たまたまTVで見たドラマ「宙わたる教室」が面白かったので、原作者(伊予原新)の別の小説
「青ノ果て・花巻農芸高校地学部の夏」(伊予原新著 新潮文庫 Kindle版)
を読んでみました。
これ、思いがけず宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」にまつわる話でした。
しかも花巻農芸高校の生徒たちの青春ストーリーです。
以前、ここで紹介した「この夏の星を見る」辻村深月著(2023年7月24日の記事参照)
にも共通するテーマで、私はよく宇宙とシンクロするなあ、と思ったのですが、それはさておき、
私も若い頃、宮澤賢治にハマっていた時期があって、何度か花巻も訪れています。
当時はまだ宮澤賢治記念館のようなものはなく、まだ健在だった宮沢清六氏のお宅を訪ねて、当時の写真など見せていただきました。
「銀河鉄道の夜」に登場する「天気輪の丘」とはどこなのか、そして、「天気輪」とは何なのか、という話も散々友人たちとしました。個人誌「天気輪」を出していたのもこの頃のことです。
この本の中で圧巻なのは、やはり宮澤賢治論でしょう。
天気輪の丘はどこで天気輪の柱とは何なのか、イーハトーブとはどこからどこまでをいうのか、カンパネルラが死なない世界はあるのか・・
花巻農芸高校地学部員たちは、こうした疑問を胸に、夏休みに宮澤賢治の足跡をたどる旅を始めるのです。
その旅の中で、主人公壮多、壮多の幼なじみ七夏、転校生深澤の3人の関係が明らかになっていく、というストーリーで、最後の方はかなりドキドキさせられます。
「銀河鉄道の夜」の登場人物たちと重なる彼らの運命や如何に?
という感じでね、なかなか面白かった。
宮澤賢治の童話や詩のエピソードがいっぱい散りばめられていて、賢治ファンにはたまらない小説だと思います。
「宙わたる教室」は、これもまた理科の先生が登場する話なのですが、舞台は定時制高校。私も昔定時制高校に勤めていたことがあるので、なつかしいなあと思いました。
というわけで、伊予原新の他の小説も読んでみようと思っています。
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