寝転んで空を見る

山高きを厭わず 海深きを厭わない

2011夏の大縦走~立山から上高地へ~ (2nd Day)

2011年08月18日 | 2011北アルプスの旅

7月30日3:45分頃、Dewの曲クロノスで目を覚ます。

(ウォークマンのイヤホンは耳栓代わりになってGood)

昨日からの雨は止まず、この日の朝も雨。

テント内でお湯を沸かしアルファ米『西尾食品の山菜五目御飯』を食べる。

西尾食品、パッケージは地味だが中々に美味い!

種類が豊富なサタケより、美味いんじゃないだろうか?侮れない!

雨が降っているので、なかなか外に出る気にならない。

8時近くまでグズグズしていたが、そうもしていられないので雨の中テントを撤収、この日の目的地『五色ヶ原』を目指す。

先ずはテンバから玉殿湧水へ向かい、ハイドレーションに水を入れる(テンバの水は塩素臭い為)

其処から五色ヶ原へ向かう訳だが、一般コースタイムで表すとこうなる ↓

雷鳥沢テンバ→1:25→玉殿湧水→0:50→室堂山2668m→0:20→浄土山2831m

→2:00(竜王岳2872m鬼岳2750mを巻き)→獅子岳2741m→0:50→ザラ峠→0:40で五色ヶ原

計6時間5分の道のり

Img_0207 立山のミクリガ池 

水を補給して室堂山荘前まで行くと、ツアー登山者らしき人達を多く見かける。

おそらく立山三山へ行く人達、俺とは反対の道を行く。

室堂山山頂手前の小さな雪渓を渡って、浄土山・竜王岳の辺りから鬼岳まではガスの中を歩く、

この間、人の姿は見無かった。

鬼岳付近で先行している人達に追いつきだして、幾つかのパーティーに遭遇、挨拶と会話を交わす。

その中にテント泊で五色ヶ原だったか薬師岳を目指す20~30代?女性3~4人のパーティーも居た。

最近の山ガールは凄い。

この辺りで大きな雪渓を二度渡った。

Img_0213 渡っているのは、上記の女性達

この雪渓、遥か雲の下まで続いていて、巨大な滑り台の様だった。

『この荷物でこけたら、止まんね~なっ・・・』そう呟いた。(でも、チョッピリ滑って見たい気もあったりする)

12時半過ぎ、『獅子岳2741m』へ登頂。

この辺りで雨が止む。

Img_0214 獅子岳山頂2741m 

此処で休憩を取っていた50~60代の男女数人のパーティーと遭遇。

『おにいちゃんもスイカ食べる?』と聞かれたので有り難く頂きました。

シャーベット状に凍らされたスイカは、そりゃーもう最高に美味かった!

(糖度何十とか言ってたな・・・ハイドレーションの水はシリコン臭くて辟易していたので、スイカが尚更に美味く感じた)

この方達は、地元富山の人達で『家じゃ子供に相手にされないから、皆で山に来た』と言っておられた。

曰く『みんなの憧れ』五色ヶ原が最終目的地だそうだ。

人生最高のスイカを食べて元気百倍の俺は、富山の方達にお礼を告げて先を行く。

『獅子岳』からの急坂を約400m下り、『ザラ峠2348m』へ到着。

Img_0216 ザラ峠2348m 

この『ザラ峠』、今から400年以上の昔、織田信長の家臣で越中(現富山県)を治めていた佐々成政が、信長の死後羽柴秀吉と対立。

秀吉に対抗する為に、当時三河・遠江・駿河・甲斐・信濃を治めていた徳川家康と同盟を結ぼうと、佐々成政自ら厳冬期のアルプス越えを成した場所なのだ。(佐々成政のサラサラ越え)400年も昔、しかも厳冬期にここを越えたってのは信じられない位、凄い事だ・・・。

しかも帰りも通ったらしい。

秀吉方の能登の前田と越後の上杉に前後を挟まれ絶対絶命だったのだろう。

しかし、同盟は家康に断られて帰る事に・・・。(なんてこったい)

現在でも富山県と長野県を結ぶ道は、登山道以外には『立山アルペンルート』しか存在しない。

『ザラ峠』での休憩中、この旅で初めて晴れ間が顔を見せた。

Img_0217

休憩を終えて、『五色ヶ原山荘と五色ヶ原キャンプ場への分岐』へ向け40分の道を登りだす。

よく、山では『せっかく登ったのに、また下るのか』と呟く人を見かける。

確かにキツイ、『ピークとピークに橋でも架けといてくれ!』と思うこともしばしば。

でもそれを繰り返しピークを踏んで行くのが縦走登山だから仕方が無い、みんなMだ(笑)。

道中振り返ると、ザラ峠で休息中の人達とその後ろに頂を雲に包まれた『獅子岳』が・・・。

Img_0221 見下ろす『ザラ峠』

あと数歩で登りきる。

ついに五色ヶ原・・・

Img_0220

と思いきや、この先もまだ登りがつづく・・・これも山では良くある事。

此処が目的のピークと思い登りきると、次のピークが目に映る。

少し前に振り出した雨の為に着たレインウエアーを、また此処で腹立たしげに脱ぐ。

そして更に登って今度こそ、五色ヶ原へ。

Img_0227 やっと五色ヶ原の木道へ

『五色ヶ原』はその名から想像できる通り、花の楽園。(雨に濡れカメラが不調の為に写真少なし)

標高2000mを越える地にある高層湿原で、岩・花・湿原・が点在する広大な庭園の様な地だ。

残念ながら木道に到着すると御覧のようにガスに覆われてしまった。

Img_0230 お花畑 クリックでポップアップ

Img_0231 クルマユリだったかな?

木道を更に20分位木道を歩いただろうか?15時過ぎにテンバに到着。

Img_0233 翌朝撮影のテンバ

テントを設営、設営料500円・水場あり0円・トイレ0円。

広々としており景観のいい良いテンバだが、トイレが臭い!

おまけに大きい方は、もれなく御釣りが帰ってくる始末・・・。

テクニックと経験が必要だっ!

テント設営後、黒部湖方面への道へ往復40分程度の散歩をした。

両脇にチングルマが群生した木道が続いていて、中々に素晴らしい景観。

テンバに帰ると、道中追い越した山ガールさん達も到着してたいた。

テントに入りりパンツとシャツで寛いでいると、山小屋の従業員が設営料の徴収に来た。

山小屋とテンバが離れている為、明日払えば良いと思っていたが、手続きがメンドクサイのでラッキー。

18時過ぎに夕食を食べた(昼食は抜き)

(因みに、この旅では寝る前にアミノバイタルプロとDHCの総合ビタミン剤を飲んでいる)

余談だがこの山旅でほぼ毎日、寝る前にウォークマンで曲を聴いていたのだが

秦基博の曲『やわらかな午後に遅い朝食を』に

『やがて潤む西の空の向こうに 辿り着ける答えが あるかも知れないね』

『だとしたら 明日吹く風の中に 一人僕は 迷わず 行けるのかな』

こんな歌詞があり、山を行く自分の心とピッタリ重なってこの曲が好きになった。

19時過ぎから、そんな曲やDewの曲を聴きながら依然濡れたマットの上で就寝。

今日はスタートが遅すぎたので、明日は早く行動開始する心算。

翌日は、『スゴ乗越テンバ』を目指す。

                                                    つづく