「ウエスト・サイド・ストーリー」といえば、
一世を風靡したハリウッドのミュージカル映画(1961年)を思い浮かべます。
当時は「ウエスト・サイド物語」と呼ばれていました。
ロバート・ワイズ監督作品で、ロバート・ワイズはその後「サウンド・オブ・ミュージック」も作っています。
当時、私は愛媛の片田舎に住む少女でした。
母が東京の友人から映画の話を聞いて、どうしても見たいといって、私を連れて松山まで映画を見に行ったのです。
四国の西の端から松山まではけっこう遠く、汽車に揺られる旅でした。
当時、私はまだ子供で、ラブロマンスにはあまり関心がなかったのですが、
ダンスのキレのよさと音楽には魅了された記憶があります。
その「ウエスト・サイド物語」がスピルバーグによってリメイクされ、
今、ディズニー+で配信されています。
昔のストーリーのまま、しかも音楽もそのままです。
そこで、オリジナルの方も見てみたいと思って探したら、
GYAO!で配信されていたので、さっそく見比べてみました。
その結果、
1961年の「ウエスト・サイド物語」の方が圧倒的にいい!
という結論に達しました。
もちろん、オリジナルの方は何度も見ているのでなじみがある、ということもありますが、
今更リメイクする必要があるのかと思うほど、
「ウエスト・サイド物語」は凄い。
もう冒頭から違います。
短時間で、音楽とダンスだけで、
NYの下町の、若者たち(ジェッツとシャークス)が敵対しあっていることがはっきりわかるし、
プエルトリコの移民を地元の人たちがよく思っていないこともよくわかる。
音楽とダンスだけで、よくぞこれだけのことを表現したと今更ながらに驚嘆します。
何しろ見始めたら途中でやめられなくなるのですよ。
一方、スピルバーグの方は、
確かにお金かけて作っているし、スタイリッシュで現代的で、時代背景や舞台設定も見事です。
でも、
時々、これってスピルバーグテイスト(臭さ)よね、と思うところもけっこうある。
オリジナルの方はとにかくエネルギッシュです。
若いし、キレがいい。展開が速い。
それに、リタ・モレノがとにかくいい!
(新しい方にもリタ・モレノ出演しています。歳取ったけど存在感がある)
「アメリカ」や「クール」のシーンなど、圧倒的に昔の方がいい。
つくづく、この時代(1961年)によくぞこれほどの名作を作ったものだと感心します。
でも、スピルバーグのおかげで、
「ウエスト・サイド物語」が再び見直されているので、その功績は大きいと思います。
何より、音楽がいいよねえ。
だからこそ、スピルバーグはストーリーも音楽も元のままでリメイクしたのでしょう。
とにかく、1961年の「ウエスト・サイド物語」を見ましょう!
「不朽の名作」というのはこういうのを言うのだと実感します。
これ、DVDが欲しい!