気がつけば冥途に水を打ってゐし 飯島晴子
白椿そこは鬼のあつまる木 松本恭子
げんげ田に殺すあそびの紐来る 熊谷愛子
万緑や死は一弾を以て足る 上田五千石
気がつけば冥途に水を打ってゐし 飯島晴子
空蝉の生きて歩きぬ誰も知らず 三橋鷹女
曼珠沙華消えたる茎のならびけり 後藤夜半
菊白く死の髪豊かなるかなし 橋本多佳子
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★詩の紹介★
ベンチから見えたもの 矢野 徹
地上に何かが落ちた
続いて鳥が落ちた
鳥が飛び立った
続いて何かが飛び立った
鳥が何かを落とした
何かが鳥を落とした
鳥が何かを食べた
何かが鳥を食べた
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