東山に連なる三十六峰最南端の霊峰稲荷山(233m)、その頂へと朝霧湧き立つ幻想的な伏見稲荷大社を訪ねた。
秋の乗り放題パス(連続する3日間)を握りしめて呑み鉄の旅、三日目は京都から奈良へと奈良線を潰そう。
凛とした空気に包まれた早朝の京都駅、ホテルのガラス壁面に京都タワーが映り込む。映えって感じでしょう。
先ずは1611M城陽行きに飛び乗る。観光客に登山客それに部活の中高生を乗せて満員の電車が出発する。
ひとつ目の東福寺で驚くほどの降車客があるのは京阪電車への乗り換えがあるからだね。次が稲荷駅だ。
深く一礼をして鳥居を潜る。三十六峰から昇った秋の陽に逆光となって、堂々たる楼門がひときわ朱い。
伏見稲荷にはどれだけの「白狐」が居るのかは知らないけど、本殿前の一対は取り分けて立派だ。
一方は金の稲穂を咥えているんだけど、これは稲荷大神様はもともと五穀豊穣の神様だからだそうだ。
朝霧の中をどこまでも続くかのような「千本鳥居」の朱塗りが美しい。でもこの静けさの中では畏怖の念が勝る。
ガタガタとガーダーを鳴らして613Mが宇治川橋梁を渡る。桁下を水量豊かな宇治川(淀川本流)が大阪湾をめざす。
08:27宇治着、二度目の途中下車をする。駅舎は当然に平等院鳳凰堂をモチーフにしている?のだそうだ。
奈良線を旅するならやはり宇治も歩いておきたい町だ。
駅を背にして歩き出す。宇治橋通りに出ると老舗中村藤吉本店に突き当たる。堂々たる暖簾が掛かっている。
抹茶の “生茶ゼリイ” が楽しめるカフェは10:00開店というのに、もう女の子たちが並んでいるね。
通りが宇治川に突き当たる橋の袂に紫式部、ご存知の通り源氏物語の最後の十帖は宇治を舞台に描かれている。
この世に極楽浄土を表現した「宇治平等院鳳凰堂」が優雅なその姿を宝池に映して美しい。
呑み人としてはいつもの事ながら、極楽浄土の楽団 “雲中供養菩薩像” を飽くまで眺めるのが愉しい。
2603Mが滑り込んできた。京都〜奈良間を45分で駆ける “みやこ路快速” は宇治で各駅停車を追い抜く。
奈良線の車窓も宇治を過ぎると明らかに緑が濃くなり、一方車内は停車駅ごとに空いていく。っでプシュ。
かつて京阪神間を新快速として鳴らした221系は転換クロスシート、呑み人としては嬉しい仕様なのだ。
三重県の青山高原を源に発した木津川を渡ると旅の終わりは近い。実は奈良線は奈良には辿り着かないのだ。
片町線(学研都市線)、奈良線、関西本線を束ねて木津駅が奈良線の終点。地図上で見ると畜産用のフォークだ。
“みやこ路快速” はこのまま関西本線に入って、奈良までの7kmに魂のラストスパートをかける。
結局、後続の “大和路快速” で奈良まで足を延ばす。木津の町では昼飲みは出来ないからね。
先ずは “生ビール” それに “豚キムチ”、ちょっと酸っぱい。JR奈良駅には「ゆるり」って昼飲み酒場がある。
脈絡もなく和に転じて “きざみ奈良漬” に “まぐろ山かけ” を、やっぱりこんなアテがいいね。
奈良の地酒 “豊祝” はキレの良いまろやかな味わいの純米酒、奈良漬を相手にそれこそユルリと呑みたい。
こんどは “吟醸 朱雀門” がグラスから零れる。これも同じく奈良豊澤酒造の酒だ。
七味を振って甘辛い “カツとじ” がアテ、華やかな吟醸香をスッキリと流したら、この奈良線の旅を〆るのだ。
奈良線 京都〜木津 34.7km 完乗
<40年前に街で流れたJ-POP>
Oh!クラウディア/ サザンオールスターズ 1982
奈良には たまに 近鉄特急に乗りました。
京都タワーの映り込み
いつも左側しか見ていなかったので
今度右側もチェックしてみます。
https://blog.goo.ne.jp/tsakaegoo/d/20181026
いつも素晴らしい旅のご様子、楽しく読ませていただいております。私も先日京都へ行きましたので、伏見稲荷など感慨深く拝読いたしました。
奈良漬と日本酒の取り合わせは最高ですね!
奈良へは近鉄特急が便利ですよね。
私もこんな遊びをしているからこその
実ははじめての奈良線の乗り通しです。
コメントありがとうございます。
とてもよい時期に京都にお出掛けでしたね。
紅葉の見ごろでとても羨ましいです。
奈良漬けがこんなにいいアテになるとは思いませんでした。
京都は何度訪れても、飽くことないですね。
コメントありがとうございます。
檸檬堂、旅に出ると最初の一杯によく飲みますよ。
なかなか美味しいですよね。
今は車中で呑めるシチュエーションってなかなかありません。
結構苦心しながら愉しんでおります。
コメントありがとうございます。