古泉屋光学研究所 MC Er.25mm を購入した。
せっかく素性の良いMAXIをなるべく低倍率で広々気持ちよく見るというあえて不得手な分野で使うにはどのアイピースが良いか検討していた。MAXIはドローチューブも細く(36.4mmネジ)ホルダーサイズから事実上31.7mmサイズアイピースまでということとバックフォーカスが97mm(計測値)のためあまり自由度は大きくない。
候補としてはTeleVue Panoptic 24mm、北軽井沢観測所 RPL 25mm、古泉屋光学研究所 MC Er.25mmの3つを挙げていた。実際に見て選べないのでスペック、ネットの口コミ、外観、産地、購入方法、価格などをもてる情報収集能力、推理力、想像力、粘着力を駆使して成り行きで決めた。
スペック面では特にレンズ構成からRPLに一番魅力を感じていた。前後で異なる径、異なる度のレンズを組み合わせて収差補正に優れ、レンズ枚数も4枚と少なく全面マルチコート。焦点距離25mmで見掛け視界62度。しかし焦点位置はスリーブ当たり面からin15mm(眼レンズ側)とのこと。
次にMC Er.25mmはエルフレ型ということで3群5枚のレンズ構成で全面マルチコート、RPLと同じく焦点距離25mmで見掛け視界62度。焦点位置はスリーブ当たり面。Panoptic 24mmは4群6枚、焦点距離24mmで見掛け視界68度で焦点位置はスリーブ当たり面からout6.4mm
次に口コミではPanoptic 24mmは歪曲は強いがその分周辺まで点像と評判は良く、加工すればハイランダーにも使えそう。RPLとEr.25mmは口コミ情報はとても少なくユーザーの感想からイメージが沸きにくい。
外観としてはRPL25mm > Panoptic24mm > MC Er.25mmかな。
次に産地。RPLとPanoptic は台湾のよう。MC Er.25mmは大井光機製でMade in Japanの溝の口。ちょうど多摩川の堤防のジョギングコースでR246を潜るために下に降りないといけない場所の近くだ。
この時点でもうほぼ決まった。RPLは90度ミラーを入れると光路長が不足して恐らく使えないのとMade in Japanでないので脱落。一番確実そうなPanoptic24mmをポチる直前でふと頭をよぎったのは先にPanopticを買うとおそらくMC Er.25mmは買わない。このご時世ではいつまで生産されるかわからない、もしかしたら貴重かもしれないMC Er.25mmを先に買うことにした。
箱や梱包方法はFUJIYAMA HD-Orと同じだ。
この肉厚の薄い感じが良い。
コーティングの色はちょっと変わっていて赤茶色っぽい。
昼間なので早速星見とはいかないのでFS-60Cに装着していつもの調整時どおり500mほど先にある貯水塔の鳩に望遠鏡を向けてみた。比較にはスコープテックKe25mm、SVBONY PL25mm、Meade SW18mmを用いた。
まず思ったのがEr25mmの開放感が凄い。単に見掛け視界のことでなくアイレリーフも長く、アイレンズに対して胴径も細いので覗き込む感覚がない。見掛け視界はMEADE SW18mmの方が僅かに広いがアイカップが付いておりアイレンズ径も小さく短いアイレリーフのため比べると窮屈感を感じる。いままで見やすい方だと思っていたのに。
肝心な見え味は中心付近については普通。悪くはないが感動もない。
気になるのは持っているアイピースの中ではピントの山の掴み具合が平均付近か比較的わかりにくい方。合っているのかどうか若干曖昧だ。その状態で500m先の鳩にくちばしや足が付いているのは十分わかる。解像感はSVBONY PL25mmと同等。しかしKe25mmはピントの山が掴みやすく鳩のくちばしが尖っているのもわかるし背景ともくっきり分離している。歩いている時の足もちゃんと2本見える。球面収差の面では不利だと思っていたがしっかり結像しているしコントラストも高い。
コーティングはSVBONY PL25mmは緑系の色だが鳩やコンクリートの壁を見る分にはそれほど色については差は無いようだ。Ke25mmは青っぽいモノコートだがより鳩の色もはっきりわかるし全体的に明るくクリア。ムムム。
Meade SW18mmは薄茶色っぽいコーティング反射だが何かうっすら膜があるようなコントラストの低い見え方。
次に周辺像については僅かに湾曲があり中心からなだらかに僅かにボケていく。ピントを合わせ直すとくっきりとは見える。
中心にピントを合わせた状態での周辺像については微妙にSVBONY PL25mmより良い。一方Ke25mmはこれらと比較するとかなり崩れる。
最後に念の為 MAXIも出して比較してみたが同じような印象だった。
MC Er.25mmの見え味自体は飛び抜けた感動は無いが覗きやすく開放感もあって気持ち良く、小ぶりなので扱いやすそうだ。MAXI用として購入したのだが今まで常用アイピースというか真っ先に使うアイピースはMeade SW18mmだったがこのMC Er.25mmになりそうな予感がする。
一方で今回の比較で感じたこととして、昼間なので星では違うかもしれないがスコープテックKe25mmはスペック的には一番チープだが何でこんなによく見えるんだろう? Ke6mmも2重星では伴星側をすごく認識しやすかったし。
最新の画像[もっと見る]
- 双眼鏡三脚アダプタ 2ヶ月前
- 双眼鏡で見る土星 2ヶ月前
- 紫金山・アトラス彗星 4ヶ月前
- 今シーズン初の土星 4ヶ月前
- SPT99T-01用ブレードその2 5ヶ月前
- SPT99T-01用ブレードその2 5ヶ月前
- SPT99T-01用ブレードその2 5ヶ月前
- サイトロン Stellar Glassesが届いた! 7ヶ月前
- サイトロン Stellar Glassesが届いた! 7ヶ月前
- サイトロン Stellar Glassesが届いた! 7ヶ月前
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます