Pains パリの味

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ベーカーテクノサービス

ベーカリー開店後の悲劇

2009-10-21 18:06:43 | Weblog

 ベーカリー開店、企画から開店まで最短2ヶ月。開店から3ヶ月は珍しさから客数もあり、売上もまあまあでしょう。しかし、その後は売上が減少します。この減少期に生地配合、商品構成、価格、サービスを見直さなければ成りません。パンだけでなく、サンドイッチ、焼き菓子、ビノワズリーの充実が必要です。この時期暇ですから。
 この時期を無事乗り切るには、製パン技術と知識が必ず必要です。技術的に何の裏付けも無く、ただ漠然とパン屋が楽な商売と思い、または儲かりそうだと思い開店してしまうと1年後必ず窮地に立たされます。

 甘い言葉、言葉巧みに、口数の多い、ベーカリー開店の誘惑には乗らぬことが肝要です。

 安いコンベクションオーブン、デッキオーブン、ドゥーコンセット、焼きムラが激しく、ドアを開けると温度が急激に下がり、温度の復帰に長時間かかる、こんなセットでよいパンが焼ける訳ありません。


澱粉

2009-10-21 08:16:27 | Weblog

 澱粉、その起源により性質が異なり用途を広げていますが、パン、麺、ケーキ、和菓子と多くの食品で使われています。その結果食感が変わり珍商品が好きな我が国では大きな流行を作っています。
 ツルツルの真っ白な麺、白い鯛焼き、餅のような食感の食パンなど多種多様な商品があります。ただ、澱粉自体風味が乏しく食品の風味を改善する効果はありません。そのため、麺もパンも味わい深い商品にはならず、小麦本来の風味を削いでまで作らなければ成らない商品とは思えません。
 しかし、冷凍生地は無発酵であることと、品質の良い小麦粉が使われるわけではないので、冷凍耐性の向上と老化防止、食感改善に澱粉が不可欠になっています。そもそも冷凍生地はパン屋の長時間労働及び早朝勤務が普通で厳しい労働環境を、少しでも緩和できればと考案されたパン製法の一つで、冷凍生地だけで商売が成り立つことは稀です。冷凍生地の品質は改善され、と言うより生地改良材・イーストの進化と酵素、澱粉、タンパク質などの補助材料、食品添加物の利用技術が向上したことによります。
 冷凍生地だけで商売が成り立っているベーカリー、これは大手メーカーの直営店だけです。