
「ヤブコウジ」 ヤブコウジ科
草津白根山は、馴染みの山。スキー、ハイキングと何度も訪れた。白根山は“湯釜”があり、観光客で賑わうが、どちらかと言えば、荒涼とした風景が広がり、その先の湿原、“芳の平”まで行かないと、いろいろな植物に出会えない。
一方、本白根山は、白根山とは対照的で、美しい針葉樹林が広がり、特に高山植物の女王として知られる、コマクサの群生地がある。勿論、鏡池にも何度か行っている。林の中を、だらだらと下りながら、珍しい植物に出会えることは、楽しみのひとつだった。
ところが、今回、まさに、あの辺りで約3000年ぶりの噴火とは!しかも、複数箇所からという。本当に驚いた。何度も訪れた場所だけに、今回のような噴火に遭遇していたか、と思うと恐ろしくなる。つくづく自然の怖さを痛感。連日、映しだされる山の姿に、さまざまな記憶がよみがえる。
冬は、枯れた葉や落ち葉の中で、鮮やかな色は目をひく。ヤブコウジは、十両とも呼ばれ、マンリョウやセンリョウと共に、似た実をつける。但しそれらと違うのは、実の数が少ないこと、丈が低く、15㎝程度。個体は、庚申山の斜面で見つけたもの。当家の庭のヤブコウジは、花を咲かせることを忘れたのか、今年は実をつけない。それとも、気がつかないうちに、野鳥に食べられてしまったの?