透水の 『俳句ワールド』

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一行詩の紹介       高橋透水

2014年02月21日 | 俳句・短歌・評論・俳句誌・俳句の歴史



 春だ、耳の貝を毀し、口づけしよう      かげろう

 樹になりきろう。春の育つのが解るから     洋平

 裏切りなさい!しょせん春聞なのよ    みずほ


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破滅(ボードレール)悪の華より

  絶え間なく余の傍らを動き回る悪魔が
  透明な空気のように余にまとわりつく
  飲みこむや それは余の肺をこがし
  罪深い永遠の欲望で満たす

  余がこよなく美を愛するのを知って
  女の中でも飛び切り美しい姿をとり
  偽善的でもっともらしい言い訳をいいながら
  余の唇にいまわしい媚薬をこすりつけるのだ

  悪魔は神の視線を避けながら
  疲れてあえぐ余を導き
  寂れ果てた倦怠の荒野へと連れてゆく

  そして困惑した余の目の中に
  汚い衣装や開いた傷口
  血なまぐさい破滅の数々を投げ込むのだ  
  
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