東京都知事戦が終わり、小池百合子が圧勝した。 3選を決めた現職の小池百合子(71)は291万8015票を獲得。 前広島県安芸高田市長の石丸伸二(41)は165万8363票で次点に入った。 元参院議員の蓮舫(56)は128万3262票で、3位に沈んだという結果になった。投票率は60・62%(前回55・00%)で、平成以降の計11回の都知事選では、衆院選と同日だった2012年に次いで2番目の高さとなった。私は、石丸伸二の得票数にびっくりした。
結果的には、自民党、公明党のバックアップがあった小池が、立憲、共産党のバックアップを受けた蓮舫を圧倒したことになる。そのこと自体は、不思議でもなんでもなく予想された通りだった。不思議に思えたのは、前広島県安芸高田市長の石丸伸二(41)が165万8363票で次点に入ったということだ。石丸は、ネットなどでは、ホリエモンなどの支援を受けていて、どちらかというと新保守的な立場の人である。都民は、小池百合子の続投を臨んだのだが、若い世代が石丸をのぞんでいたようだ。
ネット、特にユーチューブ動画などでは、小池批判や蓮舫批判が多く、小池の学歴詐称問題や強引なん都庁運営などの批判も目立ったが、自民、公明の組織票に勝てなかったという結果だと思われる。特に、蓮舫は、共産党との共闘が裏目に出た印象であり、自民党の金権政治に批判が空回りしていた。そういう意味では、石丸が健闘したと言うべきで、分析する対象としては、彼をなぜ皆が支援したかにあると思う。石丸は、ネットをとても上手く活用していたと思う。選挙参謀が、維新系の人だといわれているが、とても上手く、今後の、選挙活動の方法に一石をと投じたと言ってもよいと思われる。
私は、小池百合子が都知事になる前に、都民を止めて埼玉県民になったので、今回の選挙は横目で眺めていたが、興味深い選挙だったと思う。8時の開票と同時に、小池百合子の当確が発表された。NHKはなぜ大河ドラマを放映品かかったのかと疑問に思った位だ。石井妙子著『女帝』を読んだ者としては、一方ではひどい女性なのだなという印象を持ったが、他方では、日本の政治家の世界で女性が生きていくには、このくらいの性格を持っていないとやっていけないのかもしれないとも思った。
いずれにしても、自民党には逆風になっているが、そうかと言って代わりになる政党は存在しないというのが現在の日本の政治状況だ。この点が、欧州やアメリカなどとまったく異なった状況である。日本人は、円安やインフレのなかでもそれなりに、まだ自分たちの生活は安泰だと思っている人が、かなりいると思われる。
最近、マルクス・ガブリエル著『倫理資本主義の時代』という本を読んだが、ある意味では、日本の経営者や労働者たちは、企業がもっと倫理的に運営されれば、日本の社会はよくなると思っているのかもしれない。ガブリエルが、最初にこの本の日本語版を出版(ドイツ語版より前に)した理由が、何となくわかる気がする。ガブリエルは、脱成長論者ではない。倫理資本主義による経営が成長することがいずれ今の世界の危機を救う道なのだと言っている。そして、日本の経団連の人たちがそれを聞いた何を考えたかは、私にはわかるような気がする。
確かに、斎藤幸平や、白井聡、大澤真幸、そして、柄谷行人などが資本主義の批判をしているが、資本主義を超える理念を打ち出せていない。この本の監修者が斎藤幸平だというところもすごいのだが、ガブリエルの提案が日本では受け入れられようとしているのかもしれない。しかし、多分、この動きと日本の政治状況とは上手くマッチしていないように思われる。日本の政治は、対米従属のなかで、主権さえ保てなくなりつつあるのを見ていると、日本の保守とは一体何なのか、考え直す必要がありそうだ。
結果的には、自民党、公明党のバックアップがあった小池が、立憲、共産党のバックアップを受けた蓮舫を圧倒したことになる。そのこと自体は、不思議でもなんでもなく予想された通りだった。不思議に思えたのは、前広島県安芸高田市長の石丸伸二(41)が165万8363票で次点に入ったということだ。石丸は、ネットなどでは、ホリエモンなどの支援を受けていて、どちらかというと新保守的な立場の人である。都民は、小池百合子の続投を臨んだのだが、若い世代が石丸をのぞんでいたようだ。
ネット、特にユーチューブ動画などでは、小池批判や蓮舫批判が多く、小池の学歴詐称問題や強引なん都庁運営などの批判も目立ったが、自民、公明の組織票に勝てなかったという結果だと思われる。特に、蓮舫は、共産党との共闘が裏目に出た印象であり、自民党の金権政治に批判が空回りしていた。そういう意味では、石丸が健闘したと言うべきで、分析する対象としては、彼をなぜ皆が支援したかにあると思う。石丸は、ネットをとても上手く活用していたと思う。選挙参謀が、維新系の人だといわれているが、とても上手く、今後の、選挙活動の方法に一石をと投じたと言ってもよいと思われる。
私は、小池百合子が都知事になる前に、都民を止めて埼玉県民になったので、今回の選挙は横目で眺めていたが、興味深い選挙だったと思う。8時の開票と同時に、小池百合子の当確が発表された。NHKはなぜ大河ドラマを放映品かかったのかと疑問に思った位だ。石井妙子著『女帝』を読んだ者としては、一方ではひどい女性なのだなという印象を持ったが、他方では、日本の政治家の世界で女性が生きていくには、このくらいの性格を持っていないとやっていけないのかもしれないとも思った。
いずれにしても、自民党には逆風になっているが、そうかと言って代わりになる政党は存在しないというのが現在の日本の政治状況だ。この点が、欧州やアメリカなどとまったく異なった状況である。日本人は、円安やインフレのなかでもそれなりに、まだ自分たちの生活は安泰だと思っている人が、かなりいると思われる。
最近、マルクス・ガブリエル著『倫理資本主義の時代』という本を読んだが、ある意味では、日本の経営者や労働者たちは、企業がもっと倫理的に運営されれば、日本の社会はよくなると思っているのかもしれない。ガブリエルが、最初にこの本の日本語版を出版(ドイツ語版より前に)した理由が、何となくわかる気がする。ガブリエルは、脱成長論者ではない。倫理資本主義による経営が成長することがいずれ今の世界の危機を救う道なのだと言っている。そして、日本の経団連の人たちがそれを聞いた何を考えたかは、私にはわかるような気がする。
確かに、斎藤幸平や、白井聡、大澤真幸、そして、柄谷行人などが資本主義の批判をしているが、資本主義を超える理念を打ち出せていない。この本の監修者が斎藤幸平だというところもすごいのだが、ガブリエルの提案が日本では受け入れられようとしているのかもしれない。しかし、多分、この動きと日本の政治状況とは上手くマッチしていないように思われる。日本の政治は、対米従属のなかで、主権さえ保てなくなりつつあるのを見ていると、日本の保守とは一体何なのか、考え直す必要がありそうだ。