1番ホームから会津若松行き快速に乗車する。ヘッドマークの "あかべぇ" が愛らしい。
磐越西線は郡山が起点だ。ここから会津若松をへて新津をめざして往く。
青春18きっぷで「呑み鉄」会津路の旅。旅番組を見て雪化粧した鶴ヶ城を見たくなった。
中通り郡山から見る西の空は鉛色、会津地方の天気予報は雪、さていかに。
ひと山越えて猪苗代湖畔に出る。田圃に雪は積もっていない。
楽しみにしていた磐梯山の雄姿は低い雲に遮られて見えない。残念。
快速は峠をふたつ越えて60分で会津若松に到着する。
1番ホームには張り子の "あかべぇ" が出迎えてくれる。駅頭には白虎隊士像だ。
若松市内の観光は、まちなか周遊バスが便利、1日フリー乗車券は500円。
時計と逆回りに周遊するこのバスは "ハイカラさん" だ。
戊辰戦争で新政府軍の猛攻に対し、一ヶ月の籠城を経ても落なかった難攻不落の鶴ヶ城。
特に三の丸あたりの濠や石垣が見事だ。(現在の天守閣は昭和40年再建したもの)
それにしても雪の気配が全くない。雪化粧した天守閣を期待していたのだが残念だ。
城下の割烹・郷土料理「田季野」を訪ねる。
平家落人伝説が残る檜枝岐村に伝わる「曲げわっぱ」に会津料理を盛り込んでくれる。
まずは会津坂下の酒 "飛露喜" を一杯、豊潤で美味い酒だ。
肴は馬肉を和えた "会津けっとばし焼" が絶品なのだ。
"ぜいたく輪箱飯" は、鮭親子、かに、竹の子、きのこ、ぜんまいが贅沢に盛られる。
会津若松駅に戻って磐越西線の旅後半、新津行き各駅停車に乗車する。
喜多方から先は非電化区間なので、列車は2両編成の気動車だ。
磐越西線は会津若松でスイッチバックになっていて喜多方方面へは折り返す形になる。
喜多方から西へ転じて山都からは大河阿賀野川に沿って日本海を目指す。
余談ながら山間の町山都は蕎麦が美味しい。
新潟赴任時代はときおり蕎麦を食べに750ccを飛ばして来た。懐かしい。
車窓は夕暮れを迎えてみぞれ混じりの雪が降り出している。
会津若松から新津までは150分のロングラン、乗務員も交代しないハードな区間だ。
五泉から部活帰りの高校生を満載して、気動車はとっぷり日が暮れた新津に終着する。
磐越西線の終点新津は、信越本線と羽越本線、磐越西線がX字に交わる鉄路の要衝だ。
さて、これから東京へ戻るのがまた長いのだ。
<40年前に街で流れたJ-POP>
ファンタジー / 岩崎宏美 1976