いろはにぴあの(Ver.3)

ピアノを趣味で弾いています。なかなか進歩しませんが少しでもうまくなりたいと思っています。ときどき小さな絵を描きます。

王子ホール賞受賞披露演奏会

2011年02月11日 | ピアノ・音楽
 今日は寒かったですね、雪でしたね。しかし今日は寒さも雪も吹き飛びそうな演奏会に行ってきました。王子ホール賞受賞披露演奏会です。昨年夏に行われたP○NAコンペティションで、優秀な成績をおさめられた方たちの演奏会です。将来性に満ちた演奏家4人の演奏です。しかも今回は、G級という級で金賞をとられたM子ちゃん(すみません、そう呼ばせてください)も出られるということで、絶対に行くのだと勢いづいていました。M子ちゃんの演奏との最初の出会いは広島のN区民文化センターのピアノ開きでした。目の覚めるようなモーツァルトと情熱的なリストを弾かれ、こんなにピアノの上手なお嬢さんがいるんだと驚いた記憶があります。それから広島、東京でM子ちゃんのソロやコンチェルトの演奏を聴く機会が数回ありましたが、どの演奏も素晴らしいものでした。昨年のG級決勝(関連記事1関連記事2)も聴きに行き、広島から来られていたKさんの縁で私もいつの間にかちゃっかりとお茶に顔をださせていただいたりした思い出もあります。その直前には金賞の集中力にあふれた見事な演奏を披露されていたのですが、話をしたら本当にかわいらしいお嬢さんでした。金賞をとられたときは自分のことのようにうれしかったです。(なので相当M子ちゃん寄りの記事になっていますがご了承いただけたらと思います)
 曲目も楽しみなものばかりで始まる前からわくわくしていたのでありました。

 プログラムは以下の通りです。

A.Mさん(G級銀賞)
ベートーヴェン:ピアノソナタ第26番変ホ長調 Op.81a 「告別」

M.Mさん(M子ちゃんです)(G級金賞)
ショパン:マズルカ 嬰ヘ短調 Op.6-1, 嬰ハ短調 Op.6-2、エチュード 変ト長調 Op.10-5「黒鍵」
リスト:バラード第2番 変ロ短調 S.171
カプースチン:「8つの演奏会用エチュード Op.40」より第8番「フィナーレ」

休憩

A.Mさん(特級銀賞)
シューベルト:幻想曲 ハ長調 D.760 「さすらい人幻想曲」

T.Uさん(特級グランプリ)
ショパン:ポロネーズ第7番変イ長調 Op.61 「幻想ポロネーズ」
ショパン:ピアノソナタ第2番変ロ短調 Op.35 「葬送」

 最初のA.Mさんの演奏もG級決勝で聴きました。決勝ではかっちりしたプログラムで真摯に演奏されていた印象がありますが、今日の告別もまっすぐで瑞々しく好感が持てました。
 そしてM子ちゃん。真っ赤なドレスで登場しました。マズルカ。ピアノの前に座るとたちまち変身し音楽に入り込むM子ちゃん。遠きポーランドの血がマズルカの演奏中は体全体に流れていたみたいでした。ショパンのやるせない思いも音で見事に表現していました。黒鍵もとてもきめこまやかに真珠のように美しく弾かれていました。本当に指がしなやかに動いていて驚くばかりです。そしてリストのバラード2番。大好きな曲でブログの記事にもしたことがあります(ちなみにリンク先の記事の演奏者は今日最後に演奏されたT.Uさんです)。恐れ多くも目標曲とまで書いていました(爆)。M子ちゃんは変更して弾かれた曲だということですが、一緒に演奏を聴いたAさんの話によると譜読みの期間も驚くほど短かったとか。でもM子ちゃんなら見事な演奏を披露してくれるだろう、と思っていたら、予想どおり、いや、予想以上に素晴らしいものでした。出だしの暗いところからやってきたようなどろどろアルペジオからぞくぞくしっぱなし、中間部分の光が差す部分では晴れやかにたおやかに、そして盛り上がるところでは激しくダイナミックに上り詰め、どこかに連れて行かれそうな雰囲気でした。ドラマチックな曲のドラマをとことん引きだされていたような気がします。音楽の魅力を感じ取り、その感じとった魅力をしっかりと出されていてすごいと思いました。ものすごい想像力、そして体力持久力がなければできないことだと思います。濃厚な演奏でした。そしてカプースチンのエチュード。決勝でも聴きましたが今回もエネルギッシュで熱い演奏でした。終わってほしくなかったのに終わって残念。M子ちゃん、昨年夏からさらにパワーアップされたような気がします!M子ちゃん劇場(すみません、書きたい放題書いていますが本当にそういう感じでした)が繰り広げられた貴重なひとときでした。

 休憩後は特級の方たちの演奏。A.Mさんの弾かれたシューベルトのさすらい人幻想曲は、恥ずかしながら初めて聴いた曲でした。多くのモチーフが積み重なり、その中にはシューベルトらしい歌も含まれている大曲でしたが、確実にしっかり弾かれていたと思います。このような曲はこれといった盛り上がり、というのがつかみにくそうな曲なので人に聴かせるのは大変な曲のように感じます。彼の演奏、主人が評価していました。
 最後に特級でグランプリを取られたT.Uさん。コンクール中からyoutubeで演奏を聴きながら応援していました。自分の音楽をしっかり持たれた方だと思っていましたが、今日もまさにその通り。難しいショパンの2曲を端正に弾かれていました。天から舞い降りてきたような繊細で美しい弱音からそしてあの小柄な体や腕からどうしてあのような音が出るのかと思えるようなダイナミックな音まで曲の場面に応じて音の表情を変えて演奏されていました。心から安心して聴けるピアノを弾かれていたと思います。ソナタ第2番の第4楽章はミステリアスな曲ですが、彼女の演奏には拍子がついていて、曲らしい曲になっていました。それが彼女の第4楽章の解釈なのだろうと感じました。
 
 素晴らしい演奏をたくさん聴かせていただき、心から満たされたひと時でした!M子ちゃんをはじめとし、出演者の方たちを今後も応援したいと思いました。

 来週はグランミューズの演奏会に行きます。楽しみです。

チェルニー30番 続き

2011年02月11日 | ピアノ・音楽
 昨日チェルニー30番の記事を書き、今朝起きて思いついたことは、どうしたら時間がなかったりさぼりたくなったりする人も、チェルニーのような曲をちゃんと練習しようと思えるか、ということでした。現時点で思いついたことは以下の二つです。(私の記事は思いつきも多くて恐縮なのですが、そこから宝もひょっとしたらでてくるかもしれません!?)しかし、この内容、思いつきとはいえ、レッスンや人の話を参考にしているのですが。

1.蟻のような速さで練習しはじめてよい。
  (ちなみに楽譜に書いてある速度はおそろしく速いですよね。それでなくても、細かい音符がたくさんあるので、ある程度速く弾かないと格好がつかない、と思われがちですが、最初の最初から、ある程度速く弾こうとしたら、弾けない場合に情けなくなってしまいます。はじめは亀、いや蟻のような速度で弾くと、考えながら弾くようになるので打鍵も確かになるし、繰り返し弾いているうちに徐々に弾きやすくなると感じました)

2.毎回全曲通す必要がない。必要なところを取り出して練習するのもよい。
  (これは子供のころには決して分からなかったことですが非常に大切なことだと思います。特に時間が限られた人にとっては。どの曲もそうだと思うのですが、学習者泣かせの箇所は大体決まっています。そういうところだけを取り出して弾けるようになるまで何度も練習すれば、弾けないところがつぶれていくので弾けるようになるし、弾けるようになったところが増えて自信がつくと思いました)

 最後に

こういうことを書くのだったら本人がやってみなくちゃね。