啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

尾瀬の花3「ジョウシュウアズマギク」と「オゼミズギク」

2012-08-05 10:56:21 | 高山植物

昨晩、烏川の河川敷に寝転び花火を見た。打ち上げ地に近い距離で見ると迫力が増す。最後の大規模な仕掛け花火には、やや引き気味の私も自然と拍手をしていた。8月に入ってアブラゼミの数が増えたと思ったら、ヒグラシ、ミンミンゼミからツクツクボウシまでの大合唱。夏!!真っ盛りである。今週は尾瀬を歩こうと思っているが、未だコースは決めていない。

「ジョウシュウアズマギク」はキク科ムカシヨモギ属の多年草。ミヤマアズマギクの高山方変種だという。至仏山から谷川岳方面の蛇紋岩地帯にに自生しており、分布している地名から名がついている。特徴は「葉が細いこと」「茎の細毛が長く密生していること」だという。この個体は、小至仏に登る岩の多い草むらで撮った。

葉はkヘラ型の根生葉で4-5枚。中央から10-30センチの茎を伸ばし、笹の葉のような細い葉がつく。先端に花径で3センチ程の薄紫色の舌状花をつける。

「オゼミズギク」はキク科オグルマ属の多年草。尾瀬や東北地方の中部以北の湿原に生える。“ウサギギク”だと思って写真を撮ったが、調べて見るとオゼミズギクのようだ。花期は7月下旬から9月。草丈は25-50センチ。ヘラ型の根生葉が放射状に伸び、茎の上部の葉の底には多数の腺点がある。

茎の頂に黄色の舌状花で花径が3センチほどの花を1個つける。花期は8-9月。黄色がすっきりと目立つ花である。

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「ハクサンコザクラ」

2012-08-04 00:11:00 | 高山植物

山を歩いていて、予想していなかった植物に出会うと嬉しくなる。至仏山のオヤマ沢田代の小至仏よりのところにベンチがある。その下に小さな湿地があり、ハクサンコザクラが咲いていた。会津駒ケ岳の池塘(駒の池)の群生、妙高山の下山途中の湿地での一輪の残り花の2回しか見たことがない。日本海側の高山地帯しか咲かないと言うこの花に、尾瀬でいきなり出会えかなり感激した。

「ハクサンコザクラ」はサクラソウ科サクラソウ属の多年草。高山植物。白山から飯豊連邦まで日本海側の高山帯に分布している。雪渓の周辺や湿地帯など湿った場所荷群生する。草丈は15センチほどの小型の植物。葉は根生しヘラ状で、縁(縁)に鋸歯が入っている。

中央から10-15センチの花茎を伸ばし、先端に1から数個のピンク色の花をつける。5弁花だがハート型に深く切れ込んでおり、10弁に見える。花径は2センチほどで、小さく可憐。
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「オオムラサキ」「ヤマユリ」「オニユリ」

2012-08-03 08:40:22 | 里山

酷暑が続いている。近所の散歩コース「竹沼」は1周すると4・2キロ。ずっと木陰を歩けるので朝方、夕方には多くの人が歩いている。ここは、ブラックバス釣りの名所でもあるようだが、四季の動植物の変化を多様に楽しめる素晴らしい場所。しばらく山と高山植物の話題が続くが、人里と里山が交差するここ“竹沼”でも「オオムラサキの夫婦?」に「ヤマユリ」「オニユリ」と夏!!真っ盛り。

「オオムラサキ」はタテハチョウ科に分類される大型の美しい蝶。日本の国蝶に指定されている。写真左がオスで右がメス。オスの羽は青紫に光って見え美しい。メスは全体が一回り大きく堂々としているが、青色の光沢はない。羽根を広げた状態での体長は8㌢前後か。この辺での成虫としての活動期間は7-8月上旬。クヌギの木の樹液に集まっていた。実物に出会うとハッとするくらいに美しく、気品がある。

準絶滅危惧種に指定されているが、都市近郊などを除けば絶滅の心配はそれほどないという。が、滅多に目にすることの無い蝶。樹木の高いところを中心に飛び回っているため、出会いにくいようだ。私も小学生の頃から名は知っていたが、自然の中で飛んでいるのを見たのは、甲府市の郊外の信玄神社の境内での一度だけだった。昨年、目の前でこの蝶に出会い感激したが、今年もまた同じ場所のクヌギの木で樹液を吸っていた。カナブンやスズメバチと堂々と渡り合い自分の場所を確保していた。この2羽はペアになりそうで、蜜場の隣の木に移り羽根を休めたところを写真に撮った。

竹沼では“ユリ科”の花が咲き誇っている。堤防沿いのユウスゲは植栽されたものだが「ヤマユリ」や「オニユリ」が自生している。両種ともユリ科ユリ属の球根植物で、鱗茎は食用になる。ヤマユリは日本特産種のユリで、山地の林縁や草むらなどに自生。草丈は1-1・5メートルほど。花が咲くまでに5年ぐらいかかると言うが、花の個数は「1年に1個ぐらい増える」のだそうだが、10個ぐらい花をつけることもあると言う。花期は7-8月。花径は20センチほどで派手。甘い濃厚な香りも強い。この場所のヤマユリは激減している。高崎自然歩道の根小屋城址は大きな群落があったが、7月上旬に見た限りでは1本も姿が見えなかった。猪などによる食害か盗掘かはわからない。

オニユリは日当たりの良い草むらに自生する。橙色が目立つ花は花径が7-8センチで、花弁が裏に丸く反り返っている。黒っぽく見える斑点がある。花期は7-8月。葉の付け根に黒紫色のムカゴを作る。



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「荒川三山・中岳」(3083M)から「赤石岳」(3120M)へ

2012-08-02 00:10:39 | 登山

3000M級の登山はこれで4度の経験しかない私だけに、当ブログのカテゴリーには“低山歩き”しかなかった。今日から“登山”を追加。これから高い山に挑戦すると言うのではなく「山は山」だから・・・???!!。2泊での縦走は初めての経験。昨日、最高地点の悪沢岳まで紹介。今日は百名山で今回の最大の目標でもある赤石岳から下山までの行程。

荒川三山の最高峰「悪沢岳」(3141M)から「中岳」(3083M)に向かう道は、登山地図(昭文社)で危険マークが付いている急下降。ロープも鎖もない急斜面の岩場を降りる。2,300百メートル降り、中岳に向け再び急な岩尾根を登り返す。千枚岳直前のガレ場からの尾根歩きはイワキキョウ、ミヤマダイコンソウ、ハクサンイチゲ、ミヤマオダマキなど高山植物が多く、富士山など大展望を楽しめるが、アップダウンが厳しい。中岳山頂では写真を撮り、水分を補給した程度で先を急ぐ。


荒川三山の「前岳」(3068M)へは往復で20分程度だが、私はエスケープ。荒川小屋を目指す。急な下降を標高差で五百メートルほどした場所に小屋があるが、その途中に素晴らしいお花畑があると言うので、こちらを優先する。ハクサンチドリにイチゲ、シナノキンバイ、ミヤマシオガマにキンポウゲ、ダイコンソウetcが尾根に向かい大群落。クロユリもあちこちで見られた。植物の種類は尾瀬の至仏山の方が多いが、お花畑の規模は圧倒的なスケール。尾根に向かい駆け上がっていた。


荒川小屋で合流し、メインの「赤石岳」にスタート。樹林帯の上部まで標高を下げたがここで大聖寺平を目指し再び登り返す。息が切れ、友人達についていけない。「小赤石岳」(3081M)までは「展望の良い稜線歩き」のはずだが、息も絶え絶えでようやく歩く。写真を撮る振りでごまかしながらも5分以上皆に遅れてしまった。

小赤石岳から赤石岳までの稜線は緩やかだったが、ガスに包まれ展望は殆ど無かった。今回の登山でハイライトとなる赤石岳だが“これでもう登りは一段落”と言う思いが先行してしまった。休憩している間に、瞬間的にガスが流れ、歩いてきた荒川三山など雄大な姿も望めた。

急な坂を下り今日の宿泊地の赤石小屋に到着。早朝5時に出発し、小屋到着は午後の3時過ぎだった。快適な稜線歩きを見込んでいたが、標高差の合計では前日の倍以上か??
冷たいビールで乾杯し、夕食を済ますと眠り込んでイ待った。最終日も好天気。赤石岳の勇姿を胸に収めて登山口を目指し出発した。




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「荒川三山(悪沢岳)」(3141M)から「赤石岳」(3120M)

2012-08-01 13:06:52 | 低山歩き

28日の午後に出発し、静岡県の大井川上流“畑薙第一ダム”の近くの駐車場に着いたのが深夜の11時。翌朝、学生時代の友人3人と落ち合い「荒川三山」-「赤石岳」を歩いた。好天に恵まれ、クロユリが咲き雷鳥の親子が遊ぶ天空のお花畑、厳しいが私にとって最高度の稜線歩き、1年振りの友人との交流・・素晴らしい4日間だった。企画で事務局長のO氏、山の達人で登山口までの下見までしてくれ情報を提供してくれたK氏、遅れて歩く私を気遣って待っていてくれるO氏に感謝!!
▽行程はーー「畑薙第一ダム(夏季駐車場)」からバスで「椹(さわら)島」(1100M)の登山口→「千枚小屋」(2600M・泊)→「千枚岳」(2879M)→「丸山」(3032M)→「悪沢岳(荒川東岳)」(3141M)→(荒川}「中岳(3083M)→前岳(3068M)」→「荒川小屋」→「小赤石岳」(3081M)→「赤石岳」(3120M)→「赤石小屋」(2563M・泊)→「椹島」→ダム駐車場。

※「悪沢岳」まで。
岐阜、豊橋市在住の友人との再会は29日早朝5時過ぎ。再開を喜びながら持参の朝食をとる。8時のバスを待つ。定刻より1時間速くバスが動き(臨時便)登山口へ。今日の予定は標高差約1500Mの千枚小屋まで。3年連続で好天の登山日和は企画のO氏に感謝するばかりだが、かなり暑そう。幸いにも深い樹林帯が続き、直射日光は避けられたが、ザックまでが汗でビッショリ濡れるほどの汗だった。友人K氏からは「ブログに書くなら“間違っても急登とは書くなよ!!”」とのこと。私には過酷な急登!!オオシラビソの林を抜け、ジグザグに上がるとクリンソウの咲くお花畑があり、千枚小屋があった。

予定より1時間早く到着。汗を拭き、顔を洗って一段落した後で“同窓会”。冷えたビールで乾杯。近況を報告しあい、共通の友人の動向など確認。山小屋は私自身の“鼾”と雑魚寝の混雑など好きな場所ではない。午後8時半の消灯後は寝ることに尽くす。30日は朝食が4時半で5時出発の強行スケジュール。大勢の人がカメラを構えており、私も「日の出前の富士山」「日の出」の下手な写真を撮ってみた。


小屋のお花畑を抜け急坂を抜けると更にガレた登山道。高山植物の種類が増え楽しいが最初から厳しい登り。富士山や赤石岳など展望が開けたところが千枚岳だった。40分ほどで標高3000メートルを越え丸山。更に30分ほど急な岩場を登ると百名山の「悪沢岳」(荒川岳・東岳3142M)だった。南に聖岳、北に塩見岳と雄大な展望を満喫。おまけの写真は小屋での友人3人。感謝を込めて!!

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