8000系電車がゴトゴトと白田川橋りょうを渡ってくる。ここまで来たら下田まではもう少しだ。
伊東線を呑み潰したのは昨年5月、今回は続きの伊豆急線で、はたまた下田漁港で飲もうと思う。
白亜の壁面にスペイン瓦風のオレンジを乗せ、ロータリーにはフェニックス、どこまでも南国風の伊東駅。
JR線の終点であり、伊豆急線の起点であるけれど、そんなことを感じさせることもなく列車は直通していく。
5637Mが熱海方面から1番線に入る。6連の8000系はどうやら東急電鉄(東横線)からお嫁に来たらしい。
この車両、海側をクロスシートに改造している。ボックスの中心と窓の位置がズレているのがご愛敬だが、
小さなテーブルまで付いて吞む旅人には嬉しい。ついでにテーブル下に昔ながらの栓抜きがあるといい。
何故って、熱海や伊東で売っている地ビールがボトルタイプなのだ。
5637Mがガクンっと動きだしたら、早速 "SAPPORO静岡麦酒" を開ける。つまみは "ひとくちいわし" だ。
白田川橋りょうに今度は「サフィール踊り子」が差しかかる。サフィールは全車グリーン席の特急、
東京、新宿から伊豆急下田まで、快適で優雅、プレミアムなひとときを過ごせる。らしい。乗ったことはない。
ちょっと引いてR135の橋上から眺めると、白田川、サフィール、相模湾の「青」のグラデーションが美しい。
片瀬白田から伊豆稲取間は伊豆七島を望む海岸線を走る。際立つ相模湾の「青」に大島が浮かんでいる。
伊東から伊豆急下田までは普通列車でも特急でも1時間少々の乗車、350mlで丁度いい様な足りない様な。
5637Mは2番線に終着する。すぐ後ろからは「踊り子」が追いかけてきて、休日のホームは特急で賑わう。
駅前ではペリー提督が乗艦していた旗艦「サスケハナ号」の模型が、春にしては濃い影を落としている。
先ずは稲生沢川を渡って下田市魚市場へ、12時を過ぎて混み合う前に「市場の食堂 金目亭」をめざしたい。
市場の一角に設えたプレハブの味気ない造りだけど、金目鯛をはじめ新鮮な魚介が食べられる人気の食堂だ。
とりあえずは静岡の地酒、冷えた "花の舞" (遠く離れて浜松の蔵だけど)をキュっとやる。これが美味い。
人気の "金目三色丼" が着丼、平キンメ、キンメダイ、トロキンメが仲よく盛られて朱のどんぶりを賑やかす。
キンメたちはあらかた地酒のアテに刺身として堪能、ご飯は潮汁といっしょに掻き込むいつものパターン。
新鮮なキンメたち、やや辛の本醸造に、今回も満足の昼飲みなのだ。
稲生沢川河口をぐるっと回って「ペリー艦隊来航記念碑」で小さな旅を終える。初夏の陽射しに汗が噴く。
提督の背景には寝姿山、ロープウェイで展望台に上れば青々とした太平洋が望めるはずだ。
伊豆急行線 伊東~伊豆急下田 45.7km 完乗
夏の扉 / 松田聖子 1981
こんなに青かったんですねー(^^)
金目三色丼、旨そうです。
相模湾といってももう外海、太平洋と一緒ですよね。
ほんと、キレイな深い青でした。
機会がありましたら、金目亭、お試しください。
過分なコメントをありがとうございます。
普通列車はようやく伊豆急下田に着きました。
稲取の手間で唯一海岸線を走るのですが、
並走する国道を真紅のオープンカーが
追い抜いていった様ですね。
伊豆下田!私も5年前に 車で天城越えをして 行きました。金目亭も!美味しかったですよね。あんな日が戻って来るのはいつになるのでしょうか?他の
放浪記も楽しみに拝見します。
こんばんは。メッセージありがとうございます。
また、思うままにお出かけできる機会は、必ずきますとも。
流行り病が早く落ち着きます様に。
介護も大変なお勤めですね。頑張ってください。
花のスナップ、楽しんで拝見しております。