電脳くおりあ

Anyone can say anything about anything...by Tim Berners-Lee

●2025年はどんな時代になるのだろうか?

2025-01-06 08:02:03 | 日記
 ウクライナとロシアの戦争は、依然として続いている。しかし、アメリカの大統領選挙では「もしトラ」と言われていたが、結果をみると、圧倒的にトランプが勝利して、新大統領に当選した。そうかと思っていたら、シリアのアサド政権があっという間に崩壊し、まだまだ混乱が続いているが、難民の一部が自国に戻り始めている。その間、イスラエルは、世界の反対を押し切って、ある意味ではいちばん我が物顔で勝手気ままに振る舞っているようにも思える。

 そんなとき、年末に読んだ齋藤ジン著『世界秩序が変わるとき』とエマニュエル・トッド著『西洋の敗北 日本と世界に何が起きるのか 』の2冊は、衝撃的だった。二人は、おそらく立場はまったく違うし、前者は投資コンサルタントだし、後者は人類学者である。しかし、二人は、世界のこれからの方向については、ほぼ同じ方向に向かっているという分析では一致しているように思われる。

 世界は、いわゆる、新自由主義の時代が終わり、ゲームチェンジが起きているのだ。言葉は違うのだが、新しい「帝国主義」の時代に入っていると言うべきかもしれない。そのために、新しい国家秩序が求められていると言っている。そして、それは、かなり困難な問題でもある。いろいろなところで、紛争が起きていて、それは、そう簡単に終わりそうもない。ウクライナの戦争に北朝鮮が参加したが、それは不気味な存在と化している。その上、何を血迷ったか、尹大統領がとんでもない失策までしている。

 齋藤ジンは「中国の衰退と、そして日本復活」と言っているが、それはどこまで当たっているかはよく分からないが、自民党の崩壊は、ある意味ではその第1歩かもしれない。石破茂首相は、厳しい政府運営を迫られているが、それゆえにこそ、たぶん、現在のところ極めて民主的な政権運営をしているように思われる。一見頼りなさそうに見えるが、これはこれでいいのだと思える。いまほど、マスコミが政治について自由奔放に発言していることはない。

 私は、新聞を取るのをやめてしまったので、情報は、もっぱらネットであり、解説はユーチューブ動画である。できるだけ偏らないように配慮しているが、なかなか難しい。でも、右も左も何を言っているのかは、知っておくべきだろうと思う。ある意味では、朝日新聞の記事と産経新聞の記事を読み比べるような作業をしておくべきだと思う。それは、ウクライナの戦争について、イギリスの情報記事と、アメリカの情報記事と、ロシアの情報記事を検討しておくことでもある。そんなことができるのかと言われるとすこしこまるが、英語もロシア語もほとんど理解できないので、ロシアからの情報は、もっぱら佐藤優の「東京大地塾」での講演を参考にしているが。

 それにしても、世界は、今の世界は、単なるイデオロギーでは動いていないことだけはたしかだ。単純に共産主義とか資本主義では分析できない状況になっている。「地政学」という言葉が流行っているが、それは、たぶん、現在の政治的、経済的な状況が上手く分析できないことの表れだと思われる。日本は、とても長閑な雰囲気のようにみえるが、本当はとても大変な時代なのだと思う。いずれにしても、何が起きるのか分からない状況になってきたので、情報の取り扱いには、できるだけ慎重になりたいと思っている。それが、たぶん、今年の課題なのだと思われる。
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●2024年に購入して、読了した本

2025-01-05 09:02:56 | 日記・エッセイ・コラム
2025年がはじまった。本来なら、個々で、昨年のニュースや、今年の抱負を語るべきだと思われるが、世の中、あまりに漠然としていて、不安と、危機感が漂っている。個人的にも、今年をどう過ごそうか、迷っている。

自分は何を考えてきたかと言うことをふり返ってみるために、以下、昨年に購入して読んだ本を最近の物から参考までに、並べておく。この中には、小説や、コミックは入っていないが、すこし古いが鳥飼茜著『先生の白い嘘』全8巻は、興味深かかった。AmazonPrimeVideoで映画も観てしまったほどだ。これらについては、また、触れて観たいが、今回は、世界の今がどうなっているかを知るために、昨年中(2024年)に私が読んだ本を、記録として順に並べておく。

永田和宏著『象徴のうた』(角川新書/2024.11.10)
清水健一著『科学者が書いた ワインの秘密 身体にやさしいワイン学』 (PHP文庫/2016.11.4)
橋爪大三郎著『火を吹く朝鮮半島』(SB新書/2024.9.15)
乾敏郎・門脇加江子著『脳の本質──いかにしてヒトは知性を獲得するのか』(中公新書/2024.11.25)
エマニュエル・トッド著大野舞訳『西洋の敗北 日本と世界に何が起きるのか』 (文藝春秋/2024.11.8)
毛内拡著『心は存在しない』(SB新書/2024.11.15)
沖森卓也著『日本漢字全史』(ちくま新書/2024.11.10)
栗原聡著『AIにはできない』(角川新書/2024.11.10)
藤井貞和著『日本文法体系 』(ちくま新書筑摩書房 (2016/11/10)
中島恵著『日本のなかの中国 』(日経プレミアシリーズ/2024.9.10)
養老孟司著『人生の壁』(新潮新書/2024.11.20
上橋菜穂子著『香君──西から来た少女1』(文春文庫/2024.9.10)
大澤真幸・今井むつみ・秋田喜美・松尾豊著『生成AI時代の言語論 THINKING「O」』(左右社/2024.10.10)
池谷裕二著『生成AIと脳 この二つのコラボで人生が変わる』 (扶桑社新書/2024.11.1)
橘玲著『新・臆病者のための株入門』(文春新書/2024.10.20)
森永卓郎著『ザイム真理教 』(三五館シンシャ/2023.5.19)
今井むつみ著『学力喪失──認知科学による回復の道筋』(岩波新書/2024.9.20)
唐鎌大輔著『弱い円の正体 仮面の黒字国・日本 』(日経プレミアシリーズ‎ /2024.7.9)
野口悠紀雄著『アメリカはなぜ日本より豊かなのか?』(幻冬舎新書/2024.8.30)
金光英実著1『ドラマで読む韓国: なぜ主人公は復讐を遂げるのか』 (NHK出版新書 /2024.9.10)
谷原つかさ著『「ネット世論」の社会学──データ分析が解き明かす「偏り」の正体』(NHK出版新書/2024.8.10)
大澤真幸著『我々の死者と未来の他者 戦後日本人が失ったもの』 (インターナショナル新書/2024.4.5)
千葉聡著『進化のからくり 現代のダーウィンたちの物語』 (講談社ブルーバックス /2020.2.13)
石丸昌彦著『こころの病で文化を読む』(NHKテキストこころをよむ/2024.7.1)本体900円
エリザベス・キューブラー・ロス著・鈴木晶訳『死ぬ瞬間 死とその過程について』 (中公文庫/2020.1.25)
デイヴィッド・サンプター著千葉敏生訳『世界を支配する人々だけが知っている10の方程式~成功と権力を手にするための数学講座』(光文社/2022.11.11)
有富純也編『日本の古代国家とは何か』(光文社新書/2024.7.30)
内田樹著『だからあれほど言ったのに』(マガジンハウス新書/2024.38)
桑畑優香・八田靖史・まつもとたくお・吉野太一郎著『 韓流ブーム』
エイドリアン・ベジャン/木村繁男著, 柴田裕之 (翻訳) 『流れといのち――万物の進化を支配するコンストラクタル法則』(紀伊國屋書店/2019.5.24)
的場昭弘著『資本主義がわかる「20世紀」世界史講義』(日本実業出版社.2023.10.14)
浦河通著『AIは単価をどう読むか』(高段者現代新書/2024.6.20)
萱野稔人著『国家とはなにか』 (ちくま学芸文庫/2023.11.9)
小島俊一著『2028年街から書店が消える日』(プレジデント社/2024.5.25)
マルクス・ガブリエル著土方奈美訳(細動幸平監修)『倫理資本主義の時代』(ハヤカワ新書/2024.6.25)
永江朗著『私は本屋が好きでした』(太郎次郎社エディタス/2019.12.1)
カント著・中山元訳『永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編』 (光文社古典新訳文庫/2006.9.7)
篠田謙一監修『ビジネス教養・超速アップデート 図解版 人類の起源──古代DNAが語るホモ・サピエンスの「大いなる旅」』(中央公論新社/2024.3.25)
堀元見・水野太貴共著『言語オタクが友だちに700日間語り続けて引きずり込んだ言語沼』(あさ出版/2023.4.7)
茂木健一郎著『脳とクオリア なぜ脳に心が生まれるのか 』(講談社学術文庫/2019.10.12)
池上彰・佐藤優著『グローバルサウスの逆襲』(文春新書/2024.4.19)
佐野大樹著『生成AIスキルとしての言語学』(かんき出版/2024.2.21)
千葉聡著『ダーウィンの呪い』 (講談社現代新書/2023.11.16))
倉本一宏著『紫式部と藤原道長』(講談社現代新書/2023.9.20)
宮本みち子・大江守之・丸山洋平 & 2 その他著『東京ミドル期シングルの衝撃―「ひとり」社会のゆくえ』(東洋経済新報社/2024.3.20)
萱野稔人著『カント 永遠平和のために』(NHK出版/2020.4.25)
橘玲著『テクノ・リバタリアン──世界を変える唯一の思想』(文春新書/2024.3.20)
梶谷健人著『生成AI時代を勝ち抜く事業・組織のつくり方 』(日経BP/2024.2.15)
康熙奉著『 韓国ドラマに深くときめく 1冊でつかむ韓国二千年の歴史と人物』 (講談社/2024.2.21)
茂木誠著『日本人の武器としての世界史講座』 (祥伝社黄金文庫/2020.3.20)
橋本大也著『頭がいい人のChatGPT&Copilotの使い方』(かんき出版/2024.3.21)
的場昭弘著『「19世紀」でわかる世界史講義』(日本実業出版社/2022.7.1)
国際時事アナリスツ編集『日本人のための朝鮮半島の歴史』 (KAWADE夢文庫/2018.1.22)
瓜生中著『よくわかるヒンドゥー教』 (角川ソフィア文庫/2022.2.22)
近藤正規著『インド―グローバル・サウスの超大国 』(中公新書/2023.9.25)
鳩山友紀夫・白井聡・木村朗著『誰がこの国を動かしているのか 』(詩想社新書/2016.6.23)
飲茶著『正義の教室』(ダイヤモンド社/2019.6.19)
丸山茂徳ほか著『地球温暖化「CO2犯人説」の大嘘』 (宝島社新書/2023.2.10)
池上彰著『新・世界から戦争がなくならない本当の理由』(祥伝社新書/2024.03.10)
木暮太一著『すごい言語化――「伝わる言葉」が一瞬でみつかる方法』(ダイヤモンド社/2023.6.6)
内田樹・中田考・山本直輝著『一神教と帝国』 (集英社新書/2023.12.15)
横山祐典著『地球46億年 気候大変動 炭素循環で読み解く、地球気候の過去・現在・未来 』(ブルーバックス/2018.10.17)
エマニュエル・トッド、マルクス・ガブリエル、フランシス・フクヤマ他著『人類の終着点──戦争、Ai、ヒューマニティの未来』(朝日新書/2024/02/28)
田原史起著『 中国農村の現在──「14億分の10億」のリアル 』(中公新書/2024.2.25)
橋爪大三郎・中田考著「一神教と戦争」 (集英社新書/2018.12.19)
井筒俊彦翻訳『コーラン 上』 (岩波文庫/1957.11.25)
平賀緑著『食べものから学ぶ現代社会──私たちを動かす資本主義のカラクリ』 (岩波ジュニア新書/2024.1.23 980)
斎藤淳子著『シン・中国人 ──激変する社会と悩める若者たち』 (ちくま新書/2023.2.9)
山田昌弘著『パラサイト難婚社会』(朝日新書/2024.02.28)
ジャレド ダイアモンド著倉骨彰訳『 銃・病原菌・鉄』上・下巻(草思社・2013/7/12)
NHKスペシャル取材班『老いる日本の住まい──急増する空き家と老朽マンションの驚異』(マガジンハウス新書/2024.01.25)
平賀緑著『食べものから学ぶ世界史 人も自然も壊さない経済とは? 』(岩波ジュニア新書/2021.7.20)
山田康弘著『縄文時代の歴史』 (講談社現代新書/2019.1.17)
藤尾慎一郎著『弥生時代の歴史 』(講談社現代新書/2015.8.20)
西田正規著『人類史のなかの定住革命』 (講談社学術文庫講談社/2007.3.10)
佐藤優著『神学でこんなにわかる「村上春樹」』( 新潮社/2023.12.22)
国際通貨研究所編『イスラーム金融とは何か』(小学館新書/2024.2.6)
難波和彦著『住まいを読む』(NHKテキスト/2024.1.1)
野口悠紀雄著『生成AI革命 社会は根底から変わる』 (日本経済新聞出版/2024.1.19)
内藤正典著『スラームからヨーロッパをみる 社会の深層で何が起きているのか』 (岩波新書/2020.7.18)
大澤真幸・斎藤幸平著『未来のための終末論 』(左右社/2023.7.10)
安田峰俊著『戦狼中国の対日工作』 (文春新書/2023.12.15)
今井翔太著『生成AIで世界はこう変わる』 (SB新書/2024.1.7)
丸山 俊一・NHK「欲望の時代の哲学」制作班著『マルクス・ガブリエル 日本社会への問い 欲望の時代を哲学するⅢ』 (NHK出版新書/2023.12.11)
高橋源一郎著『一億三千万人のための『歎異抄』』 (朝日新書/2023.11.13)
深田萌絵著『光と影のTSMC誘致』 (かや書房/2023.10.30)
深田萌絵著『 IT戦争の支配者たち 』( 清談社Publico/2022.6.22)
落合陽一著『日本再興戦略 (NewsPicks Book)』( 幻冬舎/2018)
----以上
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