いろはにぴあの(Ver.3)

ピアノを趣味で弾いています。なかなか進歩しませんが少しでもうまくなりたいと思っています。ときどき小さな絵を描きます。

アマチュア室内楽フェスティバル

2011年02月20日 | ピアノ・音楽
 今日は横浜でピンときた催し物に行ってきました。「みなとみらいアマチュア室内楽フェスティバル」!今まで目に入らなかったのがなぜだと思えるような感じの面白そうな催し物です。願ったりかなったり。昨日を励みに今日は家で真面目に練習に励もう、とは思っていたもののなんだか気になる。主人の出張中の悪だくみ(?)ではないですが「みなとみらい」「アマチュア」「室内楽」という言葉が頭から離れなかったので出向くことにしました。
 幸い当日券がありました。出演者の知り合いの方が多かったと思います。このアマチュア室内楽フェスティバル(略してACF)、全国からアマチュアのアンサンブルチームが参加し、録音とエピソードなどの予選があります。選出基準は演奏レベルだけではなく、チームのエピソードも大いに加味されます。勝ち抜いたチームが昨日と今日、みなとみらいで行われるフェスティバルに出演することになります。プログラムには出演チームの演奏曲目とエピソードが紹介されていました。

 プログラムもろくに見ずに出向いたのですが、以下の通り充実したものでした。(後で見たらちゃんとネット上にありました)

J.S.バッハ:管弦楽組曲第2番 ロ短調 BWV1067より メヌエット、バディネリ(管弦楽合奏/10人)

ハイドン:ピアノ三重奏曲 第39番 ト長調 Hob.XV-25より 第1、第3楽章(ピアノ三重奏/3人) 

ショッカー:エアーボーン(ピアノ・フルート・デュオ)  

シューベルト:弦楽四重奏曲第14番 ニ短調「死と乙女」 D.810より 第1楽章 (弦楽四重奏/4人) 

ラック:ボヘミアの歌 イ長調、プーランク:ノヴェレッテ ハ長調(ギター・アンサンブル/7人)

ジョイウェップ(編曲/斎藤邦彦):シェア・マイ・ヨーク、マンシーニ(編曲/前田健一郎・斎藤邦彦):ピンクパンサーのテーマ (金管五重奏/5人)

ラーマ7世:ラートリー・プラダップダーオ(夜の星空)(タイ古典楽器アンサンブル/10人) 

C.P.E.バッハ:トリオ・ソナタ ニ短調 Wq.145より 第1楽章 (ピアノ・ヴァイオリン・フルート三重奏/3人) 

ベートーヴェン:七重奏曲 変ホ長調Op.20より 第6楽章(管弦楽合奏/7人)

啼鵬:モダンチャルダッシュ (サックス四重奏/4人)

ドヴォルザーク:ピアノ五重奏曲 イ長調 Op.81より  第1楽章 (ピアノ五重奏/5人) 

 最初のバッハは小学校の管弦楽クラブ、2番目のハイドンのピアノ三重奏曲は中学生男子3人でしたが大人顔負けの演奏でした。バッハを演奏した小学生の彼女たちは全員4年生から楽器を始めたというけれど、ここまでできるようになるとは並大抵のことではないと思います。指導された先生がすごいのかも。ハイドンの中学生男子3人は結成のきっかけは本人同士ではなかったそうですが、いや~あれだけの演奏、アンサンブルができるのは大したものです。うらやましいし素敵なことだと思います。(しかし私が本当に彼らの年齢であのような立場にいるとしたら、純粋にそう思えていたかというと心もとないのですが)
 ギター、金管、サックスの演奏も楽しかったです。普段あまり聴くことがなかったから新鮮でした。ギターの音色って繊細で美しいですね。経験もさまざまな人たちが集まったそうですが、心が温まる演奏でした。金管五重奏は市民オーケストラの仲間たちが一緒にうまい酒を飲みたいという理由から結成されたチームだそうですが、メンバーの登場の仕方などの演出が楽しかったです。サックス四重奏をされた方たちは一通のメールで20年ぶりに再会し、そのまま結成されたチームで、拠点は静岡でありながら他県から集まってくるメンバーもいます。限られた練習日ですがそのときは長時間燃焼するそうだとか。4人の呼吸がぴったりあっていてそろうというのはこんなに美しいものなのか、と感じさせてくれました。
 タイ大使館の職員によるタイの楽器での出演もありました。舞台の後方にたたみ(に見えました)をしき、そこの上でタイの古典楽器、胡弓のようなソードゥアン、ソーウー(参考)という楽器、ジャケーと言う琴、キムという打弦楽器、チンというシンバルの合奏が披露されました。作曲者はラーマ7世で国王。西洋の音階とは違う不思議な音階で神秘的な演奏でした。そうでありながらのびやかで自由な感じも。微笑ましい恋愛を表現した曲で、テンポとともに感情も高まりそうでした。演奏前と演奏後に手を合わせているのも音楽に敬意を払っているような気がして美しく感じました。貴重なものを聴くことができました。
 そして当然オーソドックスとも言えるトリオ、カルテット、五重奏、七重奏のアンサンブルもありました。アマチュアオーケストラや学生時代の縁となって結成されたグループで、どの方たちの演奏も本格的に思えました。おそらくここまで至るためには紆余曲折があったと思うのですが、どの方も音楽が大好きでまっすぐに向き合っているというのが伝わってきて心打たれました。曲も好きなものがたくさんでてきてうれしい限り。ちなみにC.P.E.バッハのトリオソナタ二短調の演奏は私のツボにはまりました。ちなみにそのグループのリーダーさん、バッハの音楽の捧げものを演奏するのが夢だと言われていましたが。。。その曲、私もあこがれてるんですよ~。ひそかにチェック候補です。
 その後賞の授与がありました。いろいろな要素を加味した上での賞だったようです。

 聴いているだけでも幸せな気分になれたフェスティバル。本当に楽しかったです。一方演奏する側になってアンサンブルをやってみたいという願望もありますが、実際にやるとなると大変な面も多いと思います。現時点ではそのような機会があったら乗ってみたい、という状態で自らの足でかなえたい、というほど強くはないのですが、せめてこのような演奏会があったら足を運んでみたいと思います。
 このアマチュア室内楽フェスティバル、毎年行われているようです。