旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

握りまでたどりつかない鮨処 「明鏡止水」

2020-06-11 | 日記・エッセイ・コラム

 久しぶりに握りまでたどりつかない鮨処へ。今日は初夏らしく「生酒」で攻める。
先ずは "明鏡止水 甕口生原酒" を択ぶ。フレッシュ且つガツんとした呑み応えの酒だ。

蔵元の大澤酒造は信州・茂田井、中山道の間の宿、2012年秋、中山道を歩いて訪ねた。
茂田井の集落は水路を巡らせ、静粛な町並が江戸の風情を感じさせる。

今宵は好物の "平目の昆布締め" があって幸せ、"鰹" の赤が美しいでしょう。
"しめ鯖" はガリを大葉で包んで一緒に海苔で巻く、甘味と酸味が調和して、これ絶品。

二杯目は "大入ひっぱりだこ"、ファンキーなラベルはキレのよい辛口酒の限定生酒。
鈴鹿山系の伏流水と美味しい近江米に恵まれてた旧東海道筋の北島酒造は、2018年秋、
草津線を呑み鉄した折に訪ねている。これまた嬉しい再会なのだ。

"ハマグリの酒蒸し" は岩塩で食して美味しい。
希少なマグロの脳天 "ハチの身" をねぎま(葱鮪)で焼いて、やわらかな身にかぼすを絞る。
揚げ物は "とうもろこし" と "鱧"、これって夏の始めのハーモニーってところか。
択んだ酒がいずれも訪ねた蔵元で、妙に嬉しい握りまでたどりつかない鮨処の宵なのだ。  

 

ジェニーはご機嫌ななめ / Juicy Fruits 1980