旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

日本最西端の駅と教会の尖塔と飛鸞と 松浦鉄道・西九州線を完乗!

2016-11-05 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

 07:04発の伊万里行きの単行レールバス、博多に向かう特急を背景に明るい朱色のラインが映える。
BOXシート独占と思いきや、発車間際にJR線から大勢の高校生が乗換えてほぼ満員。朝の缶ビールはお預けだ。 

佐世保湾はまもなく日の出を迎える。五島列島へ渡るのだろうか、年季の入ったフェリーが停泊中だ。
奥のバースにはアメリカ海軍か、海上自衛隊かは判らないが駆逐艦(護衛艦)の姿が見えるね。

松浦鉄道でのんびりと半島を巡る。とは云っても、航空機の時間もあるので少々早起きして佐世保駅だ。 

佐世保から単行レールバスに揺られること1時間半、東経129度35分。たびら平戸口駅は日本最西端の駅だ。
駅舎はちょっとした博物館になっていて、松浦鉄道の歴史が写真などで展示されている。

東洋と西洋の町並みが混在する平戸を訪れるには、平戸口桟橋からバスに乗って平戸大橋を渡る。 

「平戸オランダ商館」は復元したものだが、オリジナルは日本初の洋風石造り建造物(1639年)だという。
かまぼこ店やら菓子店やらが並ぶメインストリートは城下町の風情が滲んでいるね。 

息を切らして坂を上ると「平戸ザビエル記念教会」の薄緑色の外壁と鋭い尖塔が目をひく。
坂下の光明寺、瑞雲禅寺とフレームに収まる "教会と寺院が見える風景" は人気の撮影スポットだ。

森酒造場を訪ねる。ご主人に丁寧に酒蔵をご案内いただき、ご自慢の酒をたっぷり試飲させていただいた。
石高は小さく、平戸市内の旅館や飲食店でしか飲めない。広く卸してないそうだ。まさに地酒なのだ。
で、土産に "純米吟醸・幸橋"、車中酒に "飛鸞・生貯蔵酒" を仕込んだら、足早に駅に向かおう。 

後続の伊万里行きはガラガラで今度こそBOX席を独占。
昔ながらの売店で買った「チーかま」と「味このみ」をつまみに、早速 "飛鸞" のスクリューキャップを切る。
車窓を流れる海の風景を眺めながらひとり車中酒。けっこうご機嫌なのだ。 

伊万里駅では佐世保からの鉄路と、有田からの鉄路がV字に合流する。両線を直通する列車はない。
伊万里焼に伊万里牛、気になるアイテムはあるのだが、時間の関係で20分後の有田行きに乗車する。

ところで松浦鉄道では1日乗車券を販売している。途中下車しながらのんびりと、こんな旅には重宝するのだ。

今になって300mlが効いてきたようだ。もったいない話だけれど伊万里から有田の車窓はほとんど覚えがない。
20数分後、乗務員氏に肩を揺すられ松浦鉄道西九州線の旅は終わる。酒の余韻を残しつつ長崎空港へ向かおう。

松浦鉄道西九州線 佐世保~有田 93.8km 完乗



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