結婚(けっこん)とは男女が夫婦になり、性的結合・愛・情などを基礎とした社会的経済的結合を継続すること。
概要
結婚の定義はいくつかある。
社会的結びつき
経済的結びつき
人間的結びつき
これらの根底にあるものは「契約」という概念である。親子の関係はタテの関係であり、生まれたら自動的に関係付けが発生し、原則的に一生の間不変である。一方、結婚というのは男と女が結びつくヨコの関係であるとされる。一般的に血縁関係にない男女であるので、結び付きは契約的になる。したがって、結婚の解消というものがあり、これを離婚という。ただし、日本以外の一部の地域では、男性同士や女性同士の同性結婚も法的に認められている。
結婚は必ずしも同居を伴わず、単身赴任等で離れて暮していても婚姻関係は存在する。つまり親族以外の両性の心理的経済的繋がりが婚姻状態であると言える。また、内縁関係であっても、実際に夫婦関係が構築されているのであれば、結婚と同様に扱われるため、法的な婚姻関係のみを結婚と呼ぶことはできない。
結婚することをマスコミでは「入籍」と表現する場合が多いが、戸籍上では初婚のカップルに対して「入籍」と言うのはあまり適切ではないと考えられる。初婚の場合、元々お互いが入っていた親の戸籍から離れて新しく戸籍を作り、そこに2人が構成されることになる。また、新生児や養子を戸籍に加えることも、結婚と同じく入籍の一種であるため、一概に結婚のことだけを入籍と呼ぶのはあまり正確な表現ではない。ひどい場合には、「婚姻届を出した」ということを、「入籍届を出した」と表現されることがあるが、入籍届は離婚時に子が別な戸籍に入るための物であり、婚姻届とはまったく別の物である。
日本の結婚年齢の上昇と未婚者の増加
平均結婚年齢は年々上昇し、非婚化・晩婚化が蔓延している。この原因を、女性の高学歴化や社会進出(賃金労働者化)などに求める人もいる。また、「結婚することにより一人前になった」といった価値観を持つ人の減少、そして「家系の存続のため」といった義務感よりも、「各人の自由で、したいから結婚する」といった考え方が定着するようになり、結婚出来る年齢に達した独身者に対し周囲が縁談を持ちかけて結婚させるということが少なくなってきているということも考えられる。しかし、地方に限らず、このような価値観が根強く保たれているとの指摘もある。
さらに、結婚しても子供をあえて作らない夫婦(DINKS)も存在する。これは女性にとって出産することが必要不可欠なことであると感じなくなってしまったと言うことができ、男女双方にとっても経済的負担などを考えた時に、必ずしも自分のライフプランに子供が必要だと思わなくなってきたと考えることもできる(自然淘汰)。
異性を愛することは本来、生殖行動を伴い、出産することが当然とされていたため、結婚することは当然であると考えられていたが、最近では女性の社会進出(賃金労働者化)などの社会変化以外にも避妊の定着により、出産を前提としない性交を行うことが常態化してきており、結婚そのものに関心を示さないカップルも増えている。日本の高すぎる人口密度を改善するという観点では、非婚少子化は悪い傾向ではないという意見もある。
※収入と結婚も参照
日本の平均初婚年齢の推移
(厚生労働省統計情報部『人口動態統計』より)
年 男性(才) 女性(才)
1950年(昭和25年) 25.9 23.0
1960年(昭和35年) 27.2 24.4
1970年(昭和45年) 26.9 24.2
1980年(昭和55年) 27.8 25.2
1985年(昭和60年) 28.2 25.5
1990年(平成2年) 28.4 25.9
1995年(平成7年) 28.5 26.3
2000年(平成12年) 28.8 27.0
結婚制度の形態
一夫一婦制
一人の男性に対して、一人の女性という結婚形態。中東の一部を除き、近代国家は、ほぼこの婚姻制度を採用している。近代国家形成の中心となった欧米のキリスト教社会の婚姻制度が、近代文明の波及によって世界的に広まったものである。ヨーロッパでは夫婦はともに貞操義務を持つが、戦前の日本では妻のみに貞操義務を要求された。
一夫多妻制
一人の男性が複数の女性と婚姻関係を持ってよい形態。中東のイスラム教の伝統が残る社会で一般的。また、アメリカ合衆国のモルモン教徒もかつては、一夫多妻制を採用していた。ただしこの制度を採用している地域の男性住民のすべてが多数の妻を持っているわけではない。イスラム教の一夫多妻制は、聖戦によって男性が戦死する可能性の高かったため、未亡人や遺児の生活を保障するために始まられたとされる。複数の妻が持てるのは経済的な余裕のある男性に限られる。現在でも残る中東の一夫多妻制は、欧米からは、男尊女卑の温床だと非難されることもある。
一妻多夫制
一人の女性が複数の男性と婚姻関係を持つ形態。現在この結婚制度を正式に法的に採用している国はないがチベットなどで妻が複数の兄弟を夫とする慣習がある。
集団婚
互いに特定の相手を定めない婚姻形態。19世紀の学問では、私有財産制度が発生する前の原始社会では広く行われていたと考えられていたが、最近の文化人類学や考古学の知見からは、その存在が疑問視されている。
言葉で説明すると「結婚」って何か、不思議。