2014年のノーベル賞授賞式が10日夕、ストックホルムのコンサートホールで開かれ、物理学賞の赤崎勇・名城大終身教授(85)、天野浩・名古屋大教授(54)、中村修二・米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授(60)の3人がメダルと賞状を授与された。
「20世紀中は困難」とされた青色発光ダイオード(LED)の基盤技術を赤崎氏と天野氏が開発し、中村氏が実用化への道を切り開いた。“奇跡のブルー”は省エネルギーで地球温暖化対策に貢献し、これからの社会を大きく変える可能性を秘めるという。まことにすばらしい偉業であり、昨年の山中教授に続く受賞は、日本の頭脳の優秀さを広く世界に知らしめたであろう。
各テレビ局のワイドショーでは連日、3氏に関連するニュースで盛り上がっている。赤崎氏は見るからに学者という感じで、その真面目でひたむきな姿勢は、海外の科学者たちからも尊敬を集めているという。
今回、特に注目されているのは天野氏である。学者というとしかめ面をした難しい人という印象が強いが、この方はいつもニコニコ、記者の質問に答える態度にも親しみが感じられる。また、奥さんがすばらしい。京都大学卒の才媛で、英語、ロシア語、フランス語など多くの言語に堪能。13歳の時に読んだ「カラマーゾフの兄弟」に感動し、ロシアに住むという夢を実現するために名古屋市でロシア語の勉強したという。現在、ロシアのノヴォシビルスク国立教育大学で日本語の講師をしており家にいないため、家事は夫である本人が行っているという。長女は京都大学、長男は東京大学在学中だとか。天野氏の謙虚で、飾らない人柄もすばらしいが、聡明で明るい夫人や子ども達の仲むつまじい姿に、ほのぼのとした家族愛を感じる。
赤崎氏は2011年に文化勲章受賞、天野氏と中村氏は今年秋に受章している。なぜ米国籍の中村氏が…という疑問があったが、平成26年11月4日官報では、「アメリカ合衆国人 中村修二 文化勲章を贈与する」とされており、日本人として「文化勲章を授ける」とされた他の6人の文化勲章受章者とは明確に異なる取扱いがなされているそうである。
中村氏については、徳島の日亜化学工業との裁判沙汰が記憶にある。中村氏は昭和54年に日亜化学に入社、平成5年に青色発光ダイオード(LED)の製品化に成功。だが、退職し渡米した12年以降、数百億円に上る発明対価をめぐって同社と訴訟合戦となった。中村氏は受賞が決まったときの記者会見で、「怒りが私の研究の原動力だ」と述べたが、その「怒り」とは、暗に日亜化学との確執を示していることに他ならないだろう。
だが、ノーベル賞受賞を契機に「青色LED開発は日亜の貢献が大きく、製品を社会に浸透させたのは日亜の小川英治社長の力だった」と考え直し、関係を改善したいと思うようになったという。中村氏は「人生は短い。けんかしたまま死にたくない。共同研究など将来のことを話したい」と日亜化学に呼びかけた。
しかし、日亜化学側は拒否。「中村教授は15年前に弊社を退職された方で、弊社は中村教授に何かをお願いするような考えは持っておりません。中村教授が貴重な時間を弊社へのあいさつなどに費やすことなく、物理学に大きく貢献する成果を生みだされるよう、お祈りしております。」と述べた。これは痛快! 言い方は丁重だが、皮肉とも受け取れる内容である。だが、日亜化学の気質、気概が感じられて小気味良かった。
また、中村氏の言動にはいささか不快感を覚えた。授賞式の後、日本人記者団にメダルについて感想を求められると、「ただの金属」と一言。事前の会見では「我慢して(授賞式関連の)行事をこなしている。早く日常の生活に戻りたい」と述べたという。ノーベル賞受賞がうれしくないなら受賞を辞退すればよかったのに…。功績だけでなく礼節、品格が備わってこそ人から尊敬されるのだが、はっきり言って好感度ゼロ。
余談だが、メダルは本物が1個だが、レプリカを3個注文できるらしい。赤崎氏も天野氏も3個注文、お世話になった大学など関係先に贈る予定だとか。この栄誉は自分1人だけのものではない、そういう謙虚な気持ちの表われだろう。ちなみに中村氏は注文していないそうである。
そうですよね。知識だけの學者では人間としての資質を問われますよね。
謙虚で他を思いやる配慮をとワイドショーを楽しんでいる民衆は望んでいるもので~す。
まあ、古今東西変人奇人の偉人伝は多いものですが
どんな偉い人でも謙虚で、驕り高ぶらない人に好感を覚えます。内心はどうであれ、栄えあるノーベル賞を受賞するからにはそれなりの敬意を払うべきでしょう。
米国人になっても日本人の礼節は忘れてほしくないです。
どうでもいいようなものの、こういった人を見ると不快で仕方ありません。
みるとこちらまで心がホットになりました。
あれほど研究成果が評価され、世界の「中村」に
昇り詰めたのですからもうそれに相応しい度量を
備えてほしいです。
これまで日本人のノーベル賞受賞者にあまり関心はありませんでした。でも、田中氏や山中氏のような謙虚な人柄には親近感を覚えて、素直に祝福したくなります。
米国で研究を続けることはよしとしても国籍まで変えるとは、日本を捨てたも同じです。中村氏がこれからどんな功績をあげても日本の利益に寄与することにはならないのではと思うと、そんな人に日本の文化勲章を授与するなんて賛成できません。
こういう人は一番嫌いです。