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今年最初に見た映画は「天空の蜂」です。
今Huluでやってます。
東野圭吾の小説の映画化で、何とこれ1995年に書かれているのですね。
映画化されたのは2015年。堤幸彦監督作品です。
原発テロを扱った映画です。
新開発された大型ヘリコプター「ビッグB」が、爆弾を積んで高速増殖炉「新陽」の上空でホバリングをはじめます。ヘリの燃料が切れるまでの時間が8時間。
それまでに全国の原発を停止せよ、というのがテロリストの要求です。
8時間後には、原子炉の上にヘリが落ちて爆発します。
ところが、犯人も予測しなかった事が起きます。
ビッグBを開発した技術者である湯原(江口洋介)の9歳の息子がこっそりヘリに忍び込んでいたのです。
少年を乗せたまま、遠隔操縦のヘリは原発上空へ上昇していきます。
前半は、この少年の救出劇が最大の山場。
手に汗握る展開です。
そして後半は、犯人探しとヘリを原発の上に落下させまいとする人たちのぎりぎりの攻防戦で、息つく間もない緊迫感が続きます。
2時間18分があっという間です。
犯人はこう言います。
電気の方が人命より重い。それがやつらの本当の答えだ。
それを知らないままに皆暮らしていく。
なぜかわかるか?
みんな本当のことは知りたくないからさ。
たとえ目の前で理不尽なことが行われていても、見たくないものは見ようとしない。
本当に狂ってるのは誰なのか、いつかおまえたちは知ることになる・・
たしかにねえ、日本は狂ってます。
犯人はこうも言います。
原発には恩恵もあるがリスクもある。
って、どんな恩恵が??
それに、たとえヘリが落ちても、ダイナマイト10本分の爆発くらいでは高速増殖炉はびくともしないので、この原発を選んだ・・
って、どーゆーこと?
まあ、犯人も意外な人物で、ミステリーとしても面白く、見応えある映画でした。
エピローグには、2011年3月の災害現場が描かれます。
ヘリに潜り込んで救出された少年は成長し、3・11の災害現場で自衛隊員として活躍しているのでした。
ゴジラもそうだったけど(ゴジラは元々戦争映画なので、仕方ないといえば仕方ないのですが)
この自衛隊賛美はどうしたことだろう。
原発を扱った小説に「原発ホワイトアウト」があり、これも面白かったです。
映画化の話もあったようだけど、こっちはどうなったのかしら。
原発関係は得てして闇に葬られる傾向があるようですから、これを映画化したというだけでも凄いことなのかもね。
私たちは皆見てみぬふりをして、毎日楽しくくらしているというわけです。
平和な日常の裏側には、常にこうした狂気が隠れているのですね。
肝に銘じておきましょう。