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ひっそりと書き綴る俺のチラ裏

SIGHTRON SV 1042 ED で星見

2021-03-26 22:27:26 | 天体撮影&観望

寒いからしばらく夜は引きこもっていたが久々に星見をしてみた。
今の時期では夜7時を過ぎるとまぁまぁ暗くなるがまだ星見には不十分という状況でおおいぬ座、オリオン座、おうし座、かに座、しし座あたりを流してみた。ちょっと月の明かりが邪魔ではあるが。

今日は10倍の日な気分だったので使用機材として賞月観星のUF10X50WPと新たに購入したサイトロン SV 1042EDを使って見比べてみた。


UF10X50WPは50mm 空気分離式EDレンズやフラットナーを採用したポロ式双眼鏡で倍率は10倍の実視界6.5°の双眼鏡。新JIS規格で計算すると見掛け視界は59.2°となる。
一方でサイトロン SV 1042EDは42mmEDレンズやアッベ・ケーニッヒ式プリズムを採用したダハ式双眼鏡。倍率は10倍の実視界6.6°の双眼鏡。新JIS規格で計算すると見掛け視界は59.9°となる。
Made in Japan

倍率や見掛け視界が同じようなものなので覗いた時の大きさや見える範囲はほとんど変わらない。しかしレンズコーティングがまるで違っておりUF10X50WPはさくらコーティングと呼ばれる赤紫色のコーティング、SV 1042EDは青緑色のコーティングとなっており昼間の景色を見たときでも若干色の雰囲気が違い、SV 1042EDの方がクリアで明るくコントラストも高い。しかし赤系の色はUF10X50WPの方が鮮やかに見える。コーティングが赤系を弾くとばかり思っていたがそうでもないようだ。また、結像具合も微妙に違うように感じる。中心像はUF10X50WPも十分シャープだがSV 1042EDは更にカリッとしてる。
これらの違いはぱっと見た時の第一印象で一瞬でわかるレベル。

普通の緑・青・紫のマルチコーティングって感じ。
迷光対策もバッチリ。
瞳の周りは真っ暗。


で、これらの違いが星空でどう影響するか楽しみながら比べてみた。

<おおいぬ座>
シリウス・・・どっちも変わらん。
M41・・・どちらも見えなかった。

<オリオン座>
M42・・・この時間じゃどっちも星雲として認識は困難。しかし、SV 1042EDはトラペジウムが分離して見え始めてる。UF10X50WPだとただの点ではないのはわかるが非常に曖昧だ。
三星のミンタカ・・・ミンタカのちょい北西5秒角ほど離れたところに6.8等級の恒星がある。これが10倍では非常に見難いのだがSV 1042EDではそらし目などしなくても一発で認識できた。UF10X50WPでは目の位置を調整してミンタカの光条に邪魔されないようにしないと見えない。SV 1042EDはミンタカの光も散らずに恐ろしくシャープに結像するしコントラストが高い。
ベテルギウス・・・UF10X50WPでは綺麗なオレンジ色だがSV 1042EDでは少し色が薄い。

<おうし座>
ヒアデス星団・・・UF10X50WPではアルデバランのオレンジが映えて青白い恒星と合わせてとてもカラフルに見える。SV 1042EDではオレンジに見えるのだがちょっと色が薄く明るく感じる。
M45・・・SAO76189からSAO76215にかけて7.75等級の2つの恒星がSV 1042EDでは比較的容易に確認できる。UF10X50WPはギリギリって感じ。

<かに座>
プレセペ星団・・・これはうっすらしているがどちらの双眼鏡でも確認できた。

<しし座>
レグルス・・・UF10X50WPではすぐ近くにある月明かりで視界の半分ほどにわたってハレーションが起きている。SV 1042EDでは大気が照らされて空が明るいのが認識できるだけでハレーションまでは起きていない。これは結構な差だ。
よくよく見てみたらUF10X50WPとSV 1042EDでは筐体の端からレンズまでの深さが違うので迷光対策というより形状の違いだ。ある意味フード付きと無しを比べたようなもの。

<月>
これはどちらの双眼鏡でも非常にシャープだ。しかしSV 1042EDの方が若干倍率色収差を感じる。

以上30分ほどさらっと見た感じでは42mmと50mmの口径差は吹き飛んでいた。
微光星はUF10X50WPが有利と思っていたが、これだけ明るい空だとUF10X50WPの瞳径5mmとSV 1042EDの4.2mmとの背景の落ち込みや双眼鏡自体のコントラストの差で優劣はひっくり返ってしまうようだ。
そこそこ輝度の高い恒星についてはSV 1042EDのシャープさが印象的。星が非常に小さな点に見える。UF10X50WPでもニコン10x70SPより締まって見えていたがそれを遥かに超えている。これは星見ではとても素晴らしいことだ。
しかし、色については昼間の景色の艷色性はSV 1042EDは素晴らしいと思ったのだが星見ではちょっと色が薄くてキラキラしているだけのように見える。これは色が正確かどうかはおいておいて、文句無しにUF10X50WPが赤青黄色と色とりどりの星団など綺麗に見える。さらに言えばニコン7x50SPやニコン18x70IFやハイランダープロミナーはもっと綺麗。
まさかポロ式よりシャープに見えるとは思っていなかった。また、瞳径4mm前後の10倍は街中の明るい夜空には結構適しているようだ。サイトロン SV 1042EDは星見でもかなり使える双眼鏡だと思う。

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