同級生の女の人たちにがっしりと手足を固められている僕は、自分が生まれたままの姿であることを不意に起こった突風によっても全身の皮膚から意識させられた。突風は、岩の上のレジャーシートをめくって、その上のお菓子やら紙コップやらをひっくり返し、立ったまま大きく広げさせられた股間を後ろからすり抜け、お尻を水膨れのぶよぶよした手でまさぐられたような感覚を僕に覚えさせた。女の人たちの短くて鋭い悲鳴が、僕自身がさっきからずっと心の中で上げているそれとシンクロしたような気がした。実際に僕が悲鳴を上げようものなら、「うるさい、黙れ」とY美に一喝され、平手打ちされる。だから、ずっと声を押し殺しているより他に仕方なかったので、女の人たちの悲鳴が聞こえた時、僕は自分の声を聞いたような気がした。
もう何回も精液を出しているから、今更どんなに扱かれても射精することはないと強く思うのだけど、もちろん、それを言ったところでY美をはじめとする女の人たちを説得することはできない。出ないなら出ないで一向に構わないが、とにかく自分たちの手で確かめなければ気が済まない。それが彼女たちの気性だった。
先輩たちの前でY美が何回精液出せるか試してみると公言してしまったので、その前に何度かオナニーさせられていたにも関わらず、こうして女の人たちにおちんちんを扱かれる羽目になった僕は、N川さんが片手でおちんちんの袋を揉み、もう片方の手でおちんちんを指で摘まみ、小刻みに手首を震わせるのをただじっと見下ろしていた。
確かにN川さんの扱き方は、気持ち良くなるつぼを心得たもので、そんなやり方をいつ覚えたのか不思議に思ったものだけど、僕としては、いかんせんその前に何回も射精させられているので、そう簡単にはおちんちんが大きくならない。これには扱いているN川さんよりも僕の脚を押さえ付けて傍観するエンコが苛立ち、「もう、しっかりしなよ」と、僕のお尻をばしばし叩いたり、お尻の肉を摘まんだりして、不満をぶつけるのだった。
「まあ、そう焦ったら駄目だよ。沢山出したばかりだからね」
ミューが宥めると、男の子の生理をよく知らないエンコは頭では理解しても腹では納得できないような複雑な表情をして、「そっかそっか」と口ごもる。
先輩たちは、最初、手足を大の字に広げられておちんちんを扱かれる僕にあまり興味を示さず、お喋りをしたり、お菓子を食べたりして、時折ちらちら僕に視線を向けるぐらいだったけれど、S子の先輩が一所懸命に射精させようと励んでいるN川さんの一途な姿に感動して、他の先輩たちみんなに「N川さんを応援しようよ」と声を掛けたところ、先輩たち全員が僕のすぐ前に集まった。そして、おちんちんを凝視しながら、N川さんの背中へ声援を送った。それと同時に僕への罵声も飛んできた。射精できないようであればもっと恥ずかしい目に遭わせてやる、と脅された僕は目も瞑り、悔しいけどもここは女の人たちの期待に応えるしかないと観念して、性的な快楽に意識を集中した。
その甲斐あって、なんとか、ごくわずかな量だけど精液をおちんちんの先から出すことができた。
「やっぱりこいつ、大勢に見られると興奮するタチなんだね」
S子が僕に人差し指を突き付けてこう叫ぶと、女の人たちが一斉に頷いた。
残酷な人たちは、僕に休憩を許さず、すぐに続けて射精を試みようとした。今度は風紀委員がおちんちんを手に取った。
「やめて。もう無理です」
がっしりと固定された四肢をくねらせ、許しを乞うものの、風紀委員は「そんなこと言わないで頑張ろうよ」と、僕のお尻をぴしゃぴしゃ叩くのだった。
体勢を変えようと誰かが提案し、僕は、岩の上に仰向けに寝転ばされることになった。精一杯に広げさせられた手足をがっしりと同級生の女の人たちが押さえ付ける。ルコやN川さんが僕の乳首を舐めたり、体のいろんな部位を撫でたりして、少しでも僕のおちんちんが反応するようにしている。仰向けの僕は、女の人たちの頭の向こうに青空が広がって、薄い布切れのような雲が流れるのを眺めながら、このどうにも逃れられない苦しみに耐える。とにかく精液を出し続けることを強制される地獄からいつ解放されるのか、見当もつかないことが僕を絶望させて、目尻から涙がこぼれ続ける。
もうおちんちんに感覚がなくなっていた。どうやってあれから二回も精液を出したのか、記憶がない。大の字に寝転ばされたまま体じゅうのあらゆる部位を刺激され、射精した後、四つん這いにさせられ、お尻の穴を広げさせられた。S子の先輩の提案で小さく膨らませた風船を幾つもお尻に挿入させられ、その状態でおちんちんを扱かれた。おちんちんが反応しづらいようなら徹底的にお尻の穴に刺激を与えると良いというのがS子の先輩の考えだった。みんなはその考えに従ったが、S子の先輩はどうも僕を射精させることよりもお尻の穴を開拓することに興味があるようで、どれだけ広がるか、自ら指を差し入れて、試す。風船もかなり大きなサイズの物も挿入されたようで、
「わ、こんなのも入っちゃったよ」
と、感嘆する声が絶望にのたうち回る僕の耳に鋭く入った。
何度も射精させられ、ぐったりして全身に力が入らなくなった僕は、同級生のみならず、この場にいる先輩たち全員に向かって土下座を繰り返し、これ以上の強制射精を許してもらった。涙で顔を濡らしながら、何度も許して下さいと頭を下げる僕の姿をさすがに哀れに思ったのか、女の人たちはなんとなく納得して僕から離れた。
木陰が川岸の岩全体を覆う程に伸びていた。川上から涼しい風が吹き、全身に汗を滲ませた僕の体を包んだ。皮膚という皮膚がすっかりここの空気に馴染んで、ともすれば自分がこの場に一人だけ素っ裸でいることを忘れてしまいそうだった。もう一滴も精液が出ない。体全体が重く、さんざん広げられた肛門がずきずきと痛んだ。僕は岩の上にうつ伏せになって、頬を岩にぺったりと付けた。風の音に混じって、女の人たちのお喋りの声がどこか遠くの方からのように聞こえる。男の人たちは、川に石を投げて遊んでいるようだった。僕は不意に猛烈な眠気に襲われ、気づいたら、すっかり岩の上でうつ伏せのまま眠ってしまった。
どれだけの時間、眠ってしまったのかは分からない。女の人たちのくすくす笑う声がすぐ上の方でして、目が覚めると、Y美とS子が僕を見下ろしていた。
「ゆっくり休めた?」
柔和な笑みを浮かべてY美が訊ねると、僕の返事を待たずに手首を掴んで無理矢理起こし、草むら近くのレジャーシートに僕を連れて行った。レジャーシートの上では、エンコが四角いケースを膝に置いて、僕を見上げる。エンコの白い靴下が下ろしたてのように真っ白で鮮やかだった。レジャーシートの端には、女の人たちの靴が綺麗に揃えて並べられており、裸足の僕はレジャーシートに乗ることを許されなかった。エンコが膝の上のケースを開けると、中から注射器が出てきた。白い筒状の先に細長い針が付いている。草むらから涼しい風が吹き、僕の裸の胸を撫でた。
「どうなの? 沢山おちんちん扱かれたから、ふにゃふにゃでしょ」
僕の真後ろに立つY美が僕の両肩をばしばしと叩いて、話し掛ける。僕は手が拘束されていないこともあって、片手でおちんちんを隠し、もう片方の手で胸の辺りを覆って、これから何をされるのか皆目見当のつかない不安に胸を押し潰されそうになりながら、足が震えないように力を入れて、レジャーシートの手前で立ち尽くしていた。
「答えなさいよ、おちんちん、ふにゃふにゃでしょうが」
返事をしない僕に腹を立てたY美がすごい力で僕のおちんちんを隠す手首を掴んで、後ろへ回した。反射的に胸を隠していた手がおちんちんへ下がったが、こちらもすかさずY美に取られた。両手を背中で曲げられた僕は下手に身動きができない。すっかり萎れた情けないおちんちんがY美やレジャーシートに腰を下ろす女の人たちの目に晒される。
「許してください。ごめんなさい」
もう何回も謝らされているので、何かされる度に反射的に謝ってしまう。そんな僕の横顔へY美が冷たい、軽蔑するような視線を投げかけて、
「まあ、あれだけ射精させられたら、こうなっちゃうのも当然だよね。可哀想だからさ、私たちが活を入れてやろうと思ってんだよ」
と、言って、エンコに目配せした。エンコはレジャーシートの上をいざって僕の方へ進んだ。手には注射器を持っている。
「貴重な物をおちんちんに入れてやるんだよ」
言い知れぬ不安に身じろぐ僕のお尻を膝で蹴り上げて、Y美が叱る。
「やめてください。何をするんですか」
おちんちんを前にして、注射針を一心に見つめるエンコの目が細くなった。腕に折れるような痛みが走るのも構わず、僕は体を左右に揺すり、抵抗をする。注射針をおちんちんに刺そうとしている。言い知れぬ恐怖に我知らず大きな声を上げて助けを求めた。
「静かにしなさい。すぐに終わるんだから」
Y美が僕の頬を思いっきり平手打ちする。僕の悲鳴を聞きつけて、川岸のいろんな場所に散っていた先輩たちが集まって来た。暴れないように同級生の女の人たちが僕の両足をがっちり押さえる。
先輩たちは、これから何が始まろうとしているのか、こっそりS子から聞いたらしく、にやにやしながら見守っている。恐怖のために陥没する程小さく萎れたおちんちんを見て、女の人たちは、
「おちんちんてこんな小さくなって震えるものなの?」
「まるで生き物みたいだね」
と、感心している。
そんな小さく萎れたおちんちんを摘まんで、エンコは、消毒薬を浸み込ませたガーゼでおちんちんの根元付近を何度も丁寧に拭いた。
「ほらほら、動かないんだよ」
これから自分がどんな目に遭わされるのか、これは何の注射なのか、一切知らされていない僕は、涙をこぼしながら、やめるように、今すぐ思い直すように懇願するのだが、Y美は、ただ「うるさい。動くな、じっとしてろ」としか答えなかった。
入念な消毒が終わると、エンコはガーゼを置いて、注射器を手に取った。
「じっとしててね。すぐ終わるからね」
まるで看護婦が幼児に言い聞かすような口調だった。片手でおちんちんを摘み、注射針をおちんちんの根元近くまで寄せる。何度か試みたが、片手だとうまくポイントに刺さらないようで、誰かに応援を求めた。
「分かった。こんな感じでいい?」
手伝いを申し出た風紀委員が代わりにおちんちんを摘まんで心持ち上げる。エンコと比べると冷たい指だった。エンコは「うん、そんな感じ。止めててね」と言うと、両手で注射器を持ち、ポイントへ注射針を接近させた。
「はい。ちょっとだけ痛いけど、我慢ね」
と、エンコが言い終らぬ内に、チクリと針の刺さる痛みがおちんちんに走った。あれだけやめるように哀願したのに、とうとう得体の知れない注射をおちんちんにされてしまった。不安で膝ががくがく震える。一体これは何の注射なのか。と、おちんちんが急に熱を帯びて火照ってきた。
両手を背中で曲げられて自由に動くことができない僕は、頻りに足をもじもじさせた。熱を帯びたおちんちんへ周りの女の人たちがじっと視線を注ぐ。彼女たちの視線に僕自身の不安に満ちた眼差しが加わる。こんな風に見つめていると、まるでおちんちんが自分の物ではないような気がしてきた。これからおちんちんがどうなってしまうのか、分からないのは僕だけかもしれなかった。ただ、おちんちんだけが体から独立して発熱したような、異様な感覚が気持ち悪かった。
程なくして、おちんちんが膨張を始めた。連続して射精させられたおかげで萎んで、押し込んだらすっぽり体の中に入ってしまうのではないかと思われる程に小さく縮んでいたおちんちんが見る見るうちに太くなり、伸びるとともに皮の中の亀頭がむくむくと頭を起こした。
「すごいね。あっという間に大きくなった」
女の人たちが大きく息を吐いて感嘆する。
性的な気持ち良さは全く無かった。これまでにもおちんちんを一方的にいじられ、僕の意志とは関係なく勃起させられたことはあったけど、それでも物理的な刺激によってもたらされた性的な気持ち良さが強烈な力で僕自身の体の中に満ちてきたことは、認めざるを得ない。しかし、今回のそれは違う。ただ、おちんちんだけが僕の体から独立したかのように、むくりと勃起した感じだった。そこには、何の性的な感興も快楽もない。まさに注射による、強制的な勃起だった。おちんちんは、ぴんと起ち上がり、皮の中からおしっこを出す縦の穴を皮の中から正面にいる女の人たちに向けている。
「エンコのお母さんはさ、腕の良い泌尿器科の先生なんだよ。勃起しない哀れな男のためにフランスで作られた最新の治療薬があるんだって。エンコが自宅から持ち出してくれたんだよ、お前のためにね」
Y美が説明しながら、自分もまた僕の勃起したおちんちんをじっくり観察しようとして、僕の背後に立って曲げていた腕を放し、正面に回った。
性的な欲望を全く伴わない、薬剤による勃起だった。おちんちんは最大限に大きくなり、下腹部にぺったりくっ付きそうなくらい上向きになっている。恥ずかしくなって、自由になった手で思わず隠して腰をひねった僕は、Y美にお尻を連続して何度も平手打ちされ、両手を頭の後ろで組むように命じられた。
「すごいね。すっかり元気になったじゃん」
「ちっちゃいおちんちんが一所懸命勃起してて、なんか笑える」
ルコとミューが大きくなって棒のようになったおちんちんを突っついて冷やかす。
勃起しても皮から亀頭が完全には出てこないことをエンコが訝ると、Y美が包茎だから仕方がない、とおちんちんを指で弾いて嘲笑った。エンコが慣れない手つきでおちんちんを握り、皮を根元の方へずらすと、亀頭がすっかり顔を出した。過敏なその部分を指で摘まむので、僕は短い悲鳴を上げて腰を引き、頭の後ろで組んでいた手をほどいて、逃れようとして、N川さんとルコに乳首を抓られたり、お尻を叩かれたりした。
勃起したおちんちんは、Y美によってさんざん見世物にされた。先輩たちの求めに応じて、僕は仰向けに寝転ばされたり、四つん這いの姿勢を取らされたりした。巻尺でおちんちんの長さ、太さも計られた。おちんちんは、勃起した状態をずっと保った。僕自身とは何の関係もなく、あたかもそれが普通の姿であるかのように、ずっと勃起し続けている。この薬剤注入による勃起効果はどれほど持続効果があるのか、一人の先輩が訊ねたところ、エンコが約2時間勃起し続ける、と答えた。
その答えに一番驚いたの僕だった。2時間も硬化した状態が続く。一体どうやって家に帰れば良いのか。衣類一式を没収されて、丸裸のまま帰宅を余儀なくされている。それだけでも充分恥ずかしくて堪らないのに、その上、一番隠したいおちんちんをこんなに大きくさせられてしまった。途方に暮れる僕の意志とは何の関係もなく、おちんちんは高々と上を向いている。勃起が収まるまでの2時間をどこか岩陰で隠れて過ごすことができれば良いが、恐らくY美は許さないだろう。
目から涙をこぼしながら、もうおちんちんをいじったり、じろじろ見るのはやめて欲しいと誰にともなく訴える。先輩たちが、勃起したおちんちんの硬さを直接触れて確かめると、S子や僕の同級生の女の人たちにも触るように勧めた。先輩たちは僕の両手首、両足首にロープを掛け、両手両足を広げた形で体を拘束したので、あられもない形をしたおちんちんがまだまだ明るい光に満ちた川岸に晒されている。
こんなに長い時間をかけて、勃起したおちんちんを観察できるのは珍しいことだと先輩たちの誰もが言い、Y美とS子が「うんうん」と首を縦に振る。僕はおちんちんの袋の中の玉を何度もぐっと握られ、非常な苦痛に悶絶した。また、S子の先輩には、再びお尻の穴を広げられ、マッサージ用の棒を出し入れされた。その木製の棒は先端から等間隔に球体が付いていた。お尻の穴に棒を入れる。じわじわと押し込まれてゆく。球体の感触に喘ぎながら、お尻の穴を開発される恥辱に耐えた。みんなは、僕が喘ぐと性的に感じているのだと思い込み、僕のことを変態だと言って罵ったり嘲笑したりする。
マッサージ用の棒が取っ手の部分を残して全て入ってしまうと、S子の先輩はしばらくそのままにしてお茶を飲みに行ってしまった。その間、別の先輩がゆっくりと引き抜いていく。球体のでこぼこがお尻の中を刺激し、どうしても声を上げてしまう。
頭が朦朧として、何も考えられない。女の人たちの笑い声が聞こえ、遠くから男の人たちの話し声が混じる。男の人たちは僕のいじめられる姿に飽きて、川に石を投げて遊んでいるようだった。マッサージ棒をお尻の穴から完全に抜いてもらえない僕は、やっと抜けると思ったら静止し、再びゆっくりと押し込まれることの繰り返しに、広げられた四肢をがくがく震わせる。S子の先輩は、僕のお尻の穴をもっと訓練して広げるようにするべきだと主張した。
先程から催していた尿意がいよいよ耐え難くなった僕は、おしっこをさせてもらいたいと誰にともなく訴えた。お尻の中にはマッサージ棒が入ったままだった。おちんちんが注射されて大きくなったおちんちんの先に紙コップをあてがわれる。女の人たちは勃起したままのおちんちんからおしっこが出る様を喜々として見つめる。Y美がおしっこの入った紙コップをN川さんから受け取ると、
「なんでお前のおしっこはこんなに臭いんだよ」
と、顔をしかめて、おしっこに満たされた紙コップを僕の口へ近付けた。口元をぎゅっと引き締めて首を横に振ったが、すぐに複数の女の人たちに押さえつけられ、口を無理矢理開かされた。
「自分で出したものは自分で処理しなさいよ」
おしっこのなみなみと注がれた紙コップの縁を僕の唇に当てて傾ける。たちまち生温い液体が口中に満ちた。顔を上向きにされているので、咳き込みながらも飲み込まざるを得ない。もし吐き出そうものなら、Y美は罰として、ここにいる人たちからおしっこを集め、僕に飲ませるに違いない。ここはじっと我慢して口に入ってくる自分のおしっこをただ飲み下すより他に仕方がなかった。更に一歩近づいたY美の太腿がおちんちんにぶつかった。指先に少しおしっこが付いたようで、僕の乳首に濡れた指先を擦り付ける。
「裸んぼのまま、自分のおしっこを飲まされるなんて、この子もすごく可哀想なんだけど、でも、なぜか、おちんちんは勃起したままなんだよね。なんか笑っちゃうんですけど」
じっと様子を見ていた一人の先輩がそんな感想を漏らすと、周りの人たちも同意して、「そうそう」と頷く。注射のせいで強制的に勃起させられているだけなのに、まるでおしっこを飲むことに性的な喜びを覚える性的嗜好の持ち主のように言われるのが悔しい。口中に残るおしっこの臭いを消そうとして何度も唾を溜めてから飲んでいると、突然しゃくり上げてしまった。女の人たちは、そんな僕をじろじろ眺めながら手首や足首のロープを解いてくれた。
「泣いてるよ、この子。勃起したまま」
お尻の中に入っていたマッサージ棒を引き抜いたミューが、その棒でおちんちんを指してくすくす笑う。岩の上では片付けが始まっていた。西日が強くなって光が分厚い束のように見える。吹きつける風も大分涼しくなった。僕は自由になった手首をさすりながら、勃起した状態のおちんちんを下腹部に押し付けるようにして手で隠した。
川に石を投げて遊んでいた男の人たちが騒ぎながら走って来た。学校の先生がこっちに向かっていると知らせる。先輩たちはびっくりして慌てて僕を隠そうとしたけど、Y美が「大丈夫です。この子は自分たちでなんとかするから」と、僕を引き取り、川の方へ引っ張った。先輩たちがあっという間に片付けが済ませ、つまらない問題に巻き込まれないうちに帰ろうとすると、大きな草が激しく揺れて、その中から二人の大人が出てきた。僕たちの学校の先生だった。Y美に命じられて、僕は渋々そっと川に入った。
「男の子が女子にいじめられてるって知らせを受けたんだけど、あなたたち、知らない?」
大柄でぶよぶよした体型の女の先生が先輩たちへ訪ねる。三年の学年主任だった。その横には音楽担当のシラトリ先生がいる。この若い女の先生には人がたくさんいる日中の公道を素っ裸のまま歩かされたり、池の中に入らされたりした苦い思い出がある。
「あいつ、なんで来やがるのよ」
シラトリ先生を嫌うY美が僕の頭髪を掴むと、川の中へぐっと押し込んだ。
先輩たちは先生の質問を笑ってはぐらかし、詳しい話は一年生に訊ねるべきだとばかりにさっと道を空けた。二人の先生がY美たちに近づくと、質問をするよりも先に川の中から頭を出した僕を見つけた。
いじめの現場を取り押さえたと思ったのか、学年主任の先生は、いささか興奮気味に駆け寄り、すぐに川から上がるように命じた。西日に輝く水面が眩しくて、何度も瞬きする。睫に付いた水滴が落ちる。岸から見下ろす先生たちからは、僕が素っ裸でいることは分からない。ましてやおちんちんが勃起した状態であることなどは知る由もない。僕が川から上がろうとしないのを訝り、手を差し伸べる。僕は川の中でそっとおちんちんに手を当てて、相変わらず大きくなったままなのを確かめると、このままどこかへ流れ去ってしまいたい気持ちに駆られた。
「この子、上がりたくないと思う。だって、裸んぼなんだもん」
さもおかしくってたまらないという風にルコがくすくす笑う。学年主任の太った先生は目を大きく見開いて、川の中を覗き込むような素振りをしたけど、シラトリ先生はすぐに納得したような顔をした。
「やあね。またこの子、素っ裸で歩いてるの?」
軽蔑の眼差しを川の中の僕に向けると、僕の腕を取った。学年主任の先生もすかさず手を伸ばす。両腕を掴まれた僕は、太腿をお腹に密着させ、勃起させられたおちんちんを見られないようにする。川から上げられ、岸に着地すると、すぐに後ろを振り向いて、しゃがみ込む。学年主任は、全身ずぶ濡れで頭からぽたぽたと水滴を垂らす僕が完全な素っ裸であることを認め、そんな恥ずかしい格好で同い年の女の子に囲まれるのはさぞ辛いでしょう、と羞恥に苦しむ僕へ同情した。
二人の先生は、Y美とS子に詰問した。僕を丸裸に剥いて性的ないじめをしたのだろうと疑い、白状を迫ると、Y美はあっけらかんとして、先生たちの思い込みを笑った。自分たちは川辺にピクニックシートを広げ、仲良しの友達と弁当を食べていただけだ、とすらすら弁明する。Y美によると、僕は全裸で川遊びをしていたら服を無くし、川岸の彼女たちへ助けを求めに来たのだが、それは口実で実際は女の子たちに抱きつくのが目的だったから、女の人たちは自分の身を守るために力ずくで僕を押さえなければならなかったそうだ。従って、いじめなどはしていない、と力説する。よくこんな出鱈目が言えたものだと先輩たちも半ば呆れてY美を見ているが、Y美はむしろ先輩たちに向けて鼻を高くした。
その証拠はあるのかと猶も疑う先生に一言「あります」と答えたY美は、僕の濡れた頭髪を掴んで無理矢理立たせた。慌てて両手でおちんちんを隠したけど、すぐにS子が両腕を後ろに回して曲げるので、おちんちんが二人の先生の前にすっかり晒されてしまった。もちろん、ピンと勃起したままだった。
「やだ、何これ? ねえ、どういうことなの?」
学年主任の先生が腰をかがめ、眼鏡のツルを軽く揺すった。亀頭の先に鼻がくっ付きそうなほど顔を寄せる。
「こんなちっちゃいおちんちんのくせに、いやらしい真似するんですよ」
困ったような声を出して、Y美が僕の硬くなったおちんちんを指す。両腕を後ろに回され、どんなに腰をひねっても先生たちの視線を逸らすことができない。シラトリ先生の軽蔑の眼差しが痛い。すぐそばにY美がいて、睨みつけるような視線を送って寄こすので、このおちんちんは注射を打たれて大きくなっているだけだとは、とても言い出せなかった。
もう何回も精液を出しているから、今更どんなに扱かれても射精することはないと強く思うのだけど、もちろん、それを言ったところでY美をはじめとする女の人たちを説得することはできない。出ないなら出ないで一向に構わないが、とにかく自分たちの手で確かめなければ気が済まない。それが彼女たちの気性だった。
先輩たちの前でY美が何回精液出せるか試してみると公言してしまったので、その前に何度かオナニーさせられていたにも関わらず、こうして女の人たちにおちんちんを扱かれる羽目になった僕は、N川さんが片手でおちんちんの袋を揉み、もう片方の手でおちんちんを指で摘まみ、小刻みに手首を震わせるのをただじっと見下ろしていた。
確かにN川さんの扱き方は、気持ち良くなるつぼを心得たもので、そんなやり方をいつ覚えたのか不思議に思ったものだけど、僕としては、いかんせんその前に何回も射精させられているので、そう簡単にはおちんちんが大きくならない。これには扱いているN川さんよりも僕の脚を押さえ付けて傍観するエンコが苛立ち、「もう、しっかりしなよ」と、僕のお尻をばしばし叩いたり、お尻の肉を摘まんだりして、不満をぶつけるのだった。
「まあ、そう焦ったら駄目だよ。沢山出したばかりだからね」
ミューが宥めると、男の子の生理をよく知らないエンコは頭では理解しても腹では納得できないような複雑な表情をして、「そっかそっか」と口ごもる。
先輩たちは、最初、手足を大の字に広げられておちんちんを扱かれる僕にあまり興味を示さず、お喋りをしたり、お菓子を食べたりして、時折ちらちら僕に視線を向けるぐらいだったけれど、S子の先輩が一所懸命に射精させようと励んでいるN川さんの一途な姿に感動して、他の先輩たちみんなに「N川さんを応援しようよ」と声を掛けたところ、先輩たち全員が僕のすぐ前に集まった。そして、おちんちんを凝視しながら、N川さんの背中へ声援を送った。それと同時に僕への罵声も飛んできた。射精できないようであればもっと恥ずかしい目に遭わせてやる、と脅された僕は目も瞑り、悔しいけどもここは女の人たちの期待に応えるしかないと観念して、性的な快楽に意識を集中した。
その甲斐あって、なんとか、ごくわずかな量だけど精液をおちんちんの先から出すことができた。
「やっぱりこいつ、大勢に見られると興奮するタチなんだね」
S子が僕に人差し指を突き付けてこう叫ぶと、女の人たちが一斉に頷いた。
残酷な人たちは、僕に休憩を許さず、すぐに続けて射精を試みようとした。今度は風紀委員がおちんちんを手に取った。
「やめて。もう無理です」
がっしりと固定された四肢をくねらせ、許しを乞うものの、風紀委員は「そんなこと言わないで頑張ろうよ」と、僕のお尻をぴしゃぴしゃ叩くのだった。
体勢を変えようと誰かが提案し、僕は、岩の上に仰向けに寝転ばされることになった。精一杯に広げさせられた手足をがっしりと同級生の女の人たちが押さえ付ける。ルコやN川さんが僕の乳首を舐めたり、体のいろんな部位を撫でたりして、少しでも僕のおちんちんが反応するようにしている。仰向けの僕は、女の人たちの頭の向こうに青空が広がって、薄い布切れのような雲が流れるのを眺めながら、このどうにも逃れられない苦しみに耐える。とにかく精液を出し続けることを強制される地獄からいつ解放されるのか、見当もつかないことが僕を絶望させて、目尻から涙がこぼれ続ける。
もうおちんちんに感覚がなくなっていた。どうやってあれから二回も精液を出したのか、記憶がない。大の字に寝転ばされたまま体じゅうのあらゆる部位を刺激され、射精した後、四つん這いにさせられ、お尻の穴を広げさせられた。S子の先輩の提案で小さく膨らませた風船を幾つもお尻に挿入させられ、その状態でおちんちんを扱かれた。おちんちんが反応しづらいようなら徹底的にお尻の穴に刺激を与えると良いというのがS子の先輩の考えだった。みんなはその考えに従ったが、S子の先輩はどうも僕を射精させることよりもお尻の穴を開拓することに興味があるようで、どれだけ広がるか、自ら指を差し入れて、試す。風船もかなり大きなサイズの物も挿入されたようで、
「わ、こんなのも入っちゃったよ」
と、感嘆する声が絶望にのたうち回る僕の耳に鋭く入った。
何度も射精させられ、ぐったりして全身に力が入らなくなった僕は、同級生のみならず、この場にいる先輩たち全員に向かって土下座を繰り返し、これ以上の強制射精を許してもらった。涙で顔を濡らしながら、何度も許して下さいと頭を下げる僕の姿をさすがに哀れに思ったのか、女の人たちはなんとなく納得して僕から離れた。
木陰が川岸の岩全体を覆う程に伸びていた。川上から涼しい風が吹き、全身に汗を滲ませた僕の体を包んだ。皮膚という皮膚がすっかりここの空気に馴染んで、ともすれば自分がこの場に一人だけ素っ裸でいることを忘れてしまいそうだった。もう一滴も精液が出ない。体全体が重く、さんざん広げられた肛門がずきずきと痛んだ。僕は岩の上にうつ伏せになって、頬を岩にぺったりと付けた。風の音に混じって、女の人たちのお喋りの声がどこか遠くの方からのように聞こえる。男の人たちは、川に石を投げて遊んでいるようだった。僕は不意に猛烈な眠気に襲われ、気づいたら、すっかり岩の上でうつ伏せのまま眠ってしまった。
どれだけの時間、眠ってしまったのかは分からない。女の人たちのくすくす笑う声がすぐ上の方でして、目が覚めると、Y美とS子が僕を見下ろしていた。
「ゆっくり休めた?」
柔和な笑みを浮かべてY美が訊ねると、僕の返事を待たずに手首を掴んで無理矢理起こし、草むら近くのレジャーシートに僕を連れて行った。レジャーシートの上では、エンコが四角いケースを膝に置いて、僕を見上げる。エンコの白い靴下が下ろしたてのように真っ白で鮮やかだった。レジャーシートの端には、女の人たちの靴が綺麗に揃えて並べられており、裸足の僕はレジャーシートに乗ることを許されなかった。エンコが膝の上のケースを開けると、中から注射器が出てきた。白い筒状の先に細長い針が付いている。草むらから涼しい風が吹き、僕の裸の胸を撫でた。
「どうなの? 沢山おちんちん扱かれたから、ふにゃふにゃでしょ」
僕の真後ろに立つY美が僕の両肩をばしばしと叩いて、話し掛ける。僕は手が拘束されていないこともあって、片手でおちんちんを隠し、もう片方の手で胸の辺りを覆って、これから何をされるのか皆目見当のつかない不安に胸を押し潰されそうになりながら、足が震えないように力を入れて、レジャーシートの手前で立ち尽くしていた。
「答えなさいよ、おちんちん、ふにゃふにゃでしょうが」
返事をしない僕に腹を立てたY美がすごい力で僕のおちんちんを隠す手首を掴んで、後ろへ回した。反射的に胸を隠していた手がおちんちんへ下がったが、こちらもすかさずY美に取られた。両手を背中で曲げられた僕は下手に身動きができない。すっかり萎れた情けないおちんちんがY美やレジャーシートに腰を下ろす女の人たちの目に晒される。
「許してください。ごめんなさい」
もう何回も謝らされているので、何かされる度に反射的に謝ってしまう。そんな僕の横顔へY美が冷たい、軽蔑するような視線を投げかけて、
「まあ、あれだけ射精させられたら、こうなっちゃうのも当然だよね。可哀想だからさ、私たちが活を入れてやろうと思ってんだよ」
と、言って、エンコに目配せした。エンコはレジャーシートの上をいざって僕の方へ進んだ。手には注射器を持っている。
「貴重な物をおちんちんに入れてやるんだよ」
言い知れぬ不安に身じろぐ僕のお尻を膝で蹴り上げて、Y美が叱る。
「やめてください。何をするんですか」
おちんちんを前にして、注射針を一心に見つめるエンコの目が細くなった。腕に折れるような痛みが走るのも構わず、僕は体を左右に揺すり、抵抗をする。注射針をおちんちんに刺そうとしている。言い知れぬ恐怖に我知らず大きな声を上げて助けを求めた。
「静かにしなさい。すぐに終わるんだから」
Y美が僕の頬を思いっきり平手打ちする。僕の悲鳴を聞きつけて、川岸のいろんな場所に散っていた先輩たちが集まって来た。暴れないように同級生の女の人たちが僕の両足をがっちり押さえる。
先輩たちは、これから何が始まろうとしているのか、こっそりS子から聞いたらしく、にやにやしながら見守っている。恐怖のために陥没する程小さく萎れたおちんちんを見て、女の人たちは、
「おちんちんてこんな小さくなって震えるものなの?」
「まるで生き物みたいだね」
と、感心している。
そんな小さく萎れたおちんちんを摘まんで、エンコは、消毒薬を浸み込ませたガーゼでおちんちんの根元付近を何度も丁寧に拭いた。
「ほらほら、動かないんだよ」
これから自分がどんな目に遭わされるのか、これは何の注射なのか、一切知らされていない僕は、涙をこぼしながら、やめるように、今すぐ思い直すように懇願するのだが、Y美は、ただ「うるさい。動くな、じっとしてろ」としか答えなかった。
入念な消毒が終わると、エンコはガーゼを置いて、注射器を手に取った。
「じっとしててね。すぐ終わるからね」
まるで看護婦が幼児に言い聞かすような口調だった。片手でおちんちんを摘み、注射針をおちんちんの根元近くまで寄せる。何度か試みたが、片手だとうまくポイントに刺さらないようで、誰かに応援を求めた。
「分かった。こんな感じでいい?」
手伝いを申し出た風紀委員が代わりにおちんちんを摘まんで心持ち上げる。エンコと比べると冷たい指だった。エンコは「うん、そんな感じ。止めててね」と言うと、両手で注射器を持ち、ポイントへ注射針を接近させた。
「はい。ちょっとだけ痛いけど、我慢ね」
と、エンコが言い終らぬ内に、チクリと針の刺さる痛みがおちんちんに走った。あれだけやめるように哀願したのに、とうとう得体の知れない注射をおちんちんにされてしまった。不安で膝ががくがく震える。一体これは何の注射なのか。と、おちんちんが急に熱を帯びて火照ってきた。
両手を背中で曲げられて自由に動くことができない僕は、頻りに足をもじもじさせた。熱を帯びたおちんちんへ周りの女の人たちがじっと視線を注ぐ。彼女たちの視線に僕自身の不安に満ちた眼差しが加わる。こんな風に見つめていると、まるでおちんちんが自分の物ではないような気がしてきた。これからおちんちんがどうなってしまうのか、分からないのは僕だけかもしれなかった。ただ、おちんちんだけが体から独立して発熱したような、異様な感覚が気持ち悪かった。
程なくして、おちんちんが膨張を始めた。連続して射精させられたおかげで萎んで、押し込んだらすっぽり体の中に入ってしまうのではないかと思われる程に小さく縮んでいたおちんちんが見る見るうちに太くなり、伸びるとともに皮の中の亀頭がむくむくと頭を起こした。
「すごいね。あっという間に大きくなった」
女の人たちが大きく息を吐いて感嘆する。
性的な気持ち良さは全く無かった。これまでにもおちんちんを一方的にいじられ、僕の意志とは関係なく勃起させられたことはあったけど、それでも物理的な刺激によってもたらされた性的な気持ち良さが強烈な力で僕自身の体の中に満ちてきたことは、認めざるを得ない。しかし、今回のそれは違う。ただ、おちんちんだけが僕の体から独立したかのように、むくりと勃起した感じだった。そこには、何の性的な感興も快楽もない。まさに注射による、強制的な勃起だった。おちんちんは、ぴんと起ち上がり、皮の中からおしっこを出す縦の穴を皮の中から正面にいる女の人たちに向けている。
「エンコのお母さんはさ、腕の良い泌尿器科の先生なんだよ。勃起しない哀れな男のためにフランスで作られた最新の治療薬があるんだって。エンコが自宅から持ち出してくれたんだよ、お前のためにね」
Y美が説明しながら、自分もまた僕の勃起したおちんちんをじっくり観察しようとして、僕の背後に立って曲げていた腕を放し、正面に回った。
性的な欲望を全く伴わない、薬剤による勃起だった。おちんちんは最大限に大きくなり、下腹部にぺったりくっ付きそうなくらい上向きになっている。恥ずかしくなって、自由になった手で思わず隠して腰をひねった僕は、Y美にお尻を連続して何度も平手打ちされ、両手を頭の後ろで組むように命じられた。
「すごいね。すっかり元気になったじゃん」
「ちっちゃいおちんちんが一所懸命勃起してて、なんか笑える」
ルコとミューが大きくなって棒のようになったおちんちんを突っついて冷やかす。
勃起しても皮から亀頭が完全には出てこないことをエンコが訝ると、Y美が包茎だから仕方がない、とおちんちんを指で弾いて嘲笑った。エンコが慣れない手つきでおちんちんを握り、皮を根元の方へずらすと、亀頭がすっかり顔を出した。過敏なその部分を指で摘まむので、僕は短い悲鳴を上げて腰を引き、頭の後ろで組んでいた手をほどいて、逃れようとして、N川さんとルコに乳首を抓られたり、お尻を叩かれたりした。
勃起したおちんちんは、Y美によってさんざん見世物にされた。先輩たちの求めに応じて、僕は仰向けに寝転ばされたり、四つん這いの姿勢を取らされたりした。巻尺でおちんちんの長さ、太さも計られた。おちんちんは、勃起した状態をずっと保った。僕自身とは何の関係もなく、あたかもそれが普通の姿であるかのように、ずっと勃起し続けている。この薬剤注入による勃起効果はどれほど持続効果があるのか、一人の先輩が訊ねたところ、エンコが約2時間勃起し続ける、と答えた。
その答えに一番驚いたの僕だった。2時間も硬化した状態が続く。一体どうやって家に帰れば良いのか。衣類一式を没収されて、丸裸のまま帰宅を余儀なくされている。それだけでも充分恥ずかしくて堪らないのに、その上、一番隠したいおちんちんをこんなに大きくさせられてしまった。途方に暮れる僕の意志とは何の関係もなく、おちんちんは高々と上を向いている。勃起が収まるまでの2時間をどこか岩陰で隠れて過ごすことができれば良いが、恐らくY美は許さないだろう。
目から涙をこぼしながら、もうおちんちんをいじったり、じろじろ見るのはやめて欲しいと誰にともなく訴える。先輩たちが、勃起したおちんちんの硬さを直接触れて確かめると、S子や僕の同級生の女の人たちにも触るように勧めた。先輩たちは僕の両手首、両足首にロープを掛け、両手両足を広げた形で体を拘束したので、あられもない形をしたおちんちんがまだまだ明るい光に満ちた川岸に晒されている。
こんなに長い時間をかけて、勃起したおちんちんを観察できるのは珍しいことだと先輩たちの誰もが言い、Y美とS子が「うんうん」と首を縦に振る。僕はおちんちんの袋の中の玉を何度もぐっと握られ、非常な苦痛に悶絶した。また、S子の先輩には、再びお尻の穴を広げられ、マッサージ用の棒を出し入れされた。その木製の棒は先端から等間隔に球体が付いていた。お尻の穴に棒を入れる。じわじわと押し込まれてゆく。球体の感触に喘ぎながら、お尻の穴を開発される恥辱に耐えた。みんなは、僕が喘ぐと性的に感じているのだと思い込み、僕のことを変態だと言って罵ったり嘲笑したりする。
マッサージ用の棒が取っ手の部分を残して全て入ってしまうと、S子の先輩はしばらくそのままにしてお茶を飲みに行ってしまった。その間、別の先輩がゆっくりと引き抜いていく。球体のでこぼこがお尻の中を刺激し、どうしても声を上げてしまう。
頭が朦朧として、何も考えられない。女の人たちの笑い声が聞こえ、遠くから男の人たちの話し声が混じる。男の人たちは僕のいじめられる姿に飽きて、川に石を投げて遊んでいるようだった。マッサージ棒をお尻の穴から完全に抜いてもらえない僕は、やっと抜けると思ったら静止し、再びゆっくりと押し込まれることの繰り返しに、広げられた四肢をがくがく震わせる。S子の先輩は、僕のお尻の穴をもっと訓練して広げるようにするべきだと主張した。
先程から催していた尿意がいよいよ耐え難くなった僕は、おしっこをさせてもらいたいと誰にともなく訴えた。お尻の中にはマッサージ棒が入ったままだった。おちんちんが注射されて大きくなったおちんちんの先に紙コップをあてがわれる。女の人たちは勃起したままのおちんちんからおしっこが出る様を喜々として見つめる。Y美がおしっこの入った紙コップをN川さんから受け取ると、
「なんでお前のおしっこはこんなに臭いんだよ」
と、顔をしかめて、おしっこに満たされた紙コップを僕の口へ近付けた。口元をぎゅっと引き締めて首を横に振ったが、すぐに複数の女の人たちに押さえつけられ、口を無理矢理開かされた。
「自分で出したものは自分で処理しなさいよ」
おしっこのなみなみと注がれた紙コップの縁を僕の唇に当てて傾ける。たちまち生温い液体が口中に満ちた。顔を上向きにされているので、咳き込みながらも飲み込まざるを得ない。もし吐き出そうものなら、Y美は罰として、ここにいる人たちからおしっこを集め、僕に飲ませるに違いない。ここはじっと我慢して口に入ってくる自分のおしっこをただ飲み下すより他に仕方がなかった。更に一歩近づいたY美の太腿がおちんちんにぶつかった。指先に少しおしっこが付いたようで、僕の乳首に濡れた指先を擦り付ける。
「裸んぼのまま、自分のおしっこを飲まされるなんて、この子もすごく可哀想なんだけど、でも、なぜか、おちんちんは勃起したままなんだよね。なんか笑っちゃうんですけど」
じっと様子を見ていた一人の先輩がそんな感想を漏らすと、周りの人たちも同意して、「そうそう」と頷く。注射のせいで強制的に勃起させられているだけなのに、まるでおしっこを飲むことに性的な喜びを覚える性的嗜好の持ち主のように言われるのが悔しい。口中に残るおしっこの臭いを消そうとして何度も唾を溜めてから飲んでいると、突然しゃくり上げてしまった。女の人たちは、そんな僕をじろじろ眺めながら手首や足首のロープを解いてくれた。
「泣いてるよ、この子。勃起したまま」
お尻の中に入っていたマッサージ棒を引き抜いたミューが、その棒でおちんちんを指してくすくす笑う。岩の上では片付けが始まっていた。西日が強くなって光が分厚い束のように見える。吹きつける風も大分涼しくなった。僕は自由になった手首をさすりながら、勃起した状態のおちんちんを下腹部に押し付けるようにして手で隠した。
川に石を投げて遊んでいた男の人たちが騒ぎながら走って来た。学校の先生がこっちに向かっていると知らせる。先輩たちはびっくりして慌てて僕を隠そうとしたけど、Y美が「大丈夫です。この子は自分たちでなんとかするから」と、僕を引き取り、川の方へ引っ張った。先輩たちがあっという間に片付けが済ませ、つまらない問題に巻き込まれないうちに帰ろうとすると、大きな草が激しく揺れて、その中から二人の大人が出てきた。僕たちの学校の先生だった。Y美に命じられて、僕は渋々そっと川に入った。
「男の子が女子にいじめられてるって知らせを受けたんだけど、あなたたち、知らない?」
大柄でぶよぶよした体型の女の先生が先輩たちへ訪ねる。三年の学年主任だった。その横には音楽担当のシラトリ先生がいる。この若い女の先生には人がたくさんいる日中の公道を素っ裸のまま歩かされたり、池の中に入らされたりした苦い思い出がある。
「あいつ、なんで来やがるのよ」
シラトリ先生を嫌うY美が僕の頭髪を掴むと、川の中へぐっと押し込んだ。
先輩たちは先生の質問を笑ってはぐらかし、詳しい話は一年生に訊ねるべきだとばかりにさっと道を空けた。二人の先生がY美たちに近づくと、質問をするよりも先に川の中から頭を出した僕を見つけた。
いじめの現場を取り押さえたと思ったのか、学年主任の先生は、いささか興奮気味に駆け寄り、すぐに川から上がるように命じた。西日に輝く水面が眩しくて、何度も瞬きする。睫に付いた水滴が落ちる。岸から見下ろす先生たちからは、僕が素っ裸でいることは分からない。ましてやおちんちんが勃起した状態であることなどは知る由もない。僕が川から上がろうとしないのを訝り、手を差し伸べる。僕は川の中でそっとおちんちんに手を当てて、相変わらず大きくなったままなのを確かめると、このままどこかへ流れ去ってしまいたい気持ちに駆られた。
「この子、上がりたくないと思う。だって、裸んぼなんだもん」
さもおかしくってたまらないという風にルコがくすくす笑う。学年主任の太った先生は目を大きく見開いて、川の中を覗き込むような素振りをしたけど、シラトリ先生はすぐに納得したような顔をした。
「やあね。またこの子、素っ裸で歩いてるの?」
軽蔑の眼差しを川の中の僕に向けると、僕の腕を取った。学年主任の先生もすかさず手を伸ばす。両腕を掴まれた僕は、太腿をお腹に密着させ、勃起させられたおちんちんを見られないようにする。川から上げられ、岸に着地すると、すぐに後ろを振り向いて、しゃがみ込む。学年主任は、全身ずぶ濡れで頭からぽたぽたと水滴を垂らす僕が完全な素っ裸であることを認め、そんな恥ずかしい格好で同い年の女の子に囲まれるのはさぞ辛いでしょう、と羞恥に苦しむ僕へ同情した。
二人の先生は、Y美とS子に詰問した。僕を丸裸に剥いて性的ないじめをしたのだろうと疑い、白状を迫ると、Y美はあっけらかんとして、先生たちの思い込みを笑った。自分たちは川辺にピクニックシートを広げ、仲良しの友達と弁当を食べていただけだ、とすらすら弁明する。Y美によると、僕は全裸で川遊びをしていたら服を無くし、川岸の彼女たちへ助けを求めに来たのだが、それは口実で実際は女の子たちに抱きつくのが目的だったから、女の人たちは自分の身を守るために力ずくで僕を押さえなければならなかったそうだ。従って、いじめなどはしていない、と力説する。よくこんな出鱈目が言えたものだと先輩たちも半ば呆れてY美を見ているが、Y美はむしろ先輩たちに向けて鼻を高くした。
その証拠はあるのかと猶も疑う先生に一言「あります」と答えたY美は、僕の濡れた頭髪を掴んで無理矢理立たせた。慌てて両手でおちんちんを隠したけど、すぐにS子が両腕を後ろに回して曲げるので、おちんちんが二人の先生の前にすっかり晒されてしまった。もちろん、ピンと勃起したままだった。
「やだ、何これ? ねえ、どういうことなの?」
学年主任の先生が腰をかがめ、眼鏡のツルを軽く揺すった。亀頭の先に鼻がくっ付きそうなほど顔を寄せる。
「こんなちっちゃいおちんちんのくせに、いやらしい真似するんですよ」
困ったような声を出して、Y美が僕の硬くなったおちんちんを指す。両腕を後ろに回され、どんなに腰をひねっても先生たちの視線を逸らすことができない。シラトリ先生の軽蔑の眼差しが痛い。すぐそばにY美がいて、睨みつけるような視線を送って寄こすので、このおちんちんは注射を打たれて大きくなっているだけだとは、とても言い出せなかった。
一週間に一度の更新お願いしますね!
ところで主人公はこれから夏休み中ずっとすっぽんぽんなのかな?
あと海水浴場や小児科での羞恥の話とかも読みたいです!
メライちゃんもすっぽんぽんにされたら面白そうですね
続き期待です(T ^ T)
江南様のコメントに激しく同意します。ぜひ呼んでみたいです^^
コメント、ありがとうございます。
一週間に一度の更新は難しのですが、がんばります。
海水浴の話もありますので、お待ちいただければ幸いです。
メライちゃんも今のエピソードが終わりましたら出てくる予定です。
櫂さま
お誕生日に更新できて良かったです。
いつも感想をお寄せいただき、恐縮です。
参考にさせていただいております。
ありがとうございます。
Unknown様
ご意見、ありがとうございます。
懲りずによろしくお願いいたします。
へろへろ様
ありがとうございます。
メライちゃんの話も今後、いろいろと出てきますので、末長くお付き合いくただければ幸いです。