ついに出ました!
アンソニー・ホロヴィッツのダニエル・ホーソーン・シリーズ第二弾。
「その裁きは死」(創元推理文庫 2020年)
本屋で見つけて即購入、二日で読了しました。
やっぱ、アンソニー・ホロヴィッツ、すごい!
そもそもの始まりはTVシリーズ「刑事フォイル」でした。
これが面白くてね、毎回楽しみにしていたのですが(友人にDVDに焼いてもらってた)これを書いた脚本家なら絶対面白いにちがいない、と思って読んだのが、
「カササギ殺人事件」(創元推理文庫 2018年)
で、めっちゃ面白かった。というわけで「絹の家」を読み(これは、まあまあかな)、ホーソーン・シリーズの第一作目である、
「メインテーマは殺人」(創元推理文庫 2019年)
を読んだのが、いつだっけ、そうそう、去年の12月(12月19日の記事参照)。
あれから一年足らずでまたこんなミステリーが読めるなんて、本当に幸せです。
昔はミステリー作家になりたいと思ってたのだけど、ミステリーはやっぱり書くより読むほうが絶対楽しい。映画も作るより見る方が絶対楽しい、と思う。
何にしろ、創作活動っていうのは体力いるし、しんどいからね。
人生もそろそろ店じまいの季節に入ってきたので、これからはただひたすら楽しませてもらおうじゃないの、と思っています。
ミステリーなのでネタバレは避けたいと思いますが、さわりの部分だけ。
二件の殺人事件(一件は事故かもしれない)が立て続けに起きます。
その背景には離婚訴訟だの、6年前の洞窟探検事故だのがからんでいるらしい・・
日本人のアキラ・アンノという作家も登場し、彼女のつくる俳句が鍵になったりして、なかなかエキサイティングです。
今回も伏線とその回収が見事。最後にきっちり回収されて、そうだったのね、ああ面白かった、と惜しみながら本を閉じる、そういう作品です。ミステリーに限らず本を読む醍醐味ってそこだよね。
ただ、今回の作品、前半はちょっと冗長です。登場人物が多くて、しかもチャーリー(時々チャールズになる)にリチャードと紛らわしい名前が多く(翻訳ものではいつも苦労する)、登場人物の関係図を作りながら読みました。
(最近理解が遅くなってきたのよ)
「メインテーマは殺人」にはふんだんに映画ネタが盛り込まれていて息継ぐ間もないほどで、夕飯抜きで読了したのに比べると少し冗長かな。
でも、後半に怒涛の展開が待っています。しかも、どんでん返しにつぐどんでん返し。アンソニー・ホロヴィッツの頭の中ってどうなってるんだろうかと、覗いてみたくなります。
なにしろ、理路整然とした謎解きが提示され、これで解決ね、と思ったとたん、それが崩されて、また別の理路整然とした謎解きが提示されるのだから、その多彩さにはあきれかえるほど。
「182」の謎、「もう遅いのに」の謎・・
それぞれ別の光を当てることによって、まったく違って見えてくる、という離れ業をみせてくれます。これ以上書くとネタバレになるのでやめますが(ここまでは最後の解説にも書いてあるので大丈夫よね)。
しかも、ホロヴィッツによると、ホーソーン・シリーズは10巻まで出る予定らしいので、まだこれから8冊も出版されるのですよ。生きてる間に全部読めるかしら?
そういえば、読みかけのミステリーを最後まで読み終えてから死んでいく主人公の登場する物語があったと思うのだけど、何だったっけ?
知っている人はぜひ教えて下さい。
季節柄、秋の夜長はやっぱりミステリーよね、と思わせてくれる一冊です。
(Have fun!)