今日はベランダで使用した鏡筒はPENATX 105SDP。買ってから20年位経過している。
最近になって眼視でも使うようになったが、もしかしてよく見えるのでは?という気がだんだんしてきていた。
そう思うようになったきっかけはハイランダープロミナーで500mくらい離れた貯水塔?の上の鳩を見ていて105SDPへ替えた時に見え方が違うことに気づいた。ハイランダーも明るくクリアでシャープだと思っていたが、105SDPで同じところを見ると一言で言えば安定してくっきり見える。
ハイランダーも105SDPも中心像は非常にシャープ。しかし105SDPの場合は中心像と周辺像の崩れ具合もそれほど大きくなく、特に倍率色収差がほとんど感じられない。ハイランダーだと歪むし色もつく。
絶対的なところではアイピースの違いもあると思うが複数のアイピースを使ってみた傾向として視野全体がシャープで安定していると感じる。
焦点内外像の縞やエアリーディスクもくっきりしていてジフラクションリングも綺麗だしアンタレスの伴星やシリウスBも見えたことで結構眼視もいけるんだと思うようになった。そんなこともありロンキーテストではどうなのか、FS-60Cに続き見てみることにした。
テストに使った星はアルクトゥルス。(使ったというとなんか偉そうだ)
コンデジ手持ちなので綺麗には撮れていない。
てきとうな撮影なので画像は綺麗ではないが、目視では内外共に真っ直ぐで非常にくっきりしたラインが見える。FS-60Cよりも光と影の境界がくっきりしているのは見てすぐわかった。
FS-60Cでは土星のカッシーニの空隙が殆ど見えないが105SDPだと見えていたのは口径差かと思っていたがこれを見るとそればかりでは無さそうな気がしてきた。
だが、こういった究極付近での性能も大事だが、もっと大切なのは色とりどりの星々がキラキラ綺麗に見えること。たとえ本当の星の光を正しく通していなくても本人が「今日は綺麗な星が見える!」と信じればそれでOK。
ベランダではたいてい経緯台を使うのでこれまであまり必要性を感じていなかったけど、最近赤道儀も使うようになってきたのでVIXENのポーラーメーターを買ってみた。厳密ではないものの軽〜く合わせられそう。
目盛りも細かく書かれていて一見すると精密に合わせられそうな印象を受ける。
水平器と分度器。ベランダではこっちが重宝しそう。
コンパスは地磁気の偏差も考慮して合わせてみたが、本当か?という方向を指している。自分の勘より15°くらい東を向くことになった。場所によっては遭難するレベルだ。初回くらいは信じてセッティングしてみたが星がどんどん流れていく。orz
薄々わかってはいたが、ベランダ付近はおかしな電磁波に溢れていてちょっと位置を変えるとコンパスの指す方向も変わってしまう。やはり勘に頼ろう。
はたしてこの望遠鏡は正常なのだろうか?どこか狂ってるのだろうか?
よく見えると感じる時もあればそうでない時もあり、その時々のシーイングや体調でも評価はずいぶん変わるとは思っているものの、疑念や不安を時々抱いていた。
シュミカセなら光軸調整や補正版回転など試してみた内容の効果確認と捉えてテストへの抵抗はさほどではないが、調整代の少ない屈折の場合はたとえ良い結果だとしても「良い望遠鏡なのに見え味はこんなものか」、悪い結果だとすると「ハズレを買ってしまったがどうしようもないな」といった具合にどちらも改善についてはたいして何も出来ないので気分の良いものではない。
わかっていてあえて今回は古いFS-60Cのロンキーテストをしてみた。
といっても大した知識も技量もないのでアルクトゥルスに向けてロンキー像を目視したり手持ちでデジカメで撮影した程度。
10L/mmのロンキーアイピース。
エレクトリックシープさんで扱っているロンキーアイピースで、1mmあたり10本の縞のクロムを真空蒸着したガラスを採用とのことだがよく見るとしっかり視界内に糸くずが付いていてやる気満々に上げてきたのに少しテンションが下がった。
ほぼ天頂に近いところまで望遠鏡を向けてのチェックだったので目視でアルクトゥルスを捉える際も姿勢は辛いものであり、手持ちデジカメ撮影もちゃんとアイピースのセンター捉えてるかどうか不確かな撮影だったので少々撮影結果は雑なものになってしまったが以下のような感じだ。
縞の太さが違ったり若干蹴られている。
目で見てだいたいで合わせておいての撮影だったので縞の数が焦点内像の方はほぼ6本だが外像は5本弱と不揃いになってしまった。また、何度かロンキーアイピースを付け直しており、それを跨いだ撮影なので例えばアス有無など縞の傾きからは判断できない。詳しく考察できるほど知識もないので内外像共にだいたい真っ直ぐで良い個体だと思うようにしよう。