの袋をぎゅっと掴み、これ以上声を上げるとこの袋の中の玉を潰すと脅かした。僕は涙を流しながら首を振り、抵抗する。たちまち、頬やお尻を平手打ちされ、じっとしていることを強制される。
腸の中にどくどくと冷たい牛乳が入れられる。僕はたちまち猛烈な便意に襲われた。お腹を押さえて這いつくばう僕の苦しむ顔をミューが心配そうに覗き込む。
「可哀想に。もう少し我慢してね」
しゃがみ込むミューのスカートの中が見えた。あの河原で見た時と同じ、白いパンツだったが、お腹が苦しくて性的な好奇心の働く余裕はなかった。それなのに、S子は、僕がじっとミューのパンツを覗き見て目を輝かせていると言い張った。びっくりしたようにミューが立ち上がってスカートの裾を押さえる。Y美が僕の腕を取って立ち上がらせた。また性懲りもなく女子のスカートを覗いて劣情を催しただろうと僕を責め、おちんちんの皮を引っ張り、ぐるぐると回した。
便意の苦しみに苛まれている僕に、更におちんちんの皮を引っ張られる激痛が加わり、ひたすら「助けて、許して」とだけ叫んで、素っ裸の身を揺さぶった。背中に腕を回されているし、肩もまた両側からがっしり押さえられているので、自由に動ける範囲は極めて狭かった。S子と風紀委員、エンコは、かなりの力を込めて僕の体を押さえ付け、「静かに、じっとしてなさい」と叱咤する。
家の敷地内でウンチをすることは絶対に駄目、用水路まで我慢して、とルコが怒鳴り、その怒りを含んだ感情は、僕だけではなくY美やS子に対しても向けられているような気がしたが、それは僕だけの感じ方ではなかったようで、いつもは精神的な優越から滅多にルコに従わないY美も、この時ばかりは素直にルコの指さす方向に向かって、おちんちんを縛りつけているロープを引いて歩き出した。
風こそまだそれほど強くなかったけれど、雨は相当に激しかった。女の人たちは、Fさんを除いて皆傘を差して、農道に向かう緩やかな上り坂道をぐんぐん進む。ウンチで破裂しそうなお腹を摩りながら、おちんちんをロープで引っ張られて歩く僕は、度々振り返って、Fさんが僕同様、真っ裸のまま歩かされているのを見た。
Fさんは、ルコとアキ先輩に両側から腕を取られ、一糸まとわぬ体を隠すことも許されぬまま、ぷるんぷるんと揺れる胸やお臍から下腹部の茂みを雨に打たせて、よろめくように歩いている。両側の二人が傘を手にしているので、真ん中にいるFさんは僕ほど容赦なく雨を浴びている訳ではなかったけれど、その白い体が濡れて光っている。野外を完全な裸で歩かされることは、Fさんにはほとんど初めての経験だろうから、その辛さはいかばかりだろうと、僕は便意の苦しみを紛らせようとして、そんな余計なことを考えながら用水路に向けて歩き、足の裏を泥で汚すのだった。
舗装された農道に入った。ここからは公道に属する。Fさんもいよいよ公道全裸歩行をさせられるのか、となんとなく期待に似たような感情を抱きながら振り返ると、Fさんは、ルコからノースリーブの赤いワンピースを頭からすっぽり被せられていた。さすがに女の人が全裸で歩くのは、僕の場合と違って難しい問題がいろいろあるのかもしれない。薄い生地ながらとりあえず衣類で体を隠すことが許されたFさんは、ルコとアキ先輩の間を抜け出して、僕の近くまで足早に近づいた。
着衣を許されたことの他にもう一つ、Fさんと僕の待遇には違いがあった。雨具の使用を許されていないのは二人とも同じだけど、Fさんは僕と違ってサンダルを履いていた。僕は履き物の使用が許されていない裸足のままだから、Fさんと並んで歩いている時、この履き物があるかないかの違いがとても大きく感じられた。また、今のFさんには体を拘束する物は何もない。それに対して、僕はおちんちんの根元を袋ごとロープで括られ、引っ張られるようにして歩いている。同じ奴隷のような境遇にいるFさんと僕ではあるけれど、僕の方がFさんよりも格下であることは一目瞭然だった。
Y美は、僕に対する指示命令はFさんを介して伝えることにしたと言った。
農道をしばらく進むと、幅一メートル程の用水路が出てくる。僕よりも身分が高い奴隷であるFさんが僕に用水路の上で四つん這いになるように囁いた。用水路には、板を置くための鉄の棒が約五十センチの間隔を置いて二か所に通してあった。豪雨の影響でコンクリートで固めた縁の近くまで水嵩があり、すごい勢いで流れている。僕はFさんに命じられるまま、水が流れてくる方向の鉄の棒に足を乗せ、水が流れ去る方向の棒を両手で掴んだ。雨が背中や首筋、持ち上げたお尻を容赦なく打つ。女の人たちは、用水路の左右の側に分かれて、僕のお尻から出されるウンチを今か今かと待っているようだった。
「私がいいって言うまで我慢してね」
Y美から耳打ちされたFさんが恐らくY美に指示された通りに僕のお尻から背中を撫でながら、指示を出した。傘を持っていないFさんは、僕と同じように激しい雨を浴び続けて、全身ずぶ濡れ状態だった。黒髪からも雨が滴り続け、素肌の上に直接まとった赤いワンピースがぴったりと体に吸いついて、体の線が浮き彫りになっている。乳首の形までがくきやかに表れて、Fさんが下着をまとわず、真っ裸の上にワンピースを被っているだけであることがすぐに見て取れた。
呻き声を漏らして便意に耐える僕の視線がFさんの胸の辺りをさまよっていることに気づいて、急いで腕を当てて、彼女の大きくて柔らかい胸を隠す。そんなFさんの未だに恥じらいを忘れない振る舞いをルコが罵った。
もういつでもウンチを出せる状態になると、これ以上我慢することができなくなる。僕はFさんの合図を待たずに、「もう無理です。ごめんなさい」と発するや否や、ウンチを用水路に出してしまった。N川さんとエンコの黄色い声が響いた。白っぽい排泄物が用水路を一瞬にして流れ去った。
タイミングが早すぎるとの理由で、アキ先輩がもう一度浣腸をするべきだと主張した。先輩の言には逆らえないS子がアキ先輩から注射器を受け取ると、すぐにそれをFさんに渡す。ルコが手提げ袋から牛乳の紙パックを取り出した。僕が二つの鉄の棒に手足を乗せた四つん這いの惨めな格好で待機していると、おちんちんに繋いだロープが後ろから引っ張られた。股の間から覗いた僕の目に、強い雨の中、傘を片手に用水路の渡し板からロープを引っ張るY美の姿があった。
「やめて。お願いです。落ちちゃう」
鉄の棒を踏み外したら、たちまち用水路の速い流れの中に落ちてしまう。僕は必死に踏ん張り、手でしっかり鉄の棒を握って叫んだけれど、Y美の容赦なく引っ張る力に負けて、お尻が後ろへぐんと突き出る格好になった。
「そう。その姿勢がいいんだよ」
と、Y美が満足そうに頷いた。
突然、お尻の穴にぬるっとしたチューブが入れられた。先っぽに硬い感触のあるチューブがぐんぐん奥へ入ってゆく。僕は便を出す時のように踏ん張って、スムーズにチューブが入るようにした。そうしないと、却って自分の体を傷つけることになる。冷たい液体がどくどくと僕の腸内に注入された。これらは全てY美やアキ先輩の指示に従いながら、Fさんがやったことだった。
少しも弱くならない雨を全身に浴びながら、猛烈な便意に苦しむ僕を女の人たちがFさん以外は皆傘を差したまま、じっと見つめている。普段なら僕の苦しむ姿を見てかまびすしくお喋りをする女の人たちも、大きな声を出さないと聞こえない雨のせいで、気味が悪い程静かになっていた。
出る時は大声で知らせることを約束させられた。「苦しい。もう無理です。出ます」と叫んでも、アキ先輩が「もっとお尻を高くして」と命じ、なかなか許可を出してくれない。言われた通りにお尻を高々と上げて、喘ぎ声とともにアキ先輩に許可を求める。Y美が風紀委員やエンコに声を掛けて、もっと僕のお尻の穴がよく見える位置へ彼女たちを誘った。僕はとうとう便意に屈した。液体が迸った。ほとんど牛乳がそのまま出てきたようだとアキ先輩が評した。
おちんちんを縛るロープを後ろから再び強く引っ張られた。足が鉄の棒が外れると同時に雨で手が滑った。とうとう激流の用水路に落ちてしまった僕は、すごい勢いで流されたけれど、すぐにおちんちんがきゅっと締まって、引き留められた。Y美が用水路の左右の岸をつなぐ板の上からロープを手繰り寄せようとしていたのだった。すぐに他の女の人が応援に駆け付け、Y美と一緒にロープを引いた。おちんちんの袋にロープが食い込む激痛に悲鳴を上げると、口の中に水が入ってくる。
板の上からY美の声が聞こえた。ウンチで汚れたお尻の穴を洗うように指示している。水嵩を増して今にも溢れそうな用水路の激流の中、僕が同じ位置に留まっていられるのは、偏におちんちんに括られたロープのおかげなのだけれど、水の勢いがあまりに激しいので、逆に苦しい水攻めに晒されている形になった。おちんちんを括るロープの輪が抜け出そうとして、おちんちんの袋に食い込み、少しずつおちんちんの袋の上をずれていく。容赦なく水が僕の顔に流れ込み、まともに呼吸するためには水中の足で水を蹴りながら、顔を上げるしかない。おちんちんが引っこ抜かれるような恐怖と痛みと激流に苛まれ、もういっそのこと激流に身を任せた方がどれだけ楽かしれないと思った。
女の人たちが力を合わせてロープを引いた甲斐があって、僕はついに彼女たちのいる板の真下までたどり着くことができた。女の人たちのサンダルや運動靴が僕のすぐ目の前にあった。Y美が上から僕を冷たい目で見下ろし、お尻の穴をきれいにするようにもう一度命じた。用水路の中の激流で散々揉まれた体なので、とっくにお尻の穴もきれいになっているとは思ったけれど、そんな口応えをしようものならおちんちんを引き抜かれてしまうかもしれない。僕は黙って手で水中のお尻の穴を広げ、拭った。
板の上に腕を乗せ、これでようやく用水路から出ることできると思って息を吐いていると、いきなりY美に腕を足で払われた。おちんちんを繋ぐロープだけで激流の中に留まって悶えている僕に向かって、
「引き上げてやるから、大人しくしてなさい」
と、Y美が怒鳴り、女の人たちに合図を送った。
四人の女の人たちがロープを引っ張り始めた。おちんちんがぐんぐん上がる。再びおちんちんの袋にロープが食い込む。おちんちんを上にして激流の中から引き上げられる僕は、「やめて、痛い」と叫んだきり体のバランスを崩し、頭を水の中に入れてしまった。おちんちんを上にしてお尻が水面から出たところで、ロープを引く手が一旦止まった。おちんちんの袋にロープが食い込んで、歪な形になったおちんちんが物珍しいのか、女の人たちの手がおちんちんを弄んでいる。
おちんちんの袋の部分に自分の体重が掛かっているのだから、その痛みは耐え難く、水中から腹筋の力で顔を上げては、悲鳴を上げて必死の思いで許しを乞うのだけれど、女の人たちは僕がどれだけの痛みに苛まれているのかについては全く関心を示さず、ロープが食い込んでおかしな形になったおちんちんを吞気に面白がっている。誰かの手がおちんちんの皮を剥いた。亀頭の過敏な個所に鉄砲雨が降り注ぐ。僕は憑かれたように水の中から顔を上げ、手でおちんちんを豪雨から守ろうとしたら、これがY美の逆鱗に触れた。僕が勝手な真似をしたという理由で、ロープを緩めて再び用水路に落とし、すぐに引き上げる。と、また落としては引き上げる。これを何度も繰り返した。
「もう隠しません。手で隠しませんから、許して、許してください」
顔が水から上がる度にこう叫んで許しを乞い、やっと落とすのを勘弁してもらった代りに、おちんちんを上にした宙吊りの状態でしばらく女の人たちにおちんちんを弄ばれる。水面から顔を出すのは、専ら腹筋の力だったから、そんなに長く自由に空気を吸っていられない。腹筋を緩めると、当然ながら頭が水の中に沈む。次第に腹筋に力が入らなくなり、空気を吸って吐くためだけに顔を上げるのが精一杯になる。おちんちんの袋に食い込むロープが少しずれたような気がした。激しい痛みは相変わらずだった。誰かがお尻の穴に指を挿し入れ、拡大しようとしている。恐らくアキ先輩だろう。「もう許してあげようよ」と遠慮がちにY美に提案するミューの声が聞こえた。鼻から水が入って痛い。豪雨が水面から出た僕の剥き出しの肌に降り注ぎ、自分が水中にいるのそうでないのか、朦朧として判断できなくなりつつある。
用水路からやっとのことで引き上げられた僕は、おちんちんの袋の痛みが退かないこと、たっぷり水を飲んでしまったことの他に、おちんちんを繋ぎ留めるロープで宙吊りにされ、おちんちんやお尻の穴を弄ばれたショックが重なり、なかなか立ち上がることができなかった。Y美が「帰ろ、帰ろ」と女の人たちに呼びかけ、先にルコの別荘へ戻った。用水路沿いの農道には、Fさんと僕だけが取り残された。
水を吐き出す僕の背中をFさんが一所懸命摩ってくれた。赤いノースリーブのワンピースが素肌にぴったりとくっ付いて、妙に色っぽい格好だったけれど、Fさんの瞳は深い悲しみを宿していた。僕に向かって頻りに「ごめんね、ごめんね」と謝っている。Y美の命令で無理矢理させられたことなのに、まるで自分自身がしたかのように責任を感じているのだった。おちんちんの根元をきゅっと締めていたロープは、Y美が取り外してくれた。僕は、今も断続的にキーンキーンと痛みの走るおちんちんの袋をゆっくりと撫でた。
強烈な雨の中、僕はFさんに支えられながらルコの別荘に戻った。Fさんも僕も、まるで水の中にいるみたいに全身ずぶ濡れだった。玄関からルコが出てきて、Fさんのワンピースを力づくで頭から抜き取った。父親の愛人のワンピースだから臭くてたまらない、とルコが鼻をつまみながら、ぐっしょりと雨を吸い込んだワンピースを丸める。素っ裸にされてしまったFさんは、「いや」と鋭く叫んで胸と股間を手で隠していたが、すぐに家の中に引き入れられた。Fさんの大きな胸がぷるんと揺れて、お尻の肉がたぷたぷと波打った。股間の黒い茂みの奥に何かか見えたような気がした。
「信じられない。こいつ、あれだけ苛められた後なのに、また勃起してるよ」
S子が縁側からおちんちんを指して、笑った。僕は、ピクッと反応してしまったおちんちんを慌てて手で覆った。
夕方になって、ルコの別荘を後にした。相変わらず雨が激しい。自動車専用道路が通っているガードの下まで行けば、N川さんのお母さんが車で迎えに来てくれる。Y美とS子、風紀委員、N川さんと僕の五人で歩き出した。僕が縁側のコンクリートに体育座りしたまま眠りこけてる内に、アキ先輩とミュー、エンコは帰ったようだった。
待ち合わせ場所は、ルコの別荘から徒歩五分ほどの距離にある。僕は、どれだけ哀訴しても上に羽織る物はもちろん、パンツ一枚、履き物すら与えられず、素っ裸のまま歩かされたので、その距離はとても長く感じられた。幸い、豪雨で表に出る人は滅多におらず、たまに車が通るくらいであったこと、また傘を差した女の人たちの真ん中を歩かせてもらえたことで、それほど人目につくことはなかった。女の人たちが僕を囲うように歩いてくれたのは、近所の目を憚るルコのたっての願いを聞き入れてのことかもしれない。いずれにせよ僕は、おちんちんをロープで繋がれることもなく、手でおちんちんや胸の辺りを隠し、真っ裸であることがすぐには分からないように工夫することができた。
それでも、冷たい雨を全身に浴びながらの歩行は、切なかった。ルコの別荘には傘がいっぱいあり、下着だけ許されたFさんが僕にも一本、差し出してくれたのだけど、Y美が「洋服とか下着を濡らさないための傘だから、裸んぼのお前には必要ないでしょ」と、Fさんから奪うようにして傘を取ると、そのまま傘入れに戻してしまったのだった。
前方に地方都市へ向かう自動車専用道路が左右に伸びていた。この自動車専用道を貫いている道路、今、Y美たちと歩いている道路は、交通量が少ないのにきちんと中央線があり、歩道、排水設備の整った立派なものだった。舗装も滑らかで裸足でも歩きやすい。この道路の整備にはおば様の働きがあったことを僕は知っていた。夜の奉仕が終わって、おば様は、僕の舌の這わせ方がうまくなったことを褒めてくれた。この道路が完成したことは、その時におば様が話してくれたのだった。娘のY美は知らないかもしれない。このことをY美に言ったら、Y美はいつ誰から聞いたのだと詰問するだろう。黙っているに越したことはない。走りやすい道路だからだろうか、一台の軽自動車が豪雨にも関わらず晴天時にサーキットでも走っているかのような速度で通過したが、歩道の外側を歩くY美に水しぶきは一滴もかからなかった。
自動車専用道のガード下は、暗くて、声がよく響いた。風紀委員が学校で習った合唱曲の一節を歌うと、エコーがして上手に聞こえた。N川さんが閉じた傘を振って滴を払いながら、「なんか薄暗くて気味悪いね」と不安そうな声を出した。雨が更に強さを増したかのように地面を叩いている。ガード下は、雨垂れの落ちる箇所が幾つかある他は、全く濡れずに済むので、待ち合わせには最適だった。
「暗い。でも、裸んぼちゃんには有難いんじゃないの」
S子がそう言って、ガードの壁によりかかるようにしてしゃがみ込んでいる僕に視線を向けた。長いこと雨を浴び続けたせいで体が冷えて、疲労感があった。できればそっとして置いてもらいたかったのに、S子は僕の腕を取り、無理矢理立たせた。N川さんのお母さんが迎えに来るまでの時間、僕を使って遊ぼうとしているのだろうか。暇があると、ろくなことを思い付かない。
S子が僕を羽交い絞めにして、おちんちんを丸出しにさせる。
「やだな。こいつの体、びしょ濡れだよ。こっちまで濡れちゃう」
自分の服が濡れてしまった苛立ちを込めて、S子がどんと僕の背中を押して突き放した。よろめきながらY美の前に出てしまった僕は、「こっちに来ないで」という鋭い一喝とともに、胸を押し返された。
女の人たちが手を触れずに済むように、僕は仰向けに寝かされることになった。アスファルトに裸の背中、お尻が密着して冷たい。ガードレールと地面の間から隣の車道が見えた。このガードレールの下の隙間から車道へ転がり出て、そのまま遠くへ逃げてしまいたいという痛切な思いが一瞬胸をよぎったが、所詮叶わない願望だから、すぐに忘れることにした。
ガードレールとガードレールの間に四角いコンクリートの板が積み重ねてあった。そこに腰かけた風紀委員がにやにや笑いながら僕を見下ろしている。彼女の足からピンクのサンダルが二つ脱げた。
風紀委員の素足がおちんちんを両側から囲むようにして押さえ、足の指の間におちんちんを挟むと、ゆっくり上下に動かした。うっと声が出てしまい、素っ裸の身が弓なりに仰け反る。風紀委員の足の指は、それぞれ独立した働きをするかのように器用に動き、親指から中指まではおちんちんを、右足の小指はおちんちんの袋を巧みに撫でる。
「ねえ、ナオス君、感じてんじゃないの?」
苦痛にゆがむ僕の顔を見つめながらN川さんが冷やかす。風紀委員は、左右の足の指でおちんちんを挟み、気ままに動かしながら、S子と話をしている。気持ちが良くなってきて、感じないようにしてきた僕の努力を嘲うかのような快感の電流が下腹部からじんじんと伝わってくる。
「見っともないよね。丸裸で地面に横たわって、同級生の女の子の足でおちんちんをいじられ、勃起してんだからさ。もう、はっきり言っておしまいじゃないの、男としては。ナオス君、大人になっても私たち忘れないよ」
しゃがみ込んだN川さんが、風紀委員の足の指に揉まれてすっかり硬く大きくなってしまったおちんちんを見つめる。僕はN川さんの容赦のない言葉に全身を打たれたような痛みを覚え、思わず屈辱の呻き声を漏らした。Y美が風紀委員に射精させないように念を押した。風紀委員は曖昧に笑って、それでもねちっこく足の指をおちんちんに絡み付かせて、離そうとしなかった。
車が来て、ガードの下で停まった。N川さんのお母さんが運転席から出てきた。女の人たちの後ろで隠れるようにしていた僕を見つけて、
「まあ、あなた、裸じゃないの? どうしたの」
と、びっくりしたような顔をしたけれど、以前公民館で素っ裸に剥かれた僕を見ているので、内心は「またか」と思ったかのように、すぐに失笑した。Y美が「この子は夏休みに入った直後に服を失くしてしまって、それ以来ずっと素っ裸のままなんです」と、説明した。N川さんのお母さんは、まだ大きくなってしまったまま収まらないおちんちんを必死に両手で隠している僕をじろじろ見つめ、
「裸でいるのは仕方がないとしても、おちんちんまで大きくさせることはないのよ。一体何を考えているの? 女の人に対して失礼と思わないの?」
と、語気鋭く叱責した。Y美が「謝りなさい」と僕の剥き出しの肩を叩いた。風紀委員に足でいじられている内に大きくなったみたいなの、とN川さんが教えると、N川さんのお母さんは、上品な笑い声を立てて、軽蔑するような視線を僕に向けた。
全身ずぶ濡れの僕は座席に乗り込むことが許されず、トランクに入れられることになった。トランクにブルーシートを敷いたN川さんのお母さんが「少しの間だし、男の子だから我慢できるわよね。ちゃんとおちんちんも付いてるもんね」と、まだ硬いおちんちんを指で弾いて笑った。
トランクの中は、息苦しく感じられたけれど、後部座席で女の人たちに体のあちこちを蹴られたり、おちんちんをいじられるよりは、ずっと良かった。まるで荷物のように扱われているという屈辱の思いはある。でも、トランクにいる間は、この恥ずかしい裸の姿を誰からも見られずに済むのだった。僕はがんがん響くエンジンの音を子守唄のように聞きながら、眠りの世界へ逃げるように入った。
ふと気がつくとエンジンの音が止まって、外で話し声が聞こえた。トランクが開けられ、外の光が差し込んでくる。相変わらずの雨空で豪雨が降りしきっていた。外に出された僕の裸身が再び雨に濡れる。S子と風紀委員はそれぞれ家まで送ってもらったらしく、もう車の中にいなかった。助手席の窓越しにN川さんが手を振っている。Y美がN川さんのお母さんに丁重に頭を下げ、礼を述べた。僕もY美の後ろに隠れるようにして頭を下げた。車が動き出して角を曲がると、傘を差しているY美が僕の手を無言で引いた。
てっきりY美の家まで送ってもらったのかと思ったが、全然違う場所だった。寝惚けて気づくのが遅れた僕は、目の前の立派な建物を見て、ここが公民館、おば様にアルバイトをさせられ、パンツ一枚の恥ずかしい格好で整体のモデルをさせられた挙句、素っ裸に剥かれ、Y美やN川さんに苛められた思い出が生々しく残っている公民館であることを知って、体が一気に硬くなった。
「せっかくお母さんに送ってもらおうと思ったのに」
困ったような顔をしてY美がぼやき、公民館の正面入り口の前でおちんちんや胸を手で隠している素っ裸の僕をじろじろ見つめている。出入りする人たちが不思議そうにY美とY美の後ろに隠れる僕を見つめた。僕は一刻も早く裸を隠したいので、「服を、服を借りてきてください」と何度もお願いするのだけど、Y美は別のことを思案中で、僕の哀願はまるで耳に入らないようだった。
Fさんにしっかりと服を着せないとcfnmにならない。看板に偽りアリ!
前々回でも偉そうに「他の男は出すな」とか言ってたけど
イヤなら読み飛ばせばいーだろ
他の男は出すな!
このXとか言う奴はただのかまってチャンだろうな
スルー推奨
ですーしかし面白く読ませて頂いております。