旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

旅の途中 "青春18きっぷ" で 中部縦貫の旅

2011-08-06 | にいがた単身赴任始末記

 青春18きっぷを利用した帰省は中部縦貫ルート、日本海から太平洋まで縦貫する。
06:13 高田発
 トップランナーの普通列車長野行きに乗車。
天気は良好。高田から妙高高原までは、車窓右手に常に妙高山を見て勾配を上る。
県境を越えると黒姫。ガラガラの車両は徐々に通勤通学客を呑み込み、満員で長野へ。

08:17 長野発
 遅い朝食は5番ホームの裾花亭で “野沢菜・山菜そば” をすする。
しなの鉄道は短い3番ホームから。レッドとガンメタの化粧を施した電車で小諸をめざす。

09:58 小諸発
 小諸は北国街道沿いの町、懐古園、渥美清こもろ寅さん会館がある。
かつては20往復もの特急が停車した駅も、新幹線ルートから外れ郷愁のローカル駅。
4番ホームに待っていた新型のディーゼルカーに乗り換え、八ヶ岳山麓の高原に向かう。

 小諸を出ると、“乙女”、“美里”、小海線にはきれいな響きの駅名がある。
臼田を過ぎた辺りから、左右の家並が疎らになると、千曲川と寄り添うように走る。
信濃川上で千曲川と別れて列車は一気に高度を上げ、視界が広がると一面のキャベツ畑。

程なくJRで最も標高の高い駅(1,345m)野辺山に到着。

野辺山で途中下車。八ヶ岳を写真に収めたいのだが、雲がかかって姿を見せてくれない。

13:10 野辺山発
 野辺山始発の臨時列車小淵沢行きに乗車する。
列車はJR鉄道最高地点の碑(標高1,375m)を右手に見ると、一気に急勾配を駆け下りる。
清里は多くの乗降者があるリゾートの駅、甲斐大泉は落ち着いた別荘地の様相だ。
やがて列車は大きく左にカーブして中央本線と並走、標高差を徐々に縮めて小淵沢に到着。

14:07 小淵沢発
 駅弁を品定めするうちに、引き込み線に退避していた普通列車高尾行きが入線。
車窓に八ヶ岳を覆った真っ黒な雲と稲光を見ながら、"駅弁浪漫・やまのごはん" を開く。
うめ・みそ・栗おこわのおにぎり、マスの塩焼き・つくね・たけのこ・きゃらぶき・大学芋。
竹かごにはいって、見た目も楽しく、ちょっぴり懐かしい大人の味、お奨めです。

14:49 甲府発
 小淵沢から甲府までは40分程。
本当はこのまま新宿へ向かいたい所、もうひと捻り、身延線に乗り換え太平洋をめざす。
目的はそう “富士宮やきそば”、5番ホームから富士行きの電車に乗り込む。

電車は身延の手前からは富士川東岸を静岡県へ。車窓から富士山の姿は見えない。
暮れかかる富士宮の町は浅間大社の「富士山御神火まつり」で賑わっている。

縁日のたつマイロード本町の路地にオレンジ色の「富士宮やきそば」の幟を見つける。
「つぼ半」さんは、テーブルの鉄板で店のお婆ちゃんが焼いてくる。
コシの強い麺とキャベツを炒め、タコ・エビ・豚肉をトッピング、仕上げにイワシの削り粉。
冷えた生ビールを傍らに、熱々のやきそばを美味しくいただいた。

 店の外が騒然としてきたので、お婆ちゃんに教わったとおり大通りに出てみる。
御神火まつりは、浅間大社で採火した御神火を神輿に点火し、市内を練り歩く。
最後はこの火を神田川の水で清めクライマックスとなるそうだ。
御神火と共に神輿に乗った、さらしに法被姿の姐さんたちが格好良い。

19:25 富士発
 富士宮から富士までは20分、日本海から太平洋へ中部縦貫を達成。
ここからは東をめざす。まず普通列車熱海行きに乗車、さすがに東海道本線は大幹線。
速度も快適、乗り継ぎ時間も僅か。熱海駅、平塚駅で乗り換えて大宮まで。
ラストランはグリーン車で一杯やりながら。このルート、504km、16時間40分の旅だ。



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