旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

メトロに乗って 約束の5秒前 半蔵門線を完乗!

2020-07-18 | 呑み鉄放浪記 地下鉄編

先週に続いて今日の目的地も渋谷、押上(スカイツリー前)から半蔵門線を旅する。
半蔵門線は北は東武日光線の南栗橋まで、西は東急田園都市線を中央林間まで、
長駆100kmを駆け抜けるなかなかタフなランナーなのだ。

北十間川から眺める下町の東京スカイツリー、川面に映る銀の尖塔が美しい。

押上の3番ホームから折り返しの急行中央林間行きが発車する。
営団時代からの8000系が健在、シルバーの車体にひくパープルの帯が妖艶だ。

3つ目の清澄白河で早速途中下車、江戸名物を求めて「深川釜匠」を訪ねる。
夕暮れを待てずに生ビール、"かにみそ豆腐" をアテに冷えた一杯を楽しむ。

こだわりの出汁で炊き込んだ "深川めし" が運ばれてきた。
あさりとしめじをがふっくらと、刻みネギと海苔を散らして美味しい。

江戸庶民の味を堪能して再び清澄白河、2番手の電車もパープルの10両編成だ。

日本橋三越を潜った電車は、大手町から永田町まで江戸城内堀を半周する。

九段下の駅を降りて 坂道を 人の流れ 追い越して行けば、

勢い余って、光る玉ねぎも追い越して、靖国の杜へ、

終戦の日も近いから、国を護ってくれた尊い先人たちの魂に手を合わせる。

歌舞伎の「てんつつ」が流れるのは半蔵門、国立劇場の最寄り駅だからね。
その国立劇場とR20を挟んで桜田濠が霞ヶ関方面に続いて、江戸城の規模を実感する。

東武線から遠征してきたオレンジのフェイスを見送って表参道駅に降りる。

明治神宮へと続く歩道には、ケヤキ並木の濃緑が往く人にせめてもの日除けを差しかける。

最後のひと区間を走り抜け、パープルの10両編成が渋谷に滑り込んだのは約束の5分前?

ウェーブ通りに紛れ込むと、雑居ビルのロフト的フロアにひっそりと日本酒バーがある。
YATA、八咫?打ちっぱなしのコンクリート壁にスチールの立ち飲みカウンター、
今宵、若いバーテンダー氏のお勧めに素直にしたがってみる。

一杯目は "残草蓬莱"、華やかな香りの槽場直詰生原酒は、愛川町の大矢孝酒造の酒。
山北町、川西屋酒造店が美山錦で醸した辛口の旨酒 "隆" が二杯目のグラスに注がれる。

相模の酒が続いて、初めましての朱のラベルは "車坂 山廃純米"、和歌山の酒だって。
キレの良い酸の酒は、揚げ物や肉料理にも合いそうだな。
梅雨明けの真夏日に、生酒を愉しんだ谷底の街は夕暮て、半蔵門線の旅が終わるのだ。

東京地下鉄・半蔵門線 押上(スカイツリー前)~渋谷 16.8km 完乗 

MajiでKoiする5秒前 / 広末涼子



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