このところ、毎日のように通り雨があります。夕方突然に空が暗くなり、雷がごろごろと鳴り出したかと思うと、猛烈な土砂降りです。
熱くなりすぎた都市を冷やしてくれるのはありがたいですが、いささか激しく降りすぎる感じもします。誰かの雨傘が吹き飛ばされて、骨が1本折れたまま道路を転げていきました。すぐ近所の空き地では、巨大な掘削機が大雨をも意に介さず掘削を始めました。あの先端に雷が落ちたら見物だなと不謹慎なことを考えて見ていましたが、幸いにもそんなことにはなりませんでした。
ああ、しかし、自分が屋内にいる分にはやはり雨は気持ちがいい。雷や大粒の雨がバチバチと弾けるのを部屋の中でじっと聞いていたら、私はまるでだだっ広い草原にぽつんといるような気持ちになります。濡れた土と草の匂いや冷たさ、心細さと同時にどこか開放されたような感じを思い出すようです。
それにしても、明日は出かける予定があるので、あんまり雨は降らないでほしいですね。中途半端に濡れるのは嫌なものです。どうしようもなくずぶ濡れになってしまえば、それはかえって笑えてくるものではありますが。あ、そういえば、昔そんなことがあったなぁ。
そのあと、急に雨はおさまりましたが、琥珀色に焼けた空に、青白い稲妻がぴしぴしと走るのが見えました。なんかもう今日はこれだけでいいや。そのくらいに、ただ一瞬の空の美しさでした。