航跡。
という言葉がちょっと好きです。
最近、妙に早起きしてしまいます。急に涼しくなってきたので、朝の早い時間に窓の外を眺めたりするのは気持ちがいいものです。5時くらいだとまだ薄暗かったりして、日がだいぶ短くなってきているのも分かります。今朝はじっと雨の音を聞いていました。
それで、航跡。これは別に朝にかかわらず、いつでも船が水の上を通っていけばその後へ続いて生じる波のことです。でも、私にはなにか朝のものであるような気がします。それも、河ではなく海の上でのことのような気がする。河は夜でしょう。
どういうわけか、私は、朝は海のものであると考えているようです。だから、どこにいても早朝ならば、私は海を思ってしまう。大阪の、この部屋からは海が遠いのだけれど、やっぱり朝ならば海を思ってしまう。また、逆に水とか波とかのことを考えると、そう考えているのが昼だろうと夜だろうとやはり朝を思ってしまいます。
小さかった頃には、砂浜を散歩に連れられていって、黒や白の丸い石を拾ってあるきました。高校生の頃には、毎朝海にそって走る電車に乗って通学し、昇ってきた朝日が、海の上に短い虹を作るのを見たりもしました。ほかにも、あのときも朝の海。また別のときも朝の海でした。
まあ、こんなことはどうだっていいことなのですがね。どうだっていいことを言いたくなっているあたり、どうやらもう秋はきているようです。