
三浦一族終焉の地、荒井浜の海で一族を偲ぶ供養祭とともに、3年ぶりに開催された国内でも珍しい笠懸。


笠懸は流鏑馬、犬追物と並ぶ三大古弓馬術の一つで、三浦一族のお家芸として永く伝えられてきた。

遠く富士山も見守る。
・
今回は、的を射抜く射手の方たちの表情のみならず、出来る限り近くに寄って装束や儀式の様子なども追いかけた。

腰には鹿の夏毛で作られた【行縢(むかばき)】、手袋を締め直す秋山射手。

左腕には各射手の家紋が金糸で縫い取られた射籠手(いごて)。射籠手の家紋は初陣には許されない。

【神頭矢】鏑に良く似ているが中身が刳り貫かれておらず、また大きさも鏑より小さい。
射あてるものを傷を付けないよう、もしくは射砕く目的で使用されるらしい。射手各自の色・カタチがある。
射あてるものを傷を付けないよう、もしくは射砕く目的で使用されるらしい。射手各自の色・カタチがある。




ここ相州三浦総鎮守 海南神社の米田宮司が行事の無事を祈願。

【矢代振之式】とは奉行は参加射手の矢を全員分集めて後ろ手に回し、


1本ずつ引き抜き、射手の出場順を決める儀式。矢代振(やしろぶり)と呼ぶ。

素馳(すばせ)が始まった。奉行や諸役は配置に。奉行の破の太鼓(はのたいこ)のあと、射手は弓を射ずに全速力で馬場を走り抜ける。

遠くに見える塔は諸磯崎灯台。

続いて【奉射】(ほうしゃ)。



今回唯一の女性射手は吉田射手。凛々しい姿は京急各駅で貼られていたポスターのモデルにもなっていました。





湾曲した海岸沿いの馬場。普段の態勢とは違います。
・
笠懸は【馬手筋違(めてすがい)】という難易度MAXの所作があるのが特徴。



茂みに伏せた敵兵を射ることを想定した地面に近い的。


しかもその的は弓を引く手の側にある。馬上で大きく体をひねりあの長い弓を構える。







望遠レンズが捉えた射手の表情は鬼気迫るモノでした。

この日の最多的中者は、あの吉田射手。


【凱陣の儀】止の太鼓により競射を終えると最多的中者が式の的をもって奉行の前に座し、奉行は扇を開いて骨の間から検分する。

扇を戻して太刀の鯉ロを切り、陣太鼓とともに奉行の「エイ・エイ・エイ」の声に続いて射手諸役一同「オー」と唱和。

これを三回繰返し勝閧を揚げる。この儀式は邪悪退治の首実検の意味がある。

穏やかな笑みに汗が光ります。

お疲れ様でした。

大河ドラマの等身大パネルも用意された令和4年の笠懸は、想い出深いものになりそうです。
・
・
この日の撮影レンズ
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます