サイゼリヤとギャル曽根・・・

　ピザの生地から有害物質メラミンが検出され大騒ぎになったファミリーレストラン「サイゼリヤ」。その後、食べた覚えのあるお客にはレシートがなくても返金すると報道されると、連日お客が押し寄せたという。
　だが、こういうときには必ず便乗犯が現れるものだが、やはり……。千葉県立高校３年の男子生徒がウソをついて、サイゼリヤの３店から計約４０００円をだましとっていたというのだ。そしてこともあろうに、ネットの日記に「こんなことをしたらもうかる」と書き込んだところ、生徒の高校に問い合わせが相次ぎ犯行がバレたそうだ。
　情けない話だが、レシートがなくても返金可能ということになれば、あわよくばと不埒な考えを起こす奴が現れるのはいつの場合にもあり、サイゼリヤもある程度は覚悟していただろう。このように人の不幸につけこんだ犯行は悪質だが、そこはまだ子供だ。うまく行ったことを誰かに話したくてウズウズしていたのだろう。当然のことだがだまし取ったお金は返金、きつ～いお叱りを受けたそうだ。　

　国内で調達した安全な食材を使えばいいのだが、今や外食企業は原価の安い中国食材を使用しないでは経営が成り立たないという。アジア地域の中でも中国食材の使用が多いのは、近距離ということもあり、人件費の安さや加工費や輸送費などの面でもメリット大であるという。
　このサイゼリヤは、各種パスタ・ピザ、グラタン、ドリア、フレッシュチーズ、エスカルゴのオーブン焼きなど、本格的なイタリア料理を１品２００～３００円からという「超お手頃価格」で提供するのがウリで、今や全国で７７５店舗まで拡大しているという。
　だが、原燃料高や景気後退懸念により、外食産業も客足が減り始めているといわれ、このサイゼリヤも例外ではなかった。ところが、７月１８日にＴＢＳ系列で、あの大食いタレントのギャル曽根が、サイゼリヤのほぼ全商品（約７０品）を食べまくり、気に入った料理をランキングするという「ランキンの楽園」という番組が放送された。
　私もたまたま見ていて、本格的なイタリア料理が低価格で提供されていることに驚いたし、わが町の近くにないのが残念に思ったくらいだ。で、この番組放送後は連日お客が殺到し、ギャル曽根の見事な食べっぷりは「宣伝効果」抜群だったという。

　このギャル曽根は、どんな料理でもいかにもおいしそうに食べる。それでいて太らないのがうらやましがられ、また不思議がられ、若い人たちの間では人気があるらしい。
　先日、島田紳介の「行列のできる法律相談所」で、出演者の何人かが人間ドック入りしその診断結果を発表するという企画があった。おどろいたことにギャル曽根の胃の大きさは、レントゲン撮影の結果、食前と食後とでは大きな差があり、１０倍くらいに膨らむのである。そして食べてすぐに消化されるという特異体質は診断した医師も驚いていた。それに、消化のスピードが尋常ではないそうで、食べたらすぐに消化、排泄されるらしい。だから栄養分が身につく暇がなくて、太らないそうである。
　
　ギャル曽根のおかげで店は大繁盛、順調に売上げを伸ばしていたというが、何が起きるか分からないものである。なにはともあれ、おいしくて安価というのは一番の魅力である。