峠越えは旅のアクセントだ。
ピークを越えた途端、或いは長い長いトンネルを抜けると、突然、眼の前が開けて、さっきまで喘ぎ喘ぎ上ってきた路とはまったく違った世界が広がる。景色だけではない。まぶたに感じる陽光の暖かさであったり、ほほを撫でる風の優しさや厳しさだったり、びこうを擽る草木の匂いであったり、からだ全体で飛び込んだ別世界を感じる醍醐味が峠にはある。
とは云っても、新幹線や高速道路は峠のはるか下を長大トンネルで駆け抜けてしまうし、スイッチバックで上って越えるローカル線だって最近は冷房が効いているから窓を開けるのは憚られる。せめて峠へと続くワインディングロードはエアコンをOFFにして少し窓を開けよう。歩いて峠を越える旅もたくさんしたけれど、峠を堪能するのにはやっぱり単車が一番だ。
峠越えを堪能するには、どちら側から走るかが重要なポイントだ。越える山の断面は必ずしも二等辺三角形ではないからだ。新潟県小出から福島県只見へと越える国道252号線の六十里越峠に関して云えば、断然新潟県側からのアプローチが良い。入広瀬からいつ果てるでもない長く緩い勾配が続く。並走するJR只見線がトンネルに吸い込まれる辺りからつづら折りとなる。自然のなりゆきで潜ったトンネルが意外と長いなと感じていると......
トンネルの出口はまるで道路が空に飛びだすかのように広がった。眼下には雪解け水を満々と湛えたエメラルドグリーンのダム湖が横たわっている。新緑が芽吹くころ、久しぶりに単車で旅に出たいと思う。
峠を登り切ったこの景色は素晴らしいです。
私も学生時代は単車に乗っていましたが、遠出はしたことがなくて、
単車を連ねて疾走している人達が羨ましかったです。
私も男だったら、ずっと単車乗りで、こんな絶景を堪能出来ただろうなあ、
と女に生まれたことがちょっと残念だったりしています。
また新緑の頃に単車での旅、私も楽しみに待っています。
突然に失礼しました。
いつも拝見させて頂いておりましたが、
あまりの絶景に、単車が良く似合っていましたので、
嬉しくなって飛び入りさせて頂きました(^_-)-☆
私は免許は手にしたものの、乗る機会を持たずに学生時代を終えました。何年か前に新潟に単身赴任した折、若い頃の夢をと単車を手に入れました。
実際に新潟にお住まいになった時期はありますか。海あり山あり食ありの素敵なところですね。そんな新潟を単車で巡りました。
六十里越峠もその頃の想い出です。
冬は雪で大変だったことでしょう。
私は高校卒業までの18年間と、結婚前に勤めた2年間を
合わせて20年間を新潟で過ごしました。
その間の思い出は、やはり、良くも悪くも雪ですね。
同僚、先輩たちとスキーに行ったことが良い思い出の筆頭です。
その頃に単車に乗っていれば!と残念な思いがあります。
私の分も、これからの単車人生を楽しんで下さい。
事故には充分に気をつけて下さいね(^_-)-☆
私はと云うと、新卒で8年、その後単身赴任で2年と3年、新潟で勤めました。ざっと会社生活の半分は新潟暮らし、浅からぬ縁なのです。
多くの方に支えられ、お付き合いいただいて今があると思っています。