ウディ・アレン監督の2014年作。
舞台は1920年代、中国人の仮装で奇術を行うイリュージョニストのコリン・ファースは友人からインチキ霊媒師のトリックを暴いて欲しいと頼まれる。富豪にかこわれ、亡くなった家族の触媒となっているのがアレン映画初登場となるエマ・ストーン。かくして2人は丁々発止のやり取りを繰り広げながら、やがて恋に落ちていく。
このプロットであればもちろん、ウディはストーンにベタ惚れなわけで、彼女は登場シーン毎に衣装が変わるまさに七変化で映画を自分のものにしている(『ギター弾きの恋』のサマンサ・モートンと似た、やや年齢の幼い衣装にウディの性癖を感じる)。
方やコリン・ファースはオスカー獲得後も身のこなしは軽く、これまで何度も演じてきた気難しい英国紳士役が意外や1920年代英国版ウディ・アレンと呼びたくなる親和性だ。
ナルシシスティックなウディ節は控え目、話芸で魅せるものの、親子ほど年の違う2人が恋に落ちてハッピーエンドを“ロマンチック”と楽しむのはいい加減どうかな、という気はしなくはない。
『マジック・イン・ムーンライト』14・米、英
監督 ウディ・アレン
出演 コリン・ファース、エマ・ストーン、マーシャ・ゲイ・ハーデン、ジャッキー・ウィーバー、アイリーン・アトキンス、サイモン・マクバーニー
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