低気圧のせいか、カタツムリのようにヌメヌメとへばっている私です。しかしカタツムリはあれでへばっているわけではなくて、むしろ元気いっぱいな姿なんですよね。私はカタツムリが好きです。あの角とか殻の渦巻きとか。ついでにナマコやウミウシなども好きです。彼らが動いていると、ついまじまじと眺めたくなる。
さて、台風が近づいていた昨晩。K氏と私は湿気に唸りながらも、夕食時に
「ゼノンのパラドックス」について話し合いました。K氏はこれが好きらしく、そのなかでも
「アキレスと亀」についてはこれまでにも何度か話題に上ったことがあります。飯時にこんな話題を笑いを交えて持ち出すことのできるK氏という人を、私は素直に尊敬しちゃいますね。そして、普段のように世をはかなんで嘆くばかりの時よりも、こんな時のK氏は百万倍も魅力的なのです。
それはさておき、私は昨日の対話によって、ようやく「ゼノンのパラドックス」を理解しました(という気になれる段階に到達しました)。なるほど、そういうことだったのか。では、どういうことを理解した(つもりになっている)かというと、こういうことです。
以下はWikipediaより「アキレスと亀」について引用。
_________________________________
あるところにアキレスと亀がいて、2人は徒競走をすることとなった。しかしアキレスの方が足が速いのは明らかなので亀がハンディキャップをもらって、いくらか進んだ地点(地点Aとする)からスタートすることとなった。
スタート後、アキレスが地点Aに達した時には、亀はアキレスがそこに達するまでの時間分だけ先に進んでいる(地点B)。アキレスが今度は地点Bに達したときには、亀はまたその時間分だけ先へ進む(地点C)。同様にアキレスが地点Cの時には、亀はさらにその先にいることになる。この考えはいくらでも続けることができ、結果、いつまでたってもアキレスは亀に追いつけない。
_________________________________
「いや、普通にアキレスがあっさり追い越すでしょ^o^ ゼノンさんは、どこかちょっと具合悪かったんじゃね??」と言い切ってきた私は、これまで何が問題なのかを理解していませんでした。
要は「アキレスと亀との間の差を無限に切り分ける」と、「亀はその地点でアキレスのさらに先にいる」という前提がある限り、「アキレスは亀に追いつけない」ということだったんですね。なるほど。分かったよ。極限の話を出されたのでよく分かった。そういうことだったんだね。
で、何が分かったかを説明しようと思いましたが、えっと、それは…K氏とWikipediaにおまかせ☆ え、私? 分かってるよ。本当だよ。運動の話でしょ。連続を切り分けて見ることはできるけど、その断片を繋ぎ合わせてみても連続にはならないっていうんでしょ。でさ、普通に考えるとやっぱり、アキレスは亀に追いつけるよね。そうか、つまりはそういうことなのだ(ほんとうか!?)。
→詳しくはこちらから:
「ゼノンのパラドックス」-Wikipedia
世の中を、「普通」を飛びこえた眼差しで見つめ直そうとする人々というのは美しいものです。どんなに奇妙に思えても、どんなに馬鹿げた試みに思えても、彼らが示すのは膨大な可能性の物語なのです。世界を取り囲む壁を押しやり、乗り越え、私たちの認識の領土を拡大しようとしている人たちがいる。たぶん今もどこかに。であるがゆえに、そういうものに少し触れられた時、私やK氏の胸のうちには緑がかった金色の炎が明るく燃えさかるのでした。さまざまな試みのあとが、さまざまな思考の痕跡が、どこでどんな風に活用されるかはまだ分からず、それがこれからの世界にどんな影響を与え得るのだろうと考えると、心が躍るようですね。まあ、私はそういうのを遠くから眺めるだけで理解すらできないでしょうが、人類全体のことを考えると、やっぱり楽しくて仕方がないのでありました。
私にもなにか人類に貢献できることがあればいいのにとは思いますが、とりあえず何も思いつかないので、ひとまずは「アキレスが亀に追いつけない」などと言うゼノンさんとその一派をちょっといかれた人たちだと思っていたことに対して詫びておこうと思います。
ごめんなさい <(_ _)>
あなた方のような人がいなければ、この世界は面白くないですね。さあ、その意気でこれからも頑張れ!
と、偉そうに終わる。ハハハハ! あー、台風来た~~?