AAPサンフランシスコ100周年大会は、即時インプラントの講演がかなり多かったです。
この影響を受け、日本でも即時インプラント治療が普及し始めるかも知れませんが、私自身は大丈夫かな?と危惧が拭えません。
なので、即時インプラント治療の正しい普及を願って、最大の注意事項を述べて置きたい,と思います。
即時インプラントは、抜歯直後にインプラントを植立する訳ですが、実は一番大事なことはインプラント植立ではありません。
それよりも重要なのは、サイトプレパレ-ション、つまりその部位にインプラント植立して良いと言う状況に出来るのか、判断を間違えないで出来るのか、になるんです。
具体的に言えば、病巣除去を徹底的に出来るのか、それでいて骨を必要以上に痛め付けないで出来るのか、です。
インプラントの治療、手術となると、とかくDRも患者さんもインプラント植立に関心が行ってしまいます。
しかし、そこ部位が病巣だらけだったり、骨がグチャグチャだったらどうなるでしょう。
勿論、上手く行く筈がありません。
ここが、即時インプラントの最大の壁です。
この事は、絶対に軽視してはいけません。
今回の学会で、即時インプラントの利点が幾つも強調され、治療部位の再生、骨、歯茎の組織維持、審美的治癒に非常に効果が高い、治癒期間も短縮出来、手術の侵襲も小さいと講演されていました。
が、サイトプレパレ-ション、その部位を綺麗に出来ていること、骨も歯茎も痛めないで綺麗に処置出来ていること、が何よりも重要なのです。
その方面の話が少なかったのが、とても気になります。
この壁を越えないと、講演で聴いたことは上手く行かないので、気を付けて欲しいです。
即時インプラントの時代が本格的に到来するのは間違いない、と私は思います。
しかし、甘いものではない、と言うことを強調し、これから私も日本に帰ります。