岐阜から豊橋へ濃尾平野を縦断して100kmのロングラン、名鉄・名古屋本線を往く。
ちょっと気恥ずかしいけれど、若い親子連れに混じって、先頭展望車に乗車してみた。
陽光溢れる天井ガラス張りの名鉄岐阜駅、名古屋本線は高架の1~4番線から発車する。
前方視界を確保するために、先頭展望車の座席にはヘッドレストとテーブルが無かった。
んっと失敗?折角買った缶ビールは発車前に飲んでしまわないといけない。
12:18、名鉄岐阜を滑り出した特急電車は、ほどなく木曽川に架かるトラス橋梁を渡る。
特急は名古屋、金山、神宮前と名古屋市中心部は3駅に停車する。
熱田神宮は熱田大神(=天照大神)をご祭神とし、創祀1900年の由緒がある。
折しも七五三詣での3世代で境内はいつもに増して賑わっている様だ。
弘法大師のお手植えと伝えられる大楠の近く、献酒の菰樽が並んでいる。
今日はどの酒に巡り合えるだろうか。
再びの神宮前駅、乗務員交代を終えた後続の特急に乗車して名古屋本線の旅は続く。
東岡崎でも途中下車、豊橋行きの特急を見送る。
信長が天下布武を揚げた岐阜に対して、岡崎は家康生誕の地、やはり見ておかないと。
東岡崎駅上には時代に取り残された様な「岡ビル百貨店」が。
昭和33年の開業のビルはまさに昭和レトロの遺産と云える。ボクにはなんだか嬉しい。
矢作川と乙を天然の要害とした竜頭山に、三層五階の天守が聳えている。
史実通りの復元とは云えない岡崎城だが、本丸の北側を守る空堀(清海堀)は素晴らしい。
岡崎のもう一つのスポットは「八丁味噌の郷」は、登録文化財の蔵を中心に見学ができる。
所要30分のガイド付きツアーがあるので、時間が許せば参加すると楽しい。
大分遅くなったランチは、釜揚うどん「大正庵 釜春」を訪ねる。
地酒はお隣安城市の "神杉"、冷で良し燗で良し、地元のオヤジさんの晩酌の酒だね。
"刺身こんにゃく" をアテに、柔らかくすっきりした淡麗辛口を呑みます。
メインの釜揚うどんをパスして "八丁味噌まぜめん" をいただく。
なんでも2012年発足の新しい岡崎のご当地グルメを作り出すプロジェクトだそうだ。
取り立てて美味いと云う程でもないけど、八丁味噌の風味を味わえる一品だ。
さて、東岡崎から豊橋までは藤川、赤坂、御油と旧東海道の宿場を繋いで30キロ。
来春は歩いて訪ねるだろう街道筋を車窓に眺め、名古屋本線の旅はラストランなのだ。
名古屋鉄道・名古屋本線 名鉄岐阜~豊橋 99.8km 完乗
逆流 / 長渕剛 1979