長内那由多のMovie Note

映画や海外ドラマのレビューを中心としたブログ

『SHERLOCK シャーロック忌まわしき花嫁』

2020-03-13 | 映画レビュー(し)

 2016年新春にTV放映された“お正月特番”で、日本ではその人気も手伝い劇場公開された。ドラマ『SHERLOCK』はコナン・ドイル原作のシャーロック・ホームズを巧みに現代へとアップデートhし、主演のホームズ役ベネディクト・カンバーバッチとワトソン役マーティン・フリーマンは大ブレイク、世界中で何度目かとなる“ホームズ・ブーム”を巻き起こした。

 個人的には“現代のロンドンで男2人が同居していたらゲイ”というホームズとワトソンのブロマンス以上、ゲイ未満な関係性は面白かったが(日本での女性人気も多分にこの“やおい”要素が影響しているだろう)、宿敵モリアーティまで粘着ストーカー気味に設定されていたりと凝り過ぎたプロットにはシーズン3で食傷してしまい、最新シーズンは未見。むしろカンバーバッチ、フリーマンの巧者ぶりに“この2人でオリジナルに準じた19世紀バージョンを見たい”と思っていたので、今回の特別版には期待していた。

 実際、2人とも19世紀ヴィクトリア朝時代がよく似合う。死んだはずの花嫁が亡霊となって連続殺人を繰り返すというプロットも実にコナン・ドイル的。これが女性参政権運動=サフラジェットに結びついていく展開は2016年の作品として“正しい”だろう。

 …と中盤まで満足度が高かっただけに突如、現代(シーズン3の直後)パートへリンクする展開にはビックリしてしまった。そう、これはシーズン4オンエアを前にした特番、これまでの“おさらい”なのだ。
 というワケで肝心の事件はシャーロックの脳内世界を行き来している間に何だかうやむやとなってしまい、“来週からの新シーズンも見てね”で終わる。途中で視聴脱落した筆者はそもそも門外漢な1本だったのだ。


『SHERLOCK シャーロック忌まわしき花嫁』15・英
監督 ダグラス・マッキノン
出演 ベネディクト・カンバーバッチ、マーティン・フリーマン、アンドリュー・スコット
 

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