私は20代の終わり頃からアレルギー性鼻炎に悩まされてきた。それも寒暖差アレルギーで、春夏秋冬をとわず、1年中だから困る。夏は冷房の効いたところが苦手、冬は暖かいところから寒いところへ行くと、とたんにくしゃみと鼻水、鼻づまりという鼻炎特有の症状が起きる。だから、内服薬と点鼻薬は片時も離せないでいる。
先日、「鼻炎があればぜんそくに注意」という新聞記事を読んだ。実際の調査でもぜんそく患者の7割近くにアレルギー性鼻炎があることがわかったという。私も40代半ばでぜんそくを発症、25年近く苦しんできたから、アレルギー性鼻炎との関連説に疑いは持たない。
なぜ、鼻炎がぜんそくを悪化させるのか。まず、鼻がつまると、鼻粘膜のフィルターがないまま、気管支にアレルギー反応を起こす原因物質や、乾いたつめたい空気が入り込むため気道が刺激され、収縮につながりやすいという。鼻炎を軽く考えてはいけないということだ。
ぜんそくは子どもの病気と思われがちだが、子どものぜんそく患者が人口の7%程度であるのに対し、大人も3~4%を占めているという。大人のぜんそくの場合、とくに40歳を超えてからの発症が、半数以上を占めているそうで、大人になってから発症したぜんそくは治りにくいといわれている。
予防的治療は、現在、炎症の改善にもっとも効果があるとされているのは吸入ステロイド薬で、吸入器を使い、炎症が起こっている気道に浸透させるタイプの薬である。私が発症したころにはまだ吸入ステロイド薬などなく、点滴で発作が静まるのを待つといった具合だった。深夜、救急にかけり込んで、朝まで5本もの点滴でも治まらなかったこともある。
入院も3回経験したが、治療は点滴だけだったから入院は長引き、点滴の副作用で何度か辛い思いもした。発作が起きたときは「気管支拡張剤」を吸入、これは心臓に負担がかかるからと回数が制限されていた。毎日の予防としては、スチーム吸入器で咽喉を保護したり、蛇腹状の筒になっているスペーサーに薬剤を噴霧して、それを吸ったり吐いたりするという具合で、あまり効果はなかった。
そうしたある日、ネットで、2002年1月に発売されたばかりの「フルタイド」という吸入ステロイド喘息治療薬のことを知った。早速、かかりつけの医師にこの薬を使いたいと申し出たが、「発売されたばかりで、効果や副作用の点で完全かどうか、様子を見ているところで当院ではまた使用していない」と消極的な返事。だが、「私がモルモット代わりになります。この薬を使用して何かあっても絶対にご迷惑はかけません」と頼み込んで、使用を始めた。
「フルタイド」には副作用があり、主なものは口腔及び咽喉頭の不快感、むせ、疼痛、刺激感、異和感、それに嗄声。使用後は丁寧にうがいをするようにとあった。少しでも楽になれるならどんな薬でもいい、わらにもすがる思いだったが、使い出して約1ヶ月、なんと、あれほど頻繁に起きていた発作がピタリと止んだのである。
その後医師の指示で、2007年6月発売の吸入配合剤「アドエア(エアゾール型)」に変えて現在に至るが、この12年間発作は一度も起きていない。だが、吸入薬は長年使用していれば副作用は表れる。咽喉頭の不快感、違和感はまだしも、嗄声(しわがれ声のこと。正常な発声では,左右の声帯が正中で閉じ,規則的な振動をするが,なんらかの理由でこれが阻害されると,音色の異常が生じ嗄声が起こる)がひどくて、好きだったカラオケにも行けなくなった。
発作に比べれば嗄声くらいは…と諦めていたが、2ヶ月ほど前、ネットで、2013年11月に発売された「フルティフォーム」は副作用が少なく、それに変えたら咽喉の調子が良くなったという患者の体験談を見た。もしかしたら私も、と期待して医師に頼んで変えてもらった。1ヶ月もすると、咽喉の不快感、違和感は大分改善されたが、嗄声への効果はもはや手遅れらしい。まあ、苦しい発作から解放されただけでもありがたいと思わねば…。
たいへんでしたね。オールドレディさんの探究心が効果を上げる治療を見つけられ、本当に良かったですね。
数多い患者さん達にも朗報が行きあたりますように。
ぜん息の苦しさは本人でなくては分かりません。
普段、呼吸は意識しないでもできていますが、息を吸ったり吐いたりすることが自然にできないというのはもう地獄です。
発症した頃は情報も乏しく、ネットを始めてからぜん息患者の書き込みを探しました。おかげで良薬にめぐり合えたのです。
ネットには功罪がありますが、私はネットの書き込みに助けられたようなものです。
医学の発展により、いつかぜん息の完治もあり得ると思いますね。
鼻炎あり、アトピーあり、喘息ありと苦しめられました。
高度な治療分野があるのに「アレルギー」の
ような古典病はなかなかキメ手がありません。
これとていい治療が出来れば「健康保険」対策に
おおいに寄与するのになぁ・・・。
鼻炎、ぜん息などアレルギー体質の人が多いですね。それでもだんだんと新薬が発売されて、今ではうまくコントロールできるようになりました。
わたしは12年間一度も発作を起こしていませんが、薬は生涯服用しなければなりません。完治できれば医療費の節約になるのに。
こうした薬だけの患者には、異常がなければ3か月分か半年分の薬をくれればいいのに、2週間に一度では余計な診察料などもろもろが加算されます。
それを改めれば大分節約できるのに、医師の収入減になるからでしょうね。
その点、総合病院の医師は給料制だからでしょうか、一度にたくさん出してくれますけどね。